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とりあえず、まちことのLINEを終えた

さて……どうしたものかなぁと玄関で考え込む

ニキ

……びー?

ニキ

ぼ……びー?

ニキ

ねぇ、ぼびー?

しろしんせんせー

ん?

先にリビングに行っていたニキが、不思議そうな顔で覗き込んでいた

ニキ

そんなとこで立ったままで……

ニキ

どうしたの?

しろしんせんせー

あー
ちょっと考え事しとった

ニキ

大丈夫?

心配そうな顔を向けながら、トコトコとやってくるニキ

しろしんせんせー

(よかった……)

しろしんせんせー

(機嫌はわるくなさそうやな)

ニキ

ぼびーってば

しろしんせんせー

あぁ……すみんすまん

ニキ

具合悪いの?

そっと頬に手を当てて顔をのぞき込まれる

しろしんせんせー

ぁっ……

ピクっと反応してしまう身体が恨めしい……

ニキは、甘い雰囲気になるとよく頬に手を添えてくる

キスをする前はとくにそうだった

軽く身体を震わせる俺に気づいて、ニキがフワッと笑った

ニキ

ふふ♡
ぼびー、なんか反応してない?♡

しろしんせんせー

(あぁ…ニキのこの話し方好きや…)

しろしんせんせー

(なんか、優しくて甘い声)

ジッとニキを見つめながら、無意識にニキの手のひらに顔をスリっと擦り付けていた

それを見たニキは、一瞬目を見開いてから、また優しい笑顔を向けてきた

ニキ

ぼびー……
なんでそんな可愛いことするの?

しろしんせんせー

いや……これはやな……

ニキ

ふふ♡
いいからこっちおいで

昨日とは違って、優しく大事なもののように手を引かれた

しろしんせんせー

(いつものニキや)

ニキ

ほら、こっち座って

ソファーに座って、ポンポンと隣を叩くニキ

俺はその声に導かれるように隣に座った

ニキ

もっとこっち…
遠いよ…

なんとなく、間を開けて座ったらムスッとした顔で引き寄せられた

しろしんせんせー

んっ……
近すぎやない?

ニキ

ん?
そんなことないよ♡

ニキ

僕はこのくらいくっついてる方がいい♡

ピッタリとくっつくような距離に、俺は少し戸惑った

そして、俺の肩にトンっと頭を乗せてこられて、またビクッと身体が震えた

ニキ

……重たかった?

しろしんせんせー

いや……
そうやないけど……

しろしんせんせー

どしたん?

ニキ

んーどうもしないけどさぁ

ニキ

こうしたい気分なの

しろしんせんせー

まぁ……仕方ないから
今は許したる……

正直居心地は悪い

というか、こんなニキは初めてで、ドギマギする

しばらくそのまま無言の時間が過ぎていった

しろしんせんせー

あー
なんか飲みもん!
だすわ!

気まずすぎて、立ち上がった俺の腕を、ニキは優しく掴んだ

俺を見上げる瞳は、心做しか潤んでいる気がした

しろしんせんせー

ん?
どうしたん?

しろしんせんせー

そんな顔して

ニキ

んー

ニキ

ぼびーはさ……

しろしんせんせー

なんや?

ニキ

僕のこと……
どうおもってるんかなぁって……

しろしんせんせー

どうって……?

しろしんせんせー

どういう意味や?

いつもなら、「セフレやろ」って茶化すところだ

でも今日はそれではダメな気がした

しろしんせんせー

お前…なんて顔してんねん

ニキ

ん?

しろしんせんせー

今にも泣きそうやないか…

無意識に手を伸ばしてニキの顔を抱きしめた

しろしんせんせー

(なんやろ…)

しろしんせんせー

(今はこうしなあかん気がする)

ニキ

ぼ……びぃ?

抱きしめてるから顔は見えないが、少し泣いてるような声で呼ぶニキ

それが愛おしくて、ゆっくりと頭を撫でた

しろしんせんせー

なんや?

しろしんせんせー

言いたいことあんなら遠慮せんでええんやで?

しろしんせんせー

ちゃんと聞いたるから

ニキ

うん…

ニキ

ちょっとまって……

しろしんせんせー

慌てんでええ

しろしんせんせー

落ち着いてからええから

俺は、少し震えているニキを抱きしめて、落ち着くまで頭を撫で続けた

しろしんせんせー

(なんやろ……)

しろしんせんせー

(こいつ、こんな可愛いことあるんやな)

しろしんせんせー

(こんな時やけど、惚れ直しそうやわ)

素直になれない 本編②

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