嘘つきは、消える

そう言って、私はお母さんに一つのパンを渡す。

お母さんは、目が見えない。

だから、パンを取る手がおぼつかない

ごめんなさい、私嘘ついた。

昨日食べたのは、木の根っこ、一昨日は、虫だったかなぁ。それと、今日は、まだ何も食べてないんだ。

お金貯めなきゃだから

お母さんは病気にかかっている。

その為にも私が頑張らなきゃ

嘘なんだ。ごめんなさい、私はパンを盗んだ悪党なの。

お金も盗んだ物なの。ごめんなさい。

ごめんなさい、神父様に目の敵にされてるんだ。行ったら、蹴られるから

私は、お母さんがいれば大丈夫なの。これだけが本当なんだ。

一か月後

バンっ

私は勢いよく扉を開ける

ドンドン

荒いノックをする

ギィ

扉が開く

速く診てもらいたいその気持ちで、いっぱいだった

ガシッ

腕を掴まれた。

ガリガリ

私を掴む腕をもう片方で、引っ掻く

頭を殴られる

医者が衛兵に私を渡す瞬間

バッ、タッタッタッタッタッ

バンッ

リラは母に近寄る

バン！

お母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さん

絶望

希望は、もう、ない。だって

お母さんがいない

私の全てなのに、

私、お母さんがいたから

大丈夫だったのに

私は、お母さんに何もかも、差し出せるのよ

なのに、消えたら

私は、生きる意味が、

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リラは引きずられながら

裁判所へ行かされた。

リラの目にはもう、輝きはなく死人のようだった。

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判決は、有罪

死刑となった。

裁判の途中、神父が

この世界は、神が一番なのだ。

イコールして、神父は権限を持つ

なので、リラは死刑となった。

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死刑当日

衛兵は焦ってギロチンを作動させる

ズパッ

彼女の死をみんなは喜んだ。

おしまい

作者から

死は、神様なんかのお願いでやるものでも無い

僕は、書きながら、そう思いました