橙
みんな分かっている事を言ってくれるな、ジェルくん。
桃
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僕は、あまり体力がある方ではない。十五キロなんて歩けるはずが無い。 それでもこうして元気でいられるのは、この世界に来た事で多少体力がついたということだろうか。
桃
橙
流石、王城というだけあって立派なものだ。城を守るかのように聳え立つ二つの塔と、それをぐるりととりかこむ高い塀。正に中世の城、といった佇まいに僕たちは思わず声を上げた。
青
橙
桃
本当に入れてもらえるのか。そんな心配をよそにジェルくんはフレンドリーに門の前にした衛兵に話しかけた。
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衛兵
橙
衛兵
橙
完全に当てずっぽうを堂々と言えるところはすごいと思う。この先どうするか決まってたらもっとすごいと思う。
衛兵
図星だったんかい。
橙
意気揚々と凱旋してくるけど僕たち割と一部始終見ていたんだジェルくん。最強エンターテイナーの裏の顔(仮)見てしまったんだジェルくん。
桃
青
橙
青
ともかく、僕たちは城に入る権利を得た訳だ。といっても、衛兵を突破しただけでもっと位の高い人には通じないんだろう。ほぼ不法侵入みたいなものだし。ここは一旦落ち着いて…とか思っていたらジェルくんが正門から堂々と入ろうとしている。
桃
橙
桃
橙
青
橙
青
とはいえだ。結局折れたのは少数派で、三人で王を探しに行く、というほぼ全ての人が自殺行為としか思えない事をした。
城は、広かった。
桃
橙
桃
橙
桃
バナナが置いてあるからと言って自分を思い浮かべるのは流石に自意識過剰だろうか。だとしたら文句はそのキャラ像を作り上げた他のメンバーに言って欲しい。 大広間に巨大なバナナの像があった。下ネタとかじゃなく。下ネタとかじゃなく(二回目)。
青
桃
笑うな。
橙
でかいだろ明らかに。
桃
青
橙
桃
青
そんなに軽いのかそれ。金とかでできてるように見えるけど実は発泡スチロールなのか。金だったら死ぬ、主に頸椎が。
僕の抵抗も虚しく、被せられたそれは。
桃
橙
青
ぴったりフィットした。
桃
橙
途中で笑ってしまうのを避けるためか超早口&明後日の方向を向いているジェルくん。その明後日の方向は明日の方向であってくれ。ナチュラルに考えて今の状況やばいから。
青
桃
橙
確かに、さとみくんの魔王の笑い声ですっかり薄れていたが、相手が僕を知っているって冷静に考えておかしい。
桃
青
桃
橙
青
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序盤の街でこんなあからさまに帰れる伏線を貼られるのは流石にゲームにはない。一応、僕たちのことも考えてくれているのか。
桃
青
桃
さとみくんは少し残念がってるようだった。なんだかんだ言ってゲームの世界楽しんでたかそういえば。確かにこの世界で生きて行く素質があるよ、さとみくんには。
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桃
青
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桃
広間から続く三つの道を分担して捜索することになった。時間が経ったらここに戻ってくるという条件で。ここで迷子になられたりしたら洒落にならない。
青
橙
桃