コメント
5件
うわぁ最高すぎる...切なさを感じかながらも尊さも感じる...次回が最後か〜楽しみやな!
最初ピアノから始まった出会いが、 ピアノで終わるって素敵ですね…! 最終章…すごい…ちゃんと関連づけてる… さすがですね、やっぱり!尊敬の言葉しか でない…✨最終回、楽しみにしてます!
こんぱる
!注意!
BL/nmmn/irxs様 です 青桃 ピアニストが前提のお話です R表現なし 2人とも大学生くらいの年齢設定 ご本人様には一切関係ありません です!苦手な方は閲覧をお控え下さい!
こんぱる
2週間後
桃
青
あのときの会場
スタッフ
青
桃
ピアノ公演のプログラムの中にいふさんの名前があった
何人かの合同公演だ
スタッフ
一連の流れを教えてもらう
いわゆるゲネプロだ
久しぶりに公共の場で大勢の人に聞いて頂く機会
ただ、初めて、コンクールなど自分で応募するのではなく、俺たちのためにお金を出して聴きに来てくれる「公演」。
今までに無いプレッシャーや緊張が押し寄せる
青
青
桃
スタッフ
スタッフ
青
桃
迎えた本番
2人で合わせる時間は少なかったけど、自分でできることは全てした
久しぶりに、楽譜は真黒になって、もうどこにもメモを書き足せる余裕はなかった
次が俺らの番
桃
青
桃
青
桃
急に首筋に当てられた指は冷たかった
青
桃
青
青
桃
青
桃
拍手の音が聞こえる
青
桃
青
ぎゅっと右手を握られた
青
桃
俺たちは大きなステージへと出ていった
長椅子に座る
青
いふさんの小声を聞いて、静かに弾き始める
桃
上手く弾けない
緊張で全部飛んでる
青
いふさんが合わせてくれているけれど、これでは全くきちんとした演奏とは言えない
桃
涙が溢れる
青
客席から拍手が聞こえる
応援の声も聞こえる
桃
片手でしか弾けず、納得のいかない演奏
久しぶりに味わった拙い音
こんな場所でそれを披露してしまっていること
全てが悔しかった
大分上手くなったと思っていた
いふさんと方を並べられるくらいには成長したと思っていた
まだ未熟だったんだ
桃
震える手で、ズレたテンポで
最終章まで弾いた
拍手が押し寄せる
立ち上がってるお客さんもいた
青
桃
桃
青
客席に一礼し、袖に戻ろうと思っていた、そのとき
スタッフ
青
桃
青
桃
青
ぎゅっ
右手を握られる
青
青
桃
スタッフ
椅子を用意される
桃
桃
舞台袖を見ると他のピアニストさん達も全員集まっていた
何が起きているの?
青
青
青
ゆっくりとした低い音
桃
月光
正式名称はピアノソナタ第14番
ベートーヴェンが伯爵令嬢ジュリエッタへ向けた恋の曲
叶わない恋を表した、切ない曲だ
止まりかけていた涙が、また流れ出る
桃
いふさんの背中はいつもよりも心なしか小さく見える
綺麗で、切なくて、静かな時間だった
引き終えると、優しい拍手に包まれる
マイクを持ってこちらを向くいふさん
青
桃
青
桃
青
ピアノの椅子から立って俺に近づいてくる
桃
桃
少しずつマイクを持った手を下げるいふさん
青
青
桃
俺は気がつくと、ピアノの前に立っていた
右手を鍵盤に添える
青
桃
桃
桃
青
青
ペダルも使わない
一音ずつしか出ない音
♩♫♫♫♩♩♩〜
青
桃
きっと今までで1番心をこめた30秒
青
ステージで抱きしめられる
いふさんの腕や手は震えていた
弾いたのは
桃
結婚する2人の愛の曲
青
桃
桃
桃
青
両腕をいふさんの背中に回す
客席からは黄色い歓声や拍手など、沢山の音が聞こえる
青
桃
青
こうして、無事コンサートという名の俺へのサプライズは幕を閉じた
青
桃
青
青
青
桃
桃
青
桃
青
青
桃
青
青
桃
青
桃
桃
青
桃
青
青
桃
青
青
桃
青
青
青
桃
桃
ぎゅっ
寒い冬の日
雪がちらつく夜に
俺たちは2人手を繋いで、ホテルへ向かった
こんぱる