唯叶
……
ヒュッッ
唯叶
…ふぅ……
夜中の12時の地下訓練場。 矢が空を切る音だけが聞こえる
保科
そんなんやから遅刻するんやで
唯叶
いつものことじゃん
保科
ほーん、
唯叶
……なに
保科
さっき外周行ってきたな?
唯叶
……行ってない
保科
素直やないなぁー!
唯叶
うっ、
急に飛び付いて頭を撫で回す宗四郎
唯叶
離れろっ、!!
保科
いやや!
保科
そのまま見回り行くで
保科
当番やろ?
唯叶
…逃げれたと思ったのに
保科
僕のこと舐めすぎやない??
唯叶
……
夜中の基地の廊下を二人で並んで歩く
保科
お前は絶対に努力を他人に見せようとせんよな
保科
…なんで?
黙りこくっている唯叶にふと思った疑問を投げかけた
唯叶
……なんとなく
保科
…そうか
彼女はのらりくらりしている 掴もうとしても絶対に掴めない
保科
(…ちゃう…掴んで壊してしまうのが怖いんや)
シャボン玉みたいに……
唯叶
…あぁ、でもあいつがそうだからって言った方が正しいかもしれない
保科
あいつ?
唯叶
…小さい頃、ずっとくっついて回ってた人がいた
唯叶
そいつは怪獣が現れたら真っ先に私のところに来てくれてた
唯叶は思い出をなぞるように ポツリポツリと昔のことを語り始めた
唯叶
「大丈夫、心配するな」ってずっと頭を撫でてくれた
唯叶
防衛隊に入ったのもその人がきっかけ
保科
じゃあ今もその人防衛隊におるんか?
唯叶
……いるよ
なぜか唯叶は顔を歪めた
唯叶
ただ、その人は私のことが嫌いなんだけどね
そんな顔でさえ酷く綺麗で見入ってしまう
僕は彼女にそこまで思ってもらえる " あいつ " が羨ましく思った
保科
じゃあ、今度からは僕が「大丈夫、心配するな」って撫で回したるわ
唯叶
怪獣はもう怖くないけど
唯叶
もしゴキブリ出てきたら退治してからそれやって
保科
要はゴキブリ退治せえちゅうことやな
唯叶
そゆこと、
保科
僕もゴキブリには触りたくないんやけど
唯叶
あははっ、
今度は割れ物を触るように 優しく頬に触れた
保科
もう眠いやろ?
保科
実はもう僕が見回り行ってるんやで
唯叶
ん、ありがと…
猫のように僕の手にすり寄ってきた唯叶 眠たいときはいつも甘えてくる
保科
(かわええな……(激重))
そのまま唯叶の部屋まで送った
唯叶
…おやすみ
保科
あぁ、おやすみ
保科
(唯叶はなんとも思ってないんやろうけど、)







