3話-息子-
バタン…
夜 9時
店の扉に鍵を閉めて
自分の車に乗る
維芳
…つかれた……
明日は、日曜日
週に1回
自分の子供と一日中過ごす日
この仕事のせいで毎日会えない
だから週に一回
一日中子供に付き合う
ここから家まで
県をまたがないといけない
家に着く頃には深夜
子供の為だし別に気にしてない
維芳
…ただいま…
家の扉を開けると
家の家政婦
美代さんが迎えてくれた
美代《家政婦》
おかえりなさい維芳さん
維芳
…まだ起きてんのか、
美代《家政婦》
夕食を準備してたんですよ
維芳
…別に寝ててよかったのに
美代《家政婦》
…どうせ、大したもの食べてないでしょ?
頬にある傷を撫でられる
維芳
…ん、……まぁ…
美代《家政婦》
ちゃんとしたもの食べないとそのうち倒れますよ
維芳
……ありがと…
美代《家政婦》
どういたしまして
優馬が小学校に行かなくなってから
家で一人にする訳には行かず
家政婦を雇った。
特に支障はないらしいし
大丈夫そう、
維芳
…優馬は、?
美代《家政婦》
お部屋でぐっすり寝てますよ
維芳
ならよかった
美代《家政婦》
維芳さんのお布団も出すので
美代《家政婦》
先に夕食とお風呂を
維芳
……ん、
飯を食って風呂も入った
いつも忙しいし
ゆっくり出来るのはこの日だけ
維芳
…いつもありがとな
美代《家政婦》
いえ、仕事ですから
美代《家政婦》
それに、優馬くんも懐いてくれて
美代《家政婦》
本当に家族ができたみたいで嬉しいです
維芳
…そりゃよかった
美代《家政婦》
それじゃあ、明日はおやすみさせていただきます
維芳
ん、
維芳
はいこれ
美代《家政婦》
ありがとうございま…
美代《家政婦》
ぇっ、…こんなに
維芳
いつもの礼
美代《家政婦》
ぁ、ありがとうございます…
維芳
それじゃ、おやすみ
美代《家政婦》
おやすみなさい…
部屋に行くと
優馬が毛布を握りしめて寝ていた
維芳
……、
敷いてある布団を無視して
優馬のすぐ隣に寝転ぶ
維芳
…ただいま、
優馬
ん、…
優馬の頬を撫でて
維芳
ゆぅまだ…
抱き締める
優馬
ぅ、…
優馬
……ん、…ぁ…
うっすら優馬の目が開く
優馬
…ぱぱ、だ……ぉかえり…♡
維芳
…ん、…ただいま
維芳
起こしてごめん、
優馬
んー、ん…ぉやすみ…
維芳
おやすみ、
また目を閉じて寝る
維芳
……かわぃ…
優馬を抱きしめたまま
目を閉じる。