さて────
何故 記憶を消したのか、?
何故 消さなければいけなかったのか、?
────
…、
あなたが良ければ……ですが、
続きを…… 一緒に、見に行きましょうか……、?
──バシャッ──
影から 2人が弾き出された
そして 父さんと母さんを 無数の黒い腕が そっと地面に寝かせた
横になった2人は すぅ、すぅ、と 静かに寝息をたてている
────…上手くいったよな……、?
二人は目を覚ませば “俺”に関する記憶は…… 綺麗に、全て無くなっているはずだ……、
分からない……、
多分…
これが“最善”だったと思う、
スバル
ごめんなさい…
ごめんなさい……ッッ
俺のせいなんだ…ッ 俺のせいッで…ッッ
ほんとは2人にこんな事したくないッ!!! ……ッッ したくなかったんだ…、
でも……、ッ
でも……ッッ!!
こうしないとッッ
僕を……「すまない」を知ってしまったら…… 必ず目の前で……
悲惨な“死”を…… 遂げてしまうから……、
ごめんなさい……ッッ 嫌だッッ
“僕”を忘れないで………ッ、
ごめんなさいッッ!!! 嫌だッッ!!!!!
自分の身勝手さに 反吐が出る
「忘れて欲しい」 「忘れないで」
「会いたかった」 「会いたくなかった」
もう 訳が分からない
────自分が……分からない、
覚悟したはずだろ、?
もう 「平気」で 「大丈夫」 なはずだろ、?
────こんなんじゃ…… 誰も救えないじゃないか……、────
────パキッ────
僕の中で、何かが割れる音がした
スバル
スバル
スバル
あはははははははははははははッッ!!!!!!!!!!
ッはハははははハははははははハはッッ!!!!!!!!!!
何で 笑ってるんだろ、?
自分でも なんで笑ってるのか分からない
晴れた空の下で ひとり 空を見上げて 泣き叫んだ ────その“声”は
“誰か”に届くでしょうか、?
自身を知った者が 必ず、悲惨な死を迎える「呪い」──── ふと、何かのきっかけで戻ってしまう 「前」の記憶は────……
彼を知る者にとっては 何よりも変え難い 大切な記憶でしょう ですが、彼にとっては違います
“それ”は とても残酷で 残忍な 「死」 になってしまうのです
だからこそ、彼は名を捨てました
少しでも 不安要素を減らす為に
……
では…………、
あなたに……決めてもらいましょうか……、
────彼の事を、
あなたは──────── 「記憶」を消し、彼を永遠に知る事はなく、 「呪い」を受けず死ぬ事も無い 2人の未来を救いますか?
それとも──────── 「記憶」を消さず、例えそれが望まぬ“最悪”な結果だったとしても…… 消さずに残しますか……、?
────そうですね……、 猶予は────明日の、この時間まで……、 あなた達が 決めて下さい
えぇ……恐らくは…… 少しでも、多くの人に 見つけて貰えると……いいのですが
コメント
3件
……スバル……笑ってる理由はね、きっと自己防衛なんだよ……笑う事で無理にでも目の前の惨状から目を逸らしてるんだろうね…… 僕なら……消さない……たとえ悲惨な死を遂げるとしても……それまでの時間を、記憶を大事にしたい……何物にも変えられない“ソレ”を…… でも……僕に決める権利はない……後悔しないなら、消しても良いんじゃないかな……後悔しないならそれがきっと、最善だろうから
最善の結果、選べるだろうか。 自分は不安が残らない結果があると良いなと思います。
………私は…記憶を消す。その選択を選ぶ。