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私立極性学園には創立以来守り抜かれてきた分厚い生徒手帳がある。
高等部1年生のレンにとって、その手帳は人生の地図だった。
「髪の長さは、襟足から2センチ以内」 「登下校の際、道の左側を1列で歩くこと」 「学外であっても、制服を着用している間は飲食を禁ずる」
レンはこれらの規則に一つも疑問を持たなかった。
むしろ、決められた通りに振る舞うことで心が穏やかになるのを感じてた。
ある日、放課後の清掃時間のことだ。
同級生が掃除の目を盗んでスマートフォンを操作していた。
この学校では校内での電子機器の使用は厳しく制限されている。
同級生
レンは流石に首を横に振った。
レン
レンは雑巾を1ミリのズレもなく重ね廊下の端から端まで決められた回数だけ床を磨き上げた。
夕暮れ時、校門を出る際にレンは校舎に向かって深々と一礼をした。
これもまた、伝統ある学園への敬意を示す大切なマナーだ。
家に帰り、鏡の前で制服を脱ぐ。
そこには、乱れのない一日を過ごした達成感に満ちた、凛とした少年の姿があった。
彼にとって、厳しい校則は縛りではなく、自分を輝かせるための研磨剤のようなものだった。