俺は人を愛せません

ｷﾞｷﾞｷﾞｨ

なんだか他の人とは違う雰囲気を持ってる彼は

目を見開いてこちらを見つめた後

口を少しパクパクさせてから

素早く両手剣を構えた

「お前の"得意魔法"はなんだ？」

そう言い彼は剣をおろした

この世界の賢者には

"代替わり"というものが存在してます

同じ魔法の賢者が同じ時代に二人生まれ

お互いが殺し合い

最終的にその魔法の賢者は一人になります

また、賢者は皆"賢者の意思"を持っています

この賢者の意思は賢者同士しか感じることはできません

でも賢者の意思ではどの魔法の賢者かは分かりません

俺が扉を開けたときまず目に入ったのは

賢者の意思をもつあなたでした

ｷﾞｷﾞｷﾞｨ

もし光の賢者だったら

もし、代替わりが起きていたら

それを恐れ俺は両手剣を構えた

相手に俺が身体強化を使ってると悟らせないために

威力が落ちることは承知の上で 声に出さず身体強化を唱えた

光の賢者かどうかを確認したかった

相手は動揺していた

光だけはやめてくれっ！

そう思いながら俺は尋ねた

闇か、なら良かった

俺は完全に警戒を解いて剣をおろした

パァァァァァ！