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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ザクロ・シュラウド

こんにちは。

ザクロ・シュラウド

僕はザクロ・シュラウド。

ザクロ・シュラウド

シュラウド家の長女。

ザクロ・シュラウド

プロフィールは、「イデアとオルトの姉」っていう

ザクロ・シュラウド

作品に載ってる。

ザクロ・シュラウド

本編は下

ゴボ・・・

多分僕は走馬灯を見てる

使用人A

ザクロ様おめでとうございます。

使用人B

×歳の誕生日。なんとおめでたい

使用人C

素晴らしい日だ

使用人D

ああザクロ様!

使用人D

こんなに素晴らしい日に

使用人D

ふさわしいケーキをご用意しております。

いつだったかの誕生日

このケーキには毒が入っていて

僕はしばらく体調を崩した

使用人A

ザクロ様!?

使用人B

早く医者を!

「シュラウド家の跡取り」に消えて欲しい人間はたくさんいた

誰が敵で誰が味方なのかさえ分からなかった

優しくしてくれた従者、小間使い、親戚、衛兵

味方だと思っていた人が

何人も何人も手のひらを返していった

怖かった

単純に自分の命を脅かされた事実と

人の悪意がたまらなく怖かった

ザクロ・シュラウド

さっきまで優しかったのに

ザクロ・シュラウド

信じていたのに

ザクロ・シュラウド

もしかして、自分は何か嫌われるような事をしてしまったんだろうか・・・

ザクロ・シュラウド

どうして僕はこんな目に合うんだろう

ザクロ・シュラウド

それが分からなくて

ザクロ・シュラウド

怖くて

ザクロ・シュラウド

悲しかった

「シュラウド家の長女の宿命だ」

初めてイデアを腕に抱いた時

「この小さな生き物を守らないと・・・大事にしないといけない」と

そういう気持ちになった

僕は長女だから

僕が頑張れば、下の兄弟達を守ることが出来る

僕が辛い目にあうのが跡取りとしての宿命なら

僕が泣き言を言えば、この子達が同じ目にあう。

それは駄目

だから僕は「シュラウド家の跡取り」として頑張らなくてはいけないと

僕が兄弟を守らなくてはいけないと、・・・そう思った。

どうして・・・

ゴボ・・・

どうして僕は、がんばれたんだろう。

イデア・シュラウド

おねーちゃん。おたんじょうびおめでとー。

オルト・シュラウド

おめでとー。

僕が誕生日のケーキで体調を崩した数日後

家族が五人だけの誕生会を開いてくれた

「誕生日は不味いケーキを食べる日じゃない」と言って

僕の為にケーキを作ってくれた

あの日食べたケーキが世界で一番美味しかった

家族と居ると

安心した

遊び相手になってくれた人は他にも居たけど

僕を叱ったり

怒ったり

本気で心配してくれたのは家族だけだった

刺客A

ただの出来心だったんです。

刺客B

お前に恨みはないが、金が手に入るんでね。

刺客C

お前さえ生まれて、来なければ。

刺客D

もう十分生きたでしょう。

おねーちゃん

オルト・シュラウド

かえろー

家族といると安心した

生きてていいんだって思えた

でも

いつからか「死にたい」と思うようになった

理由は分からない

イデア・シュラウド

姉上に死なれたら嫌でござるよ

オルト・シュラウド

そうだよ。姉さん

オルト・シュラウド

絶対に死なないでね

ザクロ・シュラウド

う、うん

どれだけ家族が僕を愛してくれても

僕はなぜか死にたい

こんなのただのわがままだ

頭では分かっているクセに

死にたいのは変わらない

すべて終わらせてしまいたくなる

ザクロ・シュラウド

音楽は好き

ザクロ・シュラウド

(現実を見たくない)

ザクロ・シュラウド

みんなが僕の音楽を聴いてくれるのが嬉しい

ザクロ・シュラウド

(悪意でニヤけている顔が怖い)

ザクロ・シュラウド

音楽は嫌な事を一時的に忘れられるから

ザクロ・シュラウド

(ずっと忘れていたい)

ザクロ・シュラウド

いつも曲を作ったり歌ったりしていた

ザクロ・シュラウド

(もう何も考えたくない)

「シュラウド家の長女」としてどれだけ辛い目にあっても誰に裏切られても

平気。だって僕には家族がいる

いつだって「僕自身」の味方で居てくれて、絶対に僕を裏切ったりしない。

のに、何で?

ずっと死にたいんだ

「シュラウド家の長女としての宿命だ」

たびたび夢に出る言葉

どうして夢に出るのかは分からない

ザクロ・シュラウド

誕生日?

シュラウド家の父

今年は国で宴を開かないかと思ってな。どうだ?

ザクロ・シュラウド

いいじゃん

ザクロ・シュラウド

でも・・・うーん。誕生日用の動画も撮りたいし、ちょっと考えさせて。

ポツ

ザクロ・シュラウド

・・・別に、僕の誕生日なんて。・・・・・・・・・・・・・

ポツ・・・ポツ・・・ポツ・・・

ザアアアア

イデア・シュラウド

不在着信

不在着信

忘れたかった

辛い事も

悲しい事も

考えないようにし続ければいつか本当に考えないようになるんだと

無理にでも気を紛らわせば

それがいつか本当になるんだと

けど・・・もういいよね

君たちはもう十分大きくなったから

ポタ・・・ポタ・・・

ザクロ・シュラウド

僕が居なくても

ザクロ・シュラウド

ちゃんとやっていけるよね・・・

ザクロ・シュラウド

ごめんなさい

ザクロ・シュラウド

最後まで守ってあげられなくて

ザクロ・シュラウド

ごめんなさい・・・

イデア・シュラウド

姉上!

なんでも願いが叶うなら

オルト・シュラウド

姉さんどこに居るの!?

イデア・シュラウド

返事して!

皆の思い出から僕の記憶を消して欲しい

 僕の大切な人達が、どうか僕の事なんて全部忘れて、いつも笑顔でいてくれますように。

でも、そんなこと出来る筈無いって分かってるから

だからせめて記憶の中に残る僕が悲しい顔をしていないように願う

僕は、上手く笑えていただろうか

ザクロ・シュラウド

暗い

ゴボ

ザクロ・シュラウド

ここなら安全

ゴボ

ザクロ・シュラウド

誰も居ない

誰にも見つけてもらえないなら       そこに居ないのと同じ

ゴボ

どこにも居ないのなら

ゴボ

誰かに傷つけられる事も       誰かを傷つける事もない

ゴボ

どこにも居ないのならもう悲しまなくていい

ザクロ・シュラウド

深く もっと深く

暗くて真っ暗な海の底まで・・・

海の上

ザアアアアア

イデア・シュラウド

え!?今・・・海の中って言った!?

オルト・シュラウド

そう!母さんの魔法陣の下にいる!

使用人A

海流を固定するのも限界です!。

使用人A

早く引き上げてください!。

シュラウド家の父

母さん。まだ!?

ゴボゴボゴボ

シュラウド家の母

もうちょっと待って

シュラウド家の母

こいつは・・・大物よ

ゴボ ブクブク

ピク

シュラウド家の母

浮上するわよ!

ゴボ ゴボッ

ザアアア・・・

オルト・シュラウド

まるで化け物だ

ザアアアアア

ザクロ・シュラウド

何でも願いが叶うとしたら?

ザクロ・シュラウド

うーん・・・なんでもかぁ。

ザクロ・シュラウド

難しいことを言うね・・・

オルト・シュラウド

何が難しいの?何でもいいのに

ザクロ・シュラウド

えー?それって逆に難しくない?

ザクロ・シュラウド

そうだなぁ・・・

ザクロ・シュラウド

僕の家族とファンが笑顔で居てくれるのが

ザクロ・シュラウド

僕は一番うれしい

ザアアアアア

シュラウド家の母

地上の雨は目くらまし

シュラウド家の母

ザクロは海の底でずっと泣いていたとは

シュラウド家の母

だけど・・・

シュラウド家の母

本当にいいのかしら?

シュラウド家の母

このまま助けちゃって

イデア・シュラウド

母さん・・・?

イデア・シュラウド

どういう意味でござるか?

イデア・シュラウド

オーバーブロットを放っておけば生死に関わる・・・

イデア・シュラウド

見殺しにしろとでも!?

シュラウド家の母

本人の意思を汲むべきなのか

シュラウド家の母

・・・と、考えてしまったのよ

シュラウド家の母

よく考えてみて

シュラウド家の母

あの子は一人海の底へ行った上に

シュラウド家の母

追ってきた私たちの目をくらますように

シュラウド家の母

 苦手な水魔法で雨を降らしてまで自身がどこに隠れているか特定されないようにした。

シュラウド家の母

あの子は助けなんて求めていない

シュラウド家の母

むしろ嫌がってる

シュラウド家の母

あの子を本当に助けたいのなら・・・

シュラウド家の母

根本的な問題を解決しないと意味が無いって事

オルト・シュラウド

・・・!

シュラウド家の母

誰かの心に踏み入るには資格がいる

シュラウド家の母

その場所は、ファントムの住むタルタロスより深く、ずっと恐ろしい。

オルト・シュラウド

母さん来て!

オルト・シュラウド

居場所が分かった!!

オルト・シュラウド

捕まえた!!

シュラウド家の母

・・・涙を流す人だけが悲しんでいる訳じゃ無いし

シュラウド家の母

いつも人気者な人が苦しみを感じていないわけじゃない

シュラウド家の母

親子としていい関係を築いていたつもりだったけど・・・

シュラウド家の母

私もまだ未熟ね

シュラウド家の母

いつまで経っても

シュラウド家の母

こういうことには慣れない

トッ

シュラウド家の母

悲しい

シュラウド家の母

頼って貰えなかったって言うのは

ザクロ・シュラウド

なんかよく分かんないけど

ザクロ・シュラウド

なんとなく、死にたい

僕は その言葉が嫌いだった

死んだ魚のような目も

イデア・シュラウド

(もっと生きてる人間の目をしててよ)

元気の無い声も

イデア・シュラウド

(もっと元気な声がいい)

その「生きてるのが辛い」という意味の

「死にたい」という言葉も

イデア・シュラウド

(何がそんなに辛いの?)

辛そうにしか見えないその何もかもが

心配で落ち着かない

姉が死にたくなくなる日をずっと待ってる

ねえ姉上

姉上はあの言葉を

「なんとなくで言っているだけのどうでもいい言葉」

とでも思っているんでしょ

そもそもが違う

「死にたい」なんて言葉は周りを心配させる

姉上のその言葉は

「どうでもいい言葉」じゃない

結構重要で

印象に残る言葉

ザクロ・シュラウド

大丈夫。死なない死なない。

時々こう思う

そういう言葉を吐かないと

生きていけないんでござるか?

拙者は姉上の奇死念慮を止められない

けど、生きていて欲しい

一体何が辛いんでござるか?

拙者は

拙者はずっと心配してるのに

姉上は全然死にたいまま

死んだ魚のような目で 元気の無い声で 「死にたい」とか言って

なんなんでござるか?

ザクロ・シュラウド

イデア!オルト!

ザクロ・シュラウド

迎えに来てくれたの?

ザクロ・シュラウド

最近雨すごいよねー

ザクロ・シュラウド

梅雨でもないのにー

何?・・・今一瞬・・・見間違い?

姉上の後ろに・・・

ファントムっぽいのが・・・

耳飾りの魔法石は・・・

濁ってすらいない・・・

気づいていた

けれど

気づかないフリをした

ザアアアアアア

どうすればいいか 分からなかったから

・・・姉上にも、話す気がなさそうだったから

だから、あえて踏み込まなかった

そんなことをしなくても姉が弱音を吐くのなら

誰かを頼る必要があるのなら

それは家族の誰かだと

姉上の事だから

その時が来たら

またあの暗い顔で家族の誰かを頼ってくれるだろうと

そう思っていた

ザクロ・シュラウド

死体という名の怖い物を置いて逃げ出すなんてこと、しないよー?

ザクロ・シュラウド

もう二十歳だし

自分でそう言ったクセにやっぱり姉上はよく分からない

姉上に任せた結果が

これなんでござるし

どうして

どうして拙者やオルト、母さんや父さんに何も言わなかったんでござるか

どうして何も相談して来なかったんでござるか

どうして・・・

ザクロ・シュラウド

イデア

ザクロ・シュラウド

オルト

ザクロ・シュラウド

君たちだけは

ザクロ・シュラウド

君たちだけは、絶対に

ザクロ・シュラウド

僕を裏切ったりしないよね?

ザクロ・シュラウド

だって僕たち

ザクロ・シュラウド

兄弟だもん

ザアアアアア

泣いていた

イデア・シュラウド

・・・そうでござるよね

そうだ 姉上はあの時

イデア・シュラウド

自然治癒なんて

イデア・シュラウド

起きる訳ないでござるね

泣いていたんだった

グッ

イデア・シュラウド

・・・ふざけんじゃないでござる 

姉上がそのつもりなら

拙者だって好きにしてやりますぞ

拙者は御伽噺の王子様じゃない

拙者は姉上の奇死念慮を止められるような魔法使いじゃない

僕は

それでも、諦めたくない

いつもいつも辛い時は自分一人で抱え込んじゃって

そういうところがムカつくんでござるよ

姉上が何を思って失踪したかなんて知った事か

知りたくもない

勝手に死ねると思わないんでござるね

僕達から逃げられると思わない事

姉上の思い通りになんてさせてたまるか

どこに居ようが引きずり出してやりますぞ

そうじゃなきゃ僕は

僕は・・・

イデア・シュラウド

本当に大丈夫でござるか?

ザクロ・シュラウド

これくらい何ともない

ザクロ・シュラウド

寒気もしないし

イデア・シュラウド

・・・・・・

イデア・シュラウド

そうじゃなくて

ザアアアアアア

ザクロ・シュラウド

イデアは昔から心配性だなぁ

ザクロ・シュラウド

僕なら平気だよ!

グッ

イデア・シュラウド

・・・クソッ

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