テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
やけに脳に響いた一言
桃
衝動的に返事をする
愛おしい彼の姿がそこに
青
青
一瞬逸らした瞳が
青
たしかに俺を捉えてた
桃
出てきた言葉に耳を疑う
青
嗚呼もう
桃
全て愛おしくて
青
滅茶苦茶に抱きついた
___。
バサッ……
桃
見慣れた自分の部屋
ベッドの上
桃
頬に何かが触れる感覚
桃
気付けば涙が頬を伝っていた
……夢?
桃
情けない、そう自分に言い聞かせるも そんなの無視して勝手に涙が溢れ出る
必死に涙を拭う
懐かしい夢を見ていた気がする
あれ、なんの夢だっけ___
桃
7月突入
何となく憂鬱な月曜日
時刻は___
9時半を回っている
もういいや、学校休もう。
青い海が見えてくる
この日のこの時間帯……青は居るのかな
桃
桃
浅瀬の中でも奥の方に突っ立っていた 彼の姿
桃
青
すぐににこっと微笑んで
青
なんて、純粋な疑問をぶつけてくる
桃
青
特に触れない方がいいとでも察したのか
それっきりで終わらせた
桃
青
青
青
桃
何かが痛むように
一瞬だけ、右手を頭に添えた
何かありそうな雰囲気だから
触れないようにしておこう
桃
ただそう
呟くように言うことしか出来ない
青
青
そんな一言でも
君は少し笑ってくれた
桃
その事実が、ただうれしい
桃
桃
青
少しだけ考えてから
青
とだけ、ぽつりと言った
触れないようにしておくべきか
桃
ただこれだけで会話を終わらす
桃
自分でも
何が言いたいのかわかんない
通話
00:00
桃
青
急な自分のスマホの通知に少し驚きつつ
画面を確認
桃
青
青
桃
青
桃
〝良かった〟という不自然な言葉
特に触れずに応答する
桃
黄
青
すぐそこに居る彼は 声が入らないように黙っている
桃
黄
桃
桃
黄
黄
どうやら
通話越しに波の音が聞こえたらしい
桃
桃
黄
黄
黄
桃
ぴろん
黄
通話
05:03
ツーツー
桃
それまで黙っていた青が
ゆっくり口を開けた
青
青
どこか切なげで
見てるとなんか泣けてくる笑顔
単純なことなのに 返すべき言葉が見つからなくて
何故か泣きそうになりながら立ち尽くすことしか出来ない
青
桃
桃
桃
何故か切なくて悲しげな顔を見せながら
「そっか。」と君は呟く
桃
青
桃
「気にしないで」と言葉を濁して
君は再び笑う
青
青
桃
独特な言い回しに くすっと笑う
青
青
たしかにそうだ
気付けば
この海への「嫌い」って感情はなくなっていた
桃
青
青
青
赤
黄
すぐそこに
いつも通りの彼ら
黄
桃
赤
普通に食べ続けて急に、言葉を発する
赤
赤
桃
普通の恋バナだろうと
そう、思ったけど
何故か不安げに問いつめている
黄も同じように引き気味に頷いてる
桃
「…、ごめん。行っちゃうの寂しくて。」
桃
多分
俺は
桃
桃
顔の火照りが隠しきれなくて
馬鹿正直に頷いた
赤
黄
「いいじゃん」なんて励ますように言うも
その顔には 悲しい何かが滲んでた
桃
桃
意味もなく
廊下へ足を進めた
桃
桃
寂しさを含んだあの笑みも
「……!」
何か裏があるのだって知ってる
「そっか……」
桃
桃
目頭が異様に熱い
ここで泣き出すとか 絶対いやだ
嗚呼
すきなんだな
紫
桃
たまたま通りすがったであろう
紫くんの姿
その隣には
躊躇いがちにそっぽを向いた橙がいる
桃
紫
心配げに
妙な安堵感と包容感を感じる優しく顔で覗き込む
紫
桃
目頭が熱くて
くるしくて
桃
紫
そのまま
横を通り過ぎる
__待って
「……しょうがないよ、向こうにもきっと何かあったんだよ。」
桃
桃
橙
俺の声にぴくりと身を動かした
紫
紫くんは案の定動揺している
桃
桃
抑えきれずに意味もわからなく言葉が大量に出てゆく
桃
声はか細く 震えて
小さくて
情けない
橙
紫
紫くんが俺の声を小さく呟いたのが 鮮明に聞こえた
橙
桃
桃
「……君は何も悪くないよ。」
桃
泣くために俺は橙の事呼び止めたんじゃない
そんなんじゃないのに
橙
紫
どうしようもなくなった空気感を
無理やりどうにかしようと紫くんが声をかけた
桃
紫くんが先に歩いた橙について行こうと足を動かしてすぐ
こちらへ振り返る
紫
桃
橙に聞こえないようにそう言った
俺は
大切なものをなくしている
青
放課後
いつも通りに海で待っていた、彼
桃
青
青
桃
青
なんというか
君となら安心感がある
桃
桃
青
青
青の表情が
何処かが痛むような程くしゃりと歪んだ
桃
青
寂しげに
一言を丁寧に発した
桃
青
青
桃
青
青
何気に初めて見せた 泣き顔
それすらも美しい
桃
青
青
桃
そういえば
以前に捜し物だとかなんとか言っていた
触れるべき話題じゃないと判断したから 深掘りしなかった
桃
青
泣き喚くとかそういうのじゃなく
静かに泣いてた
青
桃
青
君は
俺の手をしっかり握りしめた
桃
そしてすぐ気づく
桃
君の手は 冷たかった
俺自身が 唐突の事で火照ってしまったのが原因だろうか
そのせいで冷たく感じた?
青が以前まで海に手をつけていたりしていたのも原因としての一環か
なんとなく、生気というものが感じられなかった
それ程思い詰めている?
青
桃
青
青
自分の左耳
お気に入りのイヤリング
桃
青
桃
青
優しく笑う君が やっぱり愛おしい
桃
青
桃
青
君の相槌には切なさが含まれてた
桃
桃
桃
どうしても
思い出せなかった
右耳は誰が持っている?
俺はだれに___
青
青
桃
そう言いながら
冷たくて白い手をそっと離した
桃
青
桃
夏だから勿論 暑い
だからこそ、君の手の感覚がずっと残ってる
それは
ただ単純に、すきだから?
__翌日
桃
今日も
なにか夢を見てる気がした
青の_夢?
謎の既視感があった
思い出せない
やけに
寝た気がしない
赤には顔色悪いって言われたし__
「桃くんっ!」
桃
脳の奥から聞こえたような
あれは 青の声だ
「好きです。」
桃
これも確かに青の声
言われた記憶なんてない
桃
「!ごめん、なさい……」
「桃くん」
「桃、くん……」
桃
右耳のイヤリング、誰に渡したっけ
俺は何を探してるの?
あの 妙に冷たい手の感触が不気味なくらいずっと張り付いている
いきが、くるしい
「海きれいだね」
「真珠みたい!きれーい…」
「また明日」
「___が__の時に限ってなんでおらへんねん……っ!!」
橙の声がキンと響く
「今回の件は……多分。桃ちゃんは悪くないよ…」
他にも紫くんの声
「桃くん、なんで……っ、俺、桃くんはそんなこと…ポロポロッ」
ずしりとした重みのある声で頭が痛い
「最低じゃないですか……っ、」
桃
桃
「桃、くん。」
「ぼくのこと___」
「___。」
「……桃くん。」
だいすき。
君の声が 脳から直接優しく響く
全部夢で こんな事実存在しない
きっと
𝐍𝐞𝐱𝐭……
前々回続きに前回も、たくさんのコメントありがとうございます🥹💞
思ったよりコメントしてくださる方覚えてて自分でもびっくりです👀
この場を借りて言っちゃいますが、 いつもほんとにコメントありがとうございます🥹
いいねはもちろんなんですけどほんとに物語の源です...😭
感謝の気持ちをお伝えさせていただいたところなんですが、お知らせです
プロローグ、本編の起承転結、エピローグの6話構成で書かせてもらう予定だったんですが
プロローグ、起、承(ここまでの3話が今までのお話なんですが)
今後の転、結、エピローグについて。
全体から見て4話目の「転」のお話なんですが、長くなったので前編、後編に分けます!
つまり、 プロローグ、起、承、転(前編)、転(後編)結、エピローグの全体7話構成に変更致しました!
1話予定より多くなったと考えていただき結構です。
長くなってしまったので終わらせていただきます! ご拝読ありがとうございました!
コメント
10件
起承転結のうち起、承まで来ましたね! 次の転は物語の転換、つまり物語が大きく動くシーンですね どんな展開があるのか楽しみ……
時差コメ失礼します!前編後編に分かれるの把握です! どんどん、6人の間に何があったのか気になっていきます…!