人は誰だって、愛することができる
人は誰だって、愛されることができる
それじゃあ、もし
その愛を、知らない人がいたら?
車内から夜の街を覗く。
並んで立つ高層ビルには、いやでも目に入る大きなネオンの掲示板。
“_______現在若者の人気絶頂!芸能界きっての新星!シンガーソングライターのチョン・ホソク! その活躍は今や世界へ渡り、モデルや俳優など幅広いジャンルでファンを釘つげにしている! そして何よりもその美貌! 誰もが目を惹かれるそのルックスが、彼の一番の武器と言って良いでしょう_______”
そんな番組のMCの声。 自然と溜め息がもれた。
マネージャー
運転席のマネージャーが、バックミラーで僕を見た。 表情を変えなかった僕に、彼は苦笑した。
マネージャー
ホソク
マネージャー
夜の街に大きく光った、綺麗に着飾った自分と目が合った。
ホソク
マネージャー
ホソク
イヤホンをつけて、音楽を流す。 この時だけは、自分と世界が切り離されているみたいで、好き。
マネージャー
車はそびえ立った建物の前で止まる。
ホソク
ホソク
マネージャー
ホソク
僕はイヤホンをしたまま、車から降りた。
ホソク
そんな僕を、彼は引き留めた。
ホソク
マネージャー
僕は笑って、僕を待つ人のところへ向かった。
僕はチョン・ホソク。
歌手、モデル、俳優として世界的に輝く人々の一人。
でも、僕がどういう人間か、誰も知らない。
そのことが妙に面白くて、笑えた。
ナムジュンside
音楽番組の収録のために、俺たちはスタジオの控え室にいた。
ジン
グク
ジン
グク
ジン
ジミン
ジン
いつもと変わらない騒がしさだった。 スタッフもメイクヌナたちもこのうるささに慣れたのか、もう呆れてた。
テテ
ユンギ
テテ
ジミン
テテ
その名前を聞いて、メンバーそれぞれが反応した。
ナムジュン
テテ
ナムジュン
チョン・ホソク………
韓国はもちろん、今じゃ世界的にヒットしてる歌手。 世界中に彼を知らない人間なんていないんじゃないかって言われてるほど、有名な人だった。
グク
テテ
グク
彼の実力は、先輩グループのアイドル達からも一目置かれているらしい。
ジミン
ジミナは顔を暗くしてそう言った。
テテ
ジミン
ジミナが苦手なのは、多分、彼が自分のルックスを一番の武器にしてるからってことだと思う。 それについては誰も否定しない。
ジミン
テテ
ナムジュン
ジミン
しゅんとするジミナ。 こいつがそう思うのも無理ないと思う。
彼の見た目からして、なんていうか…… 遊んでそうに見えるんだろう。
ジン
ナムジュン
ユンギ
テテ
ナムジュン
ジミン
ナムジュン
ホソク
そんな声が、ドアの方から聞こえてきた。
ホソク
そう言って笑った彼に、俺たちはバラバラな反応を見せた。
テテ
ホソク
テテ
ホソク
彼と話すテヒョアに、犬の耳と尻尾が見えた。
ナムジュン
ホソク
テテ
グク
テテ
テヒョアに無理やり引っ張り出されたジョングガ。 嫌そうな顔してるなぁ…まぁあいつ極度の人見知りだし。
グク
テテ
グク
そんな無愛想なジョングガに、彼は綺麗に笑った。
ホソク
グク
ホソク
グク
あ。あのマンネが初対面の人を正面から見た。
ホソク
彼は礼儀正しくお辞儀して、出て行った。
テテ
ジミン
ユンギ
テテ
ナムジュン
テテ
グク
ナムジュン
正直俺には、彼の情報が少なかった。
ジン
ユンギ
グク
テテ
ジン
訴えも虚しく、ヒョンはマンネ2人に控え室から追い出された。
テテ
ジミン
テテ
ジミナはチラッとヒョンラインに目配せした。 今度は、俺も止めなかった。
ジミン
ジミナの言う通り、彼にはそういう噂が絶えずあった。 その原因は、彼のルックス、立ち振る舞い、話し方……要するに雰囲気だった
どこからそんな噂が立ったのかは知らないけど、そのせいで彼を嫌うナムジャアイドルたちが増えていた。
グク
ぼそっと呟いたジョングガ。俺はこの空気に、思わず声を出した。
ナムジュン
そう言って控室から出た。
自販機にいるだろうヒョンのところに向かう途中、廊下の先に人影が見えた。 そのうちの一人は、さっきの彼だった。
ナムジュン
咄嗟に曲がり角に隠れた自分に呆れた。 ただ通り過ぎればよかったのに、なんでか気になってしまった。
だって彼は、後輩グループの女の子といたから。
ホソク
盗み聞きする罪悪感より、好奇心の方が勝っていた。 噂が本当なのか、確かめてみたかった。
俺は物陰から少しだけ、顔を覗かせた。
ナムジュン
その女の子はホソクさんの首に、両腕を回していた。 二人の影が重なった。
……あー…変なとこ見ちゃったな……
ジン
ナムジュン
グク
ナムジュン
心臓飛び出るかと思った…
ジン
ナムジュン
バカ、あからさまに動揺してどうすんだよ…
ジン
多分、ヒョンは俺の後ろの光景を見た。 あちゃー…と思ってヒョンを見ると、ヒョンはなんでか険しい顔をしていた。
ナムジュン
ジン
ヒョンはいつものように笑った。
ナムジュン
ジン
ナムジュン
ジン
曖昧なヒョンを横目に、俺はもう一度、彼を見た。
作者です! ちょっと今書いてる『falling 』に行き詰まってしまったので 箸休めにこれを書きます‼️ いつも応援ありがとうございます😊
コメント
8件
さ、最高です…_:(´ཀ`」 ∠): ホソクさんの秘密気になりすぎる🤐 噂はいくらでも流せちゃうからね…😢 次回も楽しみにしております♪ ご自分のペースで頑張ってください!٩( 'ω' )و
くぅ…最高です😭💗 ホソクさん、本当に遊んでいるのだろうか…??? ジミンちゃんの気持ちも分からんでもない…有名人ってなるとそういう噂は絶たないしね💧 次回も楽しみにしてます!自分のペースで無理せず頑張って下さい💪