ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ゴボ・・・
多分僕は走馬灯を見てる
使用人A
使用人B
使用人C
使用人D
使用人D
使用人D
いつだったかの誕生日
このケーキには毒が入っていて
僕はしばらく体調を崩した
使用人A
使用人B
「シュラウド家の跡取り」に消えて欲しい人間はたくさんいた
誰が敵で誰が味方なのかさえ分からなかった
優しくしてくれた従者、小間使い、親戚、衛兵
味方だと思っていた人が
何人も何人も手のひらを返していった
怖かった
単純に自分の命を脅かされた事実と
人の悪意がたまらなく怖かった
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
「シュラウド家の長女の宿命だ」
初めてイデアを腕に抱いた時
「この小さな生き物を守らないと・・・大事にしないといけない」と
そういう気持ちになった
僕は長女だから
僕が頑張れば、下の兄弟達を守ることが出来る
僕が辛い目にあうのが跡取りとしての宿命なら
僕が泣き言を言えば、この子達が同じ目にあう。
それは駄目
だから僕は「シュラウド家の跡取り」として頑張らなくてはいけないと
僕が兄弟を守らなくてはいけないと、・・・そう思った。
どうして・・・
ゴボ・・・
どうして僕は、がんばれたんだろう。
イデア・シュラウド
オルト・シュラウド
僕が誕生日のケーキで体調を崩した数日後
家族が五人だけの誕生会を開いてくれた
「誕生日は不味いケーキを食べる日じゃない」と言って
僕の為にケーキを作ってくれた
あの日食べたケーキが世界で一番美味しかった
家族と居ると
安心した
遊び相手になってくれた人は他にも居たけど
僕を叱ったり
怒ったり
本気で心配してくれたのは家族だけだった
刺客A
刺客B
刺客C
刺客D
おねーちゃん
オルト・シュラウド
家族といると安心した
生きてていいんだって思えた
でも
いつからか「死にたい」と思うようになった
理由は分からない
イデア・シュラウド
オルト・シュラウド
オルト・シュラウド
ザクロ・シュラウド
どれだけ家族が僕を愛してくれても
僕はなぜか死にたい
こんなのただのわがままだ
頭では分かっているクセに
死にたいのは変わらない
すべて終わらせてしまいたくなる
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
「シュラウド家の長女」としてどれだけ辛い目にあっても誰に裏切られても
平気。だって僕には家族がいる
いつだって「僕自身」の味方で居てくれて、絶対に僕を裏切ったりしない。
のに、何で?
ずっと死にたいんだ
「シュラウド家の長女としての宿命だ」
たびたび夢に出る言葉
どうして夢に出るのかは分からない
ザクロ・シュラウド
シュラウド家の父
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ポツ
ザクロ・シュラウド
ポツ・・・ポツ・・・ポツ・・・
ザアアアア
イデア・シュラウド
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不在着信
忘れたかった
辛い事も
悲しい事も
考えないようにし続ければいつか本当に考えないようになるんだと
無理にでも気を紛らわせば
それがいつか本当になるんだと
けど・・・もういいよね
君たちはもう十分大きくなったから
ポタ・・・ポタ・・・
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
イデア・シュラウド
なんでも願いが叶うなら
オルト・シュラウド
イデア・シュラウド
皆の思い出から僕の記憶を消して欲しい
僕の大切な人達が、どうか僕の事なんて全部忘れて、いつも笑顔でいてくれますように。
でも、そんなこと出来る筈無いって分かってるから
だからせめて記憶の中に残る僕が悲しい顔をしていないように願う
僕は、上手く笑えていただろうか
ザクロ・シュラウド
ゴボ
ザクロ・シュラウド
ゴボ
ザクロ・シュラウド
誰にも見つけてもらえないなら そこに居ないのと同じ
ゴボ
どこにも居ないのなら
ゴボ
誰かに傷つけられる事も 誰かを傷つける事もない
ゴボ
どこにも居ないのならもう悲しまなくていい
ザクロ・シュラウド
暗くて真っ暗な海の底まで・・・
海の上
ザアアアアア
イデア・シュラウド
オルト・シュラウド
使用人A
使用人A
シュラウド家の父
ゴボゴボゴボ
シュラウド家の母
シュラウド家の母
ゴボ ブクブク
ピク
シュラウド家の母
ゴボ ゴボッ
ザアアア・・・
オルト・シュラウド
ザアアアアア
昔
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
オルト・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザアアアアア
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
イデア・シュラウド
イデア・シュラウド
イデア・シュラウド
イデア・シュラウド
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
オルト・シュラウド
シュラウド家の母
シュラウド家の母
オルト・シュラウド
オルト・シュラウド
オルト・シュラウド
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
シュラウド家の母
トッ
シュラウド家の母
シュラウド家の母
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
僕は その言葉が嫌いだった
死んだ魚のような目も
イデア・シュラウド
元気の無い声も
イデア・シュラウド
その「生きてるのが辛い」という意味の
「死にたい」という言葉も
イデア・シュラウド
辛そうにしか見えないその何もかもが
心配で落ち着かない
姉が死にたくなくなる日をずっと待ってる
ねえ姉上
姉上はあの言葉を
「なんとなくで言っているだけのどうでもいい言葉」
とでも思っているんでしょ
そもそもが違う
「死にたい」なんて言葉は周りを心配させる
姉上のその言葉は
「どうでもいい言葉」じゃない
結構重要で
印象に残る言葉
ザクロ・シュラウド
時々こう思う
そういう言葉を吐かないと
生きていけないんでござるか?
拙者は姉上の奇死念慮を止められない
けど、生きていて欲しい
一体何が辛いんでござるか?
拙者は
拙者はずっと心配してるのに
姉上は全然死にたいまま
死んだ魚のような目で 元気の無い声で 「死にたい」とか言って
なんなんでござるか?
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
何?・・・今一瞬・・・見間違い?
姉上の後ろに・・・
ファントムっぽいのが・・・
耳飾りの魔法石は・・・
濁ってすらいない・・・
気づいていた
けれど
気づかないフリをした
ザアアアアアア
どうすればいいか 分からなかったから
・・・姉上にも、話す気がなさそうだったから
だから、あえて踏み込まなかった
そんなことをしなくても姉が弱音を吐くのなら
誰かを頼る必要があるのなら
それは家族の誰かだと
姉上の事だから
その時が来たら
またあの暗い顔で家族の誰かを頼ってくれるだろうと
そう思っていた
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
自分でそう言ったクセにやっぱり姉上はよく分からない
姉上に任せた結果が
これなんでござるし
どうして
どうして拙者やオルト、母さんや父さんに何も言わなかったんでござるか
どうして何も相談して来なかったんでござるか
どうして・・・
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザアアアアア
泣いていた
イデア・シュラウド
そうだ 姉上はあの時
イデア・シュラウド
イデア・シュラウド
泣いていたんだった
グッ
イデア・シュラウド
姉上がそのつもりなら
拙者だって好きにしてやりますぞ
拙者は御伽噺の王子様じゃない
拙者は姉上の奇死念慮を止められるような魔法使いじゃない
僕は
それでも、諦めたくない
いつもいつも辛い時は自分一人で抱え込んじゃって
そういうところがムカつくんでござるよ
姉上が何を思って失踪したかなんて知った事か
知りたくもない
勝手に死ねると思わないんでござるね
僕達から逃げられると思わない事
姉上の思い通りになんてさせてたまるか
どこに居ようが引きずり出してやりますぞ
そうじゃなきゃ僕は
僕は・・・
イデア・シュラウド
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
イデア・シュラウド
イデア・シュラウド
ザアアアアアア
ザクロ・シュラウド
ザクロ・シュラウド
グッ
イデア・シュラウド