テラーノベル
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リビングに響き渡るなつの声。ソファに深く沈み込み、手元ではコントローラーが忙しなく動いている。モニターに映し出されるのは、彼が心血を注いでやり込んでいる最新のRPG。ボスを撃破したらしい。
なつ
コントローラーをそっとソファに置き、大きく伸びをするなつ。冷蔵庫を開けて、冷たいお茶を取り出した。その間に、リビングの様子を伺う二つの影があった。
こさめ
いるまにそっと耳打ちする。今日のドッキリの仕掛け人は、この二人。 なつが大切にしている最新のゲーム機を、うっかり壊してしまったように見せかける作戦だ。
いるま
普段は冷静沈着ないるまも、今回ばかりは及び腰だ。なつのゲームへの執着はメンバー全員が知るところ。彼の怒った顔など、誰も見たことがない。だからこそ、どんな反応をするのか興味津々なのが、こさめだった。
こさめ
そう言って、こさめはなつが置きっぱなしにしたままの、ゲーム機を手に取った。そして、少し離れたところにある雑誌の山の上に故意にバランス悪く置く。
こさめ
こさめが合図を送り、いるまは少しめんどくさそうに、雑誌の山に軽く体当たりをする。ガタンッ!と大きな音を立てて、ゲーム機は床に落ちた。鈍い、嫌な音がリビングに響く。
……ッ
いるまが思わず口元を抑える。ゲーム機のディスプレイはヒビが入り、起動しても画面は真っ暗なままだった。
その音を聞きつけ、なつがリビングに戻ってきた。手には冷たいお茶の入ったコップがある。
なつ
床に落ちた自分のゲーム機を見つけ、なつの目が点になる。
なつ
ゆっくりとゲーム機を拾い上げるなつ。ディスプレイのヒビを見た瞬間、彼の顔から血の気が引いた。
なつ
なつの声が、普段からは想像もできないほど低い。こさめといるまは、ゴクリと唾を飲む。
こさめ
とフォローに入った。しかし、なつの表情は変わらない。むしろ、さらに険しくなっていく。
なつ
普段の穏やかななつからは想像できないような剣幕に、こさめといるまは完全に固まってしまった。これはマズい。完全に予想を上回る反応だ。
こさめ
たまらずこさめが叫ぶ。そして、懐からリモコンを取り出して、目の前でボタンを押した。すると、なつが持っているはずの壊れたゲーム機の隣に置いてあった、全く同じ新品のゲーム機のディスプレイがピカリと光った。そして先ほどなつがプレイしていたゲームの起動画面が映し出される
なつ
なつは自分の手の中の壊れたゲーム機と、隣で起動している新品のゲーム機を交互に見比べる。そして、事態をようやく理解したのか、深いため息をついた。
なつ
そう言いながらも、なつの表情はいつもの穏やかなものに戻っていた。壊れたように見えたゲーム機も、実は精巧なダミー。本物は別の場所に隠してあったのだ。
こさめ
こさめが床にへたり込む。いるまも肩の力が抜け、その場にへたり込んだ。まさかなつがここまで感情を露わにするとは思わなかった。
なつ
そう言いながら、なつはダミーのゲーム機をテーブルに置き、新品のゲーム機を手に取って満足そうに眺めた。
なつ
なつがニヤリと笑う。どうやら、彼も仕掛け人の手のひらで転がされていただけではなかったようだ。むしろ、仕掛け人たちが本気で焦る様子を楽しんでいたのかもしれない。
こさめ
いるま
こさめといるまは、そうつぶやいた。 シクフォニのリビングには、またいつもの賑やかな日常が戻ってきたのだった
なつ
この数日後何十倍もの仕返しをされたとか?
コメント
18件
ドッキリ好きなんだよねぇ…なつくんドッキリなの気づいて演技してるの凄すぎるんだけどw シクフォニってドッキリガチるから見てるこっちもハラハラして面白いんだよね~!