ホソクside
収録でスタジオに来ていた僕は、マネージャーに急かされて他の共演者の控え室を回っていた。 最後にBTSの控え室に立ち寄って、ノックをした。
ホソク
返事がない。 代わりに楽しそうな、騒がしい声が聞こえて来る。
うーん、と悩んだ末、僕は勝手にドアを開けた。
テテ
ホソク
テテ
一番に飛びついてきた子は確か、あの世界一ハンサムに選ばれた男の子だっけ この子は僕のこと、気に入ってくれてるみたい。
それからジョングクって子とも話をしたけど、他の人は僕をいろんな目で見ていた。
一人は不審そうに、一人は怪訝そうに。 僕に向けられる視線なんてそんなものだ。もう慣れた。 というか、最初からそういうのに興味はない。
ホソク
挨拶が済めば、もう用はなかった。
彼らのことは随分と聞かされていた。
周りが言うように、確かに彼らは全員が良い人。 努力を怠らない。人に感謝を忘れない。
そんな人たちの集まりだってことは、見ればすぐに分かった。 だって、僕を見た途端目の色を変えたから。
ホソク
廊下を歩いていると、自然と女性に声をかけられる。
女
僕はこの人と、一度食事に行ったらしい。
ああ、そっか。 彼女は、僕が彼女のことを好きだと勘違いしてるんだ。
女
まぁでも、なかなか有名な事務所の人みたいだし、損はないかな。
彼女の頬を優しく包んで軽くキスをして、耳元で囁く。 そうしてあげれば、大抵満足してくれる。
女
何が? 彼女は一体、僕の何が好きなの? 顔?スタイル?声?
そんなのどうでも良い。聞くのも飽きた。
ホソク
そう言っておくことにした。 首に腕を回せば、「今日の夜さ…」なんて言って来る。ほんとにチョロいな。
なんて考えていると、廊下の先に小さく人影が見えた。 振り返ったその人と、目が合ったような気がした。
控え室に戻れば、いつも通り、鬼の形相のマネージャーが待ち構えていた。
マネージャー
ホソク
マネージャー
僕は何人かのスタイリストに着替えさせられ、メイクヌナに座らせられてメイクをされていく。
マネージャー
ホソク
彼は少し苦い顔をして、鏡越しに僕を見た。
ホソク
ホソク
マネージャー
マネージャー
ホソク
マネージャー
ホソク
さっき撮ったツーショットを見せると、彼は驚いたように目を開けた。 その様子に笑っちゃう。
ホソク
ホソク
イヤホンをつけて、音楽を流す。 鏡に映ってるマネージャーは、複雑な顔で僕を見ていた。 知らないフリをして、メイクが終わるまで目を瞑った。
ナムジュンside
収録が始まって、それぞれのグループがステージに上がっていった。 俺たちBTSはトリを任されていたけど、今日はその後にサプライズゲストを迎える。 曲が終わったら、ジョングガと一緒に彼が出てくる形になっていた。
テテ
ナムジュン
テテ
ナムジュン
隣で待機していたテヒョアがそんな事を言ってくる。 チラッと振り返ってみると、スタッフと話している彼の姿。
……確かに、露出の多い衣装だなぁ……ああいうのを着て似合うから、人気あるんだろうけど…
さっきの場面を見たせいで、俺は気が気じゃなかった。
ジミン
反対側にいたジミナは、怪訝そうな顔をしていた。 まぁ、彼と話してる女性スタッフが終始デレデレなのは言わずとも分かる。 でも、それは彼のせいなのか…?
ジミン
ジミナは恋愛に対しては真面目なやつだし、好きになったら一途なやつだ。 だからこそ、ああいうタイプが苦手なんだろう。
ユンギ
ジミン
ユンギ
ユンギヒョンの声にハッとして、俺たちは集中を取り戻した。 今日も、俺たちを愛してくれてるARMYたちを、全力で愛そう。
コメント
3件
ナムさん、ホソクさんの秘密を暴いてあげて!(>人<;) めっちゃ続きが楽しみです(≧▽≦) ご自分のペースで頑張ってください💪