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昼下がり、拠点の小さな台所は静かで、どこか懐かしい空気に満ちていた。

昨日集めてきた野菜や根菜、それに保存用の缶詰が棚にずらりと並んでいる。

Kanade

拠点の台所使うの久しぶりだね。

あらたろ

最近かなり忙しかったから、使う余裕もなかったでしょ。仕方ない。

Kanade

この缶詰、開けてくれる?

あっという間に缶詰が開いた。

Kanade

……さすが、無駄に力持ちだね。

あらたろ

無駄じゃないでしょ!!

あらたろ

こういうとき役立ってるの見えてない!?

Kanade

ちゃんと見えてるよ。頼りにしてる。

あらたろ

……それはそれで照れるからさぁ。

Kanadeは軽く笑い、人参を切り始める。

しばらくして、あらたろが周りを見回しながら訊く。

あらたろ

で、今日は何作るんだ?

Kanade

簡単な煮込みと、保存用の乾燥野菜かな。

Kanade

夜用にスープも少し作りたい。

あらたろ

俺、味付け担当な?

Kanade

……いいけど、塩加減は私が最後に確認するから。

あらたろ

信用してよ〜

Kanade

前に塩2倍入れた人に任せるのは勇気がいるよ。

あらたろ

あれは量るスプーンが欠けてたからだって!

Kanade

相変わらず嘘が苦手だね〜。欠けてるなら少なくなるはずでしょ?

あらたろ

…ぐぬぬ…

二人は作業に入る。

Kanadeが野菜を切り、あらたろが鍋をかき混ぜ、時々材料を投げるように渡してくる。

火にかけてしばらく経つと、煮込みの香りが部屋中をふんわり包み込んだ。

腹の奥がじんわりと温かくなり、空気がゆるむ。

Kanade

そろそろ味見してみる?

あらたろ

そうだね。

Kanadeは半分呆れながらも、半分笑いながらスプーンを差し出す。

二人は同時にひとくち味わう。

あらたろ

……っ!!結構いけるじゃん!!

Kanade

うん、これは当たりかも。思ったより深い味になってる。

あらたろ

言っただろ?俺の混ぜ技術が生み出した—

Kanade

それは違うけどね。

あらたろ

違くない!!

Kanade

でも……こういうふうに、計画して、組み立てて、形にする時間って好きだな。

あらたろ

俺もだな。一人だとつまんない。

Kanade

……え、急にそういうこと言う?

あらたろ

え、なんか変だった?

Kanade

いや……ううん。ありがとう。嬉しいよ。

Kanadeが少しだけ目をそらす。

昼過ぎ、スープも煮込みもきれいに仕上がり、二人で鍋を囲む。

湯気の向こうでKanadeが柔らかく笑う。

あらたろ

……やっぱ、こういう時間、いいな。

Kanade

じゃあ今度からもっと手伝ってもらおうかな。

あらたろ

それはそれで楽しいかも。

Kanade

いいんだ…

Kanade

頼りにしてるよ。

穏やかな時間は短いかもしれない。

それでも今日のこの瞬間は、確かに二人の心に残る午後だった。

Roblox Book Ⅱ【99夜の森-2 : Marks of the Forgotten】

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