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翌日の放課後。
遥は昨日の出来事が夢だったのではないかと、ふわふわした心地で図書室のカウンターに座っていた。
瀬戸 遥
何度も脳内でリプレイされる彼の声。
しかし、現実は非情だ。
教室では相変わらず、湊の周りには何重もの壁のように人が群がっている。
瀬戸 遥
そう自分に言い聞かせて、遥が返却本を棚に戻そうとした、その時だった。
一条 湊
図書室の重い扉が静かに開き、ひょっこりと顔を出したのは、他でもない湊だった。
瀬戸 遥
一条 湊
一条 湊
湊はいたずらっぽく笑うと、遥の制止も聞かずにカウンターの内側、遥のすぐ隣に滑り込んできた。
瀬戸 遥
一条 湊
一条 湊
一条 湊
湊はカウンターの下に身を隠しながら、ふぅ、と小さく息をついた。
いつも完璧な王子様が見せた、年相応の「逃亡者」のような姿。
そのギャップに、遥の心臓はまたしても激しく脈打ち始める。
瀬戸 遥
一条 湊
一条 湊
湊は床に座り込んだまま、膝を抱えて遥を見上げた。
一条 湊
一条 湊
瀬戸 遥
瀬戸 遥
一条 湊
一条 湊
一条 湊
湊は人差し指を自分の唇に当てて、ウィンクをした。
その仕草があまりにも鮮やかで、遥は顔が火照るのを感じて俯いた。
瀬戸 遥
一条 湊
湊がポケットから取り出したのは、包み紙に入った小さなキャラメルだった。
一条 湊
一条 湊
遥の手に握らされたキャラメルは、湊の体温でほんのりと温かかった。
瀬戸 遥
一条 湊
そう言い残して、外の様子を伺っていた湊は、「今だ!」と短く呟くと、嵐のように去っていった。
静まり返った図書室で、遥は手の中のキャラメルをぎゅっと握りしめた。
瀬戸 遥
初めて呼んでみたその名前は、甘いお菓子の味よりもずっと、胸の奥を甘酸っぱく締め付けた