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ぬし!!!
ぬし!!!
ぬし!!!
ぬし!!!
ぬし!!!
ぬし!!!
⚠️Please read⚠️ dzl社様二次創作 qnmn主人公 異世界・異能力要素あり ご本人様には関係ございません。
ぬし!!!
カチャカチャ、カチンッッッ
工具と部品がぶつかり合い、乾いた音が薄暗く広い部屋に響く。
地下にも似たこの広い空間には、ただ1人の人間しかいない。
その男性は何かに集中しているようで、先程から机に向き合っている。
この暗い空間にいる彼の背中からは、淋しささえ感じ取ることができる。
そんな彼の周りには、大量の大きな装置。
それは膨大な量の小さな小さなパーツから成り立っている、とても精密な、なにかの機械たちだ。
どれもとてつもない手間がかけられた傑作と言えるだろう。
なのに不思議なことに、使われた痕跡は何一つ残されていない。
どの装置も擦り減っておらず、完成当時の姿まま、埃を被っている。
___いや、完成していない。
そう、どれ一つとして、完成すらしていないんだ。
この部屋の主人は、何のためにこんなにもたくさんの装置を作り出したのだろう。
血が滲むような努力をしてきたその原動力は、何なのだろう。
いつまで彼は努力を続けるのだろう。
それは彼にしかわからない。
今日も彼は机と向き合う。
毎日毎日同じ場所で、同じように努力し続ける。
そんな彼の手元には、いつも同じ本が置いてあった。
題名は__「北の国の賢者」
誰かの伝記のようだ。
その本の書き出しは、こうだ。
この世界を救った賢者%>$€。 彼は今から10年前、当時人々を惨殺していた魔王との闘いで命を落とした。 その時彼はその場にいた他の誰も死なせず、自分一人を犠牲に魔王を撃ち倒したという。 彼はあの日、この世界の英雄になったのだ。
賢者の名前は紙が擦り減って読めない。
彼はなぜこの本を手元に置くのか?
彼にとってこの本とは?
彼をここまで突き動かすその原動力。
それはきっと、この本の謎の答えなのだろう__。
____彼が作業を始めてから何時間経ったのか。
この部屋唯一の窓から差し込んでいた光が作る影が、長く伸びる頃。
不意に彼は顔を上げた。
その顔は期待や希望を含んだ表情。
彼は立ち上がり、先程まで作業していたその装置をじっと見つめる。
上から下まで。部品の一つ一つに至るまで、じっくりと。
全体を見終わり、再び彼の顔があげられる。
大切な装置に向けて、彼の手がゆっくりと、ゆっくりと伸ばされていく。
そして、その震える指の先端が装置に触れた瞬間、
装置が一瞬光を発した。
それと同時に、彼は少し苦笑いをして
「"また"、この日かよ、w」
と、呟いた。
その言葉がこの部屋に響く。
そのときには既に、彼はここには居なかった__。
彼が行った世界。
それは、魔王が討ち倒される10年前
この世界の英雄____賢者おんりーが命を落とす日の、ちょうど10年前
この世界の英雄が、どこにでもいるただの1人の少年だった頃の世界__。
さあ、もうこの部屋から消えた彼の思惑は?
彼が、彼らが望む未来とは?
果たして、彼らの歩むミチは、どこへ続いているのでしょう_?