テラーノベル
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夜の屋上は、少し寒かった
フェンス越しに見える空は、どこまでも暗い
その暗さにポツポツとひかる星
俺はその空をぼんやりと眺めていた
ya
ur
隣にいるのはゆあん
小さい頃からず〜っと一緒の幼馴染
ya
ur
俺がそう言うと、ゆあんは笑った
ya
ur
ya
ur
少し沈黙が流れる
夜風が吹いて、フェンスがカタカタと音を立てた
ゆあんは空を見たままポツリと言う
ya
ur
ya
俺はすぐに言った
ur
ya
ur
ya
ゆあんは手を伸ばした
まるで、星を掴もうとしてるみたいに
ya
ur
俺は黙った
ya
ya
その声は冗談じゃなかった
本気の声だった
俺は少しだけ空を見る
無数の星
遠すぎて、手なんて届かない
ur
ya
ur
ya
ur
ur
ya
ya
その自信満々な顔が、少し腹立つ
でも、少しだけかっこよかった
それから数年経って、俺たちは高校生になった
平凡な毎日
だけど____
俺の隣のは、相変わらずあいつが居る
ya
後ろから声がする
振り向かなくてもわかる
ur
ya
ur
ya
ur
ya
ur
ya
ゆあんは昔からずっとこんな感じだ
変わらない
でも__
一つだけ変わったことがある
ゆあんは、休み時間いつも本を読んでいる
宇宙の本
ロケットの本
星の本
俺はそれを横目で見ながら言った
ur
ya
ur
ya
ya
ya
俺は小さくため息をつく
その時、ゆあんがじっと俺の顔を見た
ya
ur
ya
ur
ya
ゆあんはクスッと笑う
ya
俺はすぐ顔を逸らした
ur
胸の奥が少し痛い
理由は分かっていた
でも認めたくない
放課後
結局、屋上に来てしまった
夕焼けが空を赤く染めている
フェンスの向こうに、遠くの街
ゆあんは、寝転がって空を見ている
ya
ur
ya
ゆあんはのんびり言う
しばらく沈黙が流れる
ya
ur
ya
俺は少しだけ目を細めた
ur
ya
ya
ur
ya
冗談みたいな言葉
でも、いつも本気だった
俺は空を見る
まだ、星は一つも見えない
ur
俺は、小さく言う
ur
ゆあんは驚いた顔をする
ya
ur
ya
ur
ya
ur
ya
本当の理由は言えない
だから、適当に答える
ur
ゆあんは笑った
ya
ur
俺は気づいていた
ゆあんと目が合うと、少し恥ずかしい
声を聞くと、安心する
これがなんなのか
もう分かっていた
でも、口には出さない
ゆあんは宇宙に行く
届かない場所に行くから
夕方の空に、星が一つだけ光った
ゆあんはそれを指して言う
ya
ya
ur
この時は知らなかった
今日した約束が、本当になることを
時間はあっという間に過ぎた
高校を卒業して、大学に入って
気づけば大人になっていた
俺は天文学を学ぶ大学に進んだ
夜になると、大学の屋上で空を観測する
望遠鏡のレンズ越しに見る星は、昔よりずっと近く感じた
でも__
本当にみたい人はここに居ない
ゆあんは、宇宙飛行士になるためのコースがある大学に進んだ
体力訓練や試験で忙しいらしい
昔みたいに毎日会うことは無くなった
それでも、たまに連絡は来る
スマホが震える
画面を見る
俺は小さく笑った
ur
空を見上げる
夜の空には、無数の星
スマホを打つ
ur
「知ってる」
すぐに返信が来る
「大学」
「見てる」
少し間があってから、返信が来た
その文字を見て、胸が少しだけ温かくなった
離れていても同じ空を見ている
それだけで少し嬉しい
数ヶ月後
大学の研究室でテレビが流れていた
アナウンサー
画面に名前が並ぶ
その中に、
ゆあん
俺は一瞬息を止めた
ur
合格
宇宙飛行士候補
夢の第一歩
周りの学生が話している
.
.
.
でも、俺の耳にはほとんど入らなかった
ただその名前だけを見ていた
本当に行くんだ
宇宙へ
ya
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通話
00:00
突然スマホが鳴った
ur
電話の向こうでゆあんが笑っている
ya
ya
ur
ya
ゆあんは、少し照れた声で言う
ya
ur
ur
ゆあんは少し黙った
ya
ur
ya
ur
本当だ
凄く誇らしいと思う
でも、胸が少し痛む
ゆあんが続ける
ya
ur
ya
その言葉は、少し遠く聞こえた
ゆあんは笑って言った
ya
ur
ya
ya
ur
ya
ur
ya
ya
ur
ya
ur
ya
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通話
03:14
夜の風が少し冷たかった
フェンスの向こうには、静かな街の灯り
そして、その上に広がる夜空
俺はフェンスにもたれて、空を見ていた
ur
約束の時間を少し過ぎている
そのとき、屋上の扉が勢いよく開いた
ya
聞きなれた声
振り向くと、ゆあんが走ってきた
ゆあんが笑いながら俺の前に立つ
少し息を切らしている
ya
ur
本当に久しぶりだった
前に会ったのは、多分半年以上前
ゆあんは宇宙飛行士の訓練で忙しい
俺も研究で忙しい
だからこうして会うのはかなり久しぶりだった
ゆあんは空を見上げる
ya
ur
ya
俺も空を見る
子供の頃何度も来た屋上
ur
ゆあんもフェンスに寄りかかる
ya
ur
ya
ya
ur
ya
ur
ゆあんは笑った
ya
夜風が少し強くなる
ya
ur
ya
ロケットの打ち上げ
テレビで何回か見たことがある
でも、こうしてゆあんから聞くと現実味がない
ur
ur
ya
ur
ya
ゆあんは空の星を指す
ya
ur
夜空には沢山の星が光っている
昔と同じ光景
でも、少し違う
ya
ur
あまりにも遠い
ya
ur
ya
ya
俺はそっと笑ってしまった
夜風が頬を撫でる
静かな夜を背に、俺たちはしばらく沈黙した
打ち上げの日
朝から空はよく晴れている
テレビでは、何度もロケットの映像が流れてる
俺は、大学の天文台にいた
研究室のモニターで打ち上げ映像が映っている
周りの研究員たちも見ていた
.
.
ロケットが発射台に立っている
白い機体
空に向かって伸びている
ur
ゆあん、本当に行くんだ
カウントダウンが始まった
10
胸の奥がひりつくように痛い
9
一週間前のことを思い出す
8
ゆあんの笑った顔
7
「星見ててよ」
6
あの約束
5
ur
小さく呟く
4
ロケット周りから煙が出始める
3
地面が震える
2
炎が噴き出す
1
___発射
ロケットがゆっくり浮かび上がる
そして、一気に空に飛んでいく
炎の尾を引きながら
青い空の向こうへ
どんどん小さくなる
.
.
.
ロケットはもう点みたいになっている
空の向こうへ消えた
胸の奥がぽっかり空いたみたいだった
ゆあんが宇宙に行ってから一ヶ月が過ぎた
地上の生活は変わらない
毎日同じことの繰り返し
でも、夜になると必ず星を見るようになった
望遠鏡を覗く度に思う
このどこかにゆあんが居る
それだけで、少し不思議な気持ちになる
今日も俺は天文台にいた
夜の観測
静かなひととき
そのとき、ドアが勢いよく開いた
.
同じ研究室の先輩だった
ur
先輩の顔が少し焦っている
.
ur
.
胸が一瞬強く鳴った
嫌な予感
.
.
俺は何も言わずに立ち上がった
廊下を急いで走る
頭の中がザワザワしてる
通信室のドアを開ける
通信スタッフが何人も集まっていた
.
.
.
スピーカーからノイズが流れる
ザー..............ザー..........
その中に声が混じった
ya
途切れ途切れの声
でも、聞き間違えるはずがない
ya
.
声がはっきり聞こえた
ya
ur
声は震える
.
俺はマイクを握る
ur
ノイズの向こうで、少し笑う声
ya
ur
ya
ya
ur
ur
ya
短い言葉。でも、全部分かった
これで、最後の会話になる
さらにノイズが強くなる
ya
ya
__通信が切れた
ザー・・・・・・・・
ノイズだけが残る
スタッフたちは、必死に機会を操作している
.
.
でも、俺はマイクを持ったまま動けなかった
その夜、一つの宇宙船が消息を絶った
あの日から数年経った
宇宙船の事故
テレビで大きなニュースになった
何度もテレビに流れて、何度も記事になった
でも、時間が経つと人は忘れていく
ニュースも話題も消えた
世界は普通に動き出した
でも、俺は忘れられなかった
大学を卒業して、天文台で働くようになった
夜になると、いつも観測室にいる
「星見てて」
あの約束を守るために
モニターに観測データが流れている
同僚が言った
.
ur
俺はモニターを見る
小さな光
.
.
俺はなんとなくデータを見た
ただの観測データ
いつもと同じ
でも、画面に表示された名前を見て手が止まった
YUAN
ur
.
.
俺は、モニターを見たまま動けなかった
屋上に出た
満天の星が広がっている
涙がそっと滲む
そんな簡単に人は星にならない
そんなこと、分かってる
でも、もし本当にあの星のどこかにゆあんがいるなら
俺は空に向かって言う
ur
星は今日も静かに輝いている
遠く、手の届かない場所で
でも、確かにそこにある
もしかしたら
ゆあんは本当に星になったのかもしれない
˚✩∗*゚⋆。˚✩☪︎⋆。˚✩˚✩∗*゚⋆。˚✩⋆。˚✩☪︎⋆
最後まで見て頂き、ありがとうございます(⋆ᴗ͈ˬᴗ͈)”
今回、めっちゃこだわったところがあるんですけど、
↑この通話時間を円周率の3.14にしてるんです!!
「無限だけど届かない」、二人の思いを表してみました✨️
明日、ゆあんくん視点でめっちゃ短いですが2話を出そうと思っているので、よかったら見てください🙇♀️
コメント
2件
ええ切すぎるだいすき ... 🥲💘 ちゃんと全部の言葉とか行動が繋がってて、細部まで凝っていてほんとにもう尊敬すぎますすきです !!!!!! 2話楽しみにしてます !