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桃紫久々なので 下手ですがご了承ください!!

stxxx nmmn 桃紫

興味本位でやって来たホストクラブ

仕事終わりということもあり、 倦怠感でいっぱいだった。

珍しく仕事が 19時過ぎに終わり、

どこかで一息つこうと 考えていたところに

ある一軒が目に入った。

' host club '

と看板に記された文字を見る。

ホストはあまり良いイメージを 持たれておらず、

俺自身もあまり近づいたこと が無かったが、

今日くらいは もうどうにでもなれ、 なんて奔放な気持ちで足を運んだ。

室内は女性の香水の香りや お酒の匂いで充満していた

案内されたのは 1番奥の窓側の席。

ご指名は誰になされますか?

ぁ、…え、と…

指名する人を聞かれ、 少し戸惑ってしまう俺。

…名簿、見られますか?

…あ、お願いします。

そう言って差し出された名簿には ざっと40人ほどの名前が載っていた

一通り見ていく中で 最も惹かれたのが 、

人気ランキング1位の 桃さんだった

…ぁ、じゃあこの方でお願い出来ますか?

そう言って桃さんを指す。

分かりました、少々お待ちください。

一礼をして受付の人は メニューを机に置いて 人混みに紛れて奥の方へと向かっていった。

俺は元々お酒が得意な方では無い。

机に置かれたメニューを ペラペラめくっていくと、

ノンアルコールのページに辿り着く。

…あの、すみません、

近くを通りかかった従業員を呼び、 お酒を頼む。

…これ、お願いします。

かしこまりました。

すぐお持ちしますね。

ぁ、っありがとうございます、

そう言った後、その人は バックバーへと歩いていった。

ふぅ、…

俺はノンアルコールのカシスオレンジが 入ったグラスを片手に持ち、口に含む。

さっぱりとした芳醇な香りと、 口当たりの良い優しい味が、 俺の心までをも包み込む。

…こんにちは、

…っ、わ…ッ、!?

ぁ、ごめん…びっくりさせちゃった?、笑

…俺の事指名してくれた紫さんで合ってる…、?

えぁ、…はい、

そう言って微笑みながら 俺の向かいに座り始める桃さん。

ご指名ありがとうございます、 と言いながら名刺を渡される。

思っていた以上に 整った顔立ちの方だった。

ふんわりとした甘い匂い

些細な気遣い

圧倒的コミュ力

全女子が求めるようなもの全てが 出揃っているような人だった。

…お酒、苦手なの?

…っへ、…?

なんで知って…、

それカシオレでしょ、しかもノンアルの。

…そう、ですけど、…

流石No.1と言ったところか

似たようなお酒も沢山あった中で 色と匂いで俺が頼んだお酒を当ててしまう。

俺もそのお酒好きだよ。

ちょっとほんのりしてるの、いいよね

そう言って笑いかけてくれる桃さん。

仕事慣れしていることもあって、 スマイルも完璧だ。

カシスっていうお酒にはね、'貴方は魅力的'っていう意味があるんだよ。

…そ、なんですか…

お酒にも思いや願いが込められている のだと思うと、

少しばかり関心を持ってしまう。

……そういえばさ、

……、?

突然改まる桃さん。

その間には若干緊張した 空気が流れる。

……君、ここ来るの初めてでしょ、

こんなに人が大勢いる中で、 俺が初めて来たというのを 把握していることに拍子抜けする。

…なんで俺を指名したの?

…ぁ、え…、?

あまり慣れていない場に 口が上手く回らず、

思うように話せない。

それでも桃さんは、俺の話を 真剣に聞こうとしてくれていて。

その優しさが今の俺には 身に染みるほど嬉しかった。

名簿、を初めに見せてもらったんですけど…

…桃さんが一番惹かれたというか、、

どのような表情で 桃さんを見ればいいか分からず、

桃さんから目を逸らし、 グラスを軽く握ったまま俯く。

…でも、桃さんを指名して正解でした。

ホストとか、…あまり良いイメージを持ってなかったんですけど、…

些細な気遣い、とか…話を持ちかけてくれるとこ、とか……

…接客業で求められる全てのものを…持ってるなぁ、って、

……っあ、すみません…初対面なのに、

初対面なのに、あたかも幼馴染だったかのように、ペラペラと彼の長所を語っていた。

桃さんの表情が固まってから やっと我に返る。

不快に思われたかな、なんて不安になりながら桃さんの顔を伺う。

…そーなんだ、嬉しい。

…あ、え…、?

予想外の返答で、 思わず顔を上げてしまう。

俺の事、そんな目で見てくれてたんだ、

桃さんは頬杖をついて、 俺の方を真剣な眼差しで見つめる。

…え、と…、?

…紫くん、だっけ、

…ぁ、はい、

仕事、何してんの?

……作業療法士の方を、少し…

初めての場で緊張もあるからか、 俯いたままの状態で 声が小さくなってしまう。

すご、医療従事者なんだ、?

…まぁ、はい…

桃さんは俺とは真反対の様子で、 慣れたように話を広げてくる。

俺が今まで接客してきた中であんまいなかったからさ、医療従事者とか。

そう、なんですか…

…洞察力とか、凄かったもんね、

そんなに詳しく見られてるとは思わなかった。

え、ぁ…ありがとうございます、?

今までで洞察力なんて 褒められたことが無かったからか、

素直に喜んでいいのか分からず、 曖昧な返答を零す。

この短時間で、俺の行動を見ている 桃さんも凄いと思うが、 口には出さなかった。

…彼女とか居ないの?

……彼女、ですか…?

話の内容が一変し、 その場の空気も少し静かになる。

あの後桃さんも、俺がカシオレを飲んでいる姿を見て欲しくなったのか、

度数の高いお酒を瓶ごと持ってきて ペース良く飲み始める。

紫くんスペック高いし、持てそうだなぁ、って思って…

で、どうなの?と、 俺の恋愛に興味津々で聞いてくる。

いません、けど…

と答えると、桃さんは目を見開き、 分かりやすく驚く。

…ッえ、彼氏は…、!?…

…彼氏も彼女もいません、

…っえ、まじでいないの、ッ…!?

……そんなに驚くことですか、?…

人の恋愛、それも初対面の相手の恋愛で、

そんなに驚くことの方が 珍しいと思う。

…なんて、桃さんは俺の恋話に 興味を持ったのか、質問攻め。

俺も桃さんからの質問に答えながら、 カシオレを飲んでゆっくりと過ごす。

俺が来てから1時間程度経った。

桃さんは他の客からも 指名されていたのに、

ずっと俺の向かいに居座っている。

俺が[行かなくていいんですか?] と聞いても、

桃さんには受け流されて 終わるだけだった。

ラストオーダーの時間も過ぎ、 店内の客が減ってきた頃。

人、少ないですね…

1時間前までは、 息が苦しいと感じるほど混んでいたのに

今では全くと言っていいほど居ない。

……ん、もう帰んの?

…そう、ですね…明日も早いので、

そう言って俺は荷物をまとめ、 帰る準備をする。

桃さんも結構酔いが 回っているところだった。

……また来てくれんの、?

ほんのりと頬を赤く染めながら 甘ったるい声で言うものだから

断る選択肢は無い。

…うん、仕事が落ち着いたら…

…んふ、楽しみにしてる、

まるで小学生の男の子と 話しているようだった。

No.1の人はお酒が強いイメージが 俺の中で残っていたため

このような姿を見るのは 少し意外だった。

…じゃあ、俺帰り──

最後に改まって礼をしようと 振り返ると、

正面から俺より2回りほど 大きい体が俺の方に傾いていた。

…ッわ、っ…

俺が突然のことに戸惑ってしまい、 上手く支えることが出来なかったため、

俺ごと後ろに倒れてしまった。

…っ、ごめ…

近くの従業員の方が、 近寄って声をかけて下さった。

……度数の高いお酒を結構飲んでいたので、二日酔いかと…、

俺はある程度桃さんの様子について話し、 桃さんを俺の体から引き離す。

…っ、や…紫…く、

…なんて、俺のシャツの裾を掴んで、 話そうとしてくれない桃さん。

少しばかり可愛いと思ってしまう俺は、 普通では無いのだろうか。

と、奥のスタッフルームから 従業員が出てきて、

3人がかりで桃さんを引き離す。

___21時、駅前の公園、

俺の耳元でぼそっと囁かれた言葉。

駅前の公園、なんて思い当たる所は 1つしかなくて。

事も一段落つき、辺りを見回すと もう客人は俺だけのようだった。

俺は桃さんの姿が見えなくなるまで 見送った後、

受付の方まで行って お会計を済ませる。

カランカラン、とドアを開けた時に 鳴る鐘の音を背に、

俺は駅前の方向に 歩いていった。

next ... ♡200

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