蘭
‥誰だ?君は
輝流
あ、私は‥
自己紹介しようとした時手元に何か当たって拾う
輝流
「美しい女流作家の生涯」‥?
蘭
うわ!
生徒は輝流から本を奪い取る
蘭
‥見たか?
輝流
‥すみません、バッチリ見ました‥あのバッチから見て赤科の人ですよね?別にそんな隠さなくても‥
蘭
‥おかしいだろ
輝流
え?
蘭
男が女流作家好きって
輝流
いや、別に‥なら私は作家じゃないけど江が好きですよ
蘭
江って‥浅井と織田の血を引くあの人か!
輝流
ハイ、彼女の生涯すごいですよ
蘭
君、わかってるな‥何より徳川で‥って!何語っているんだ、俺は!
輝流
私は楽しいですよ?
生徒は息を整えて落ち着く
蘭
君、1年だな?樹輝流か名塚由真どっちだ?
輝流
あ!私は樹輝流です!よろしくお願いします‥何で名前知ってるんですか?
蘭
昨年からひっきりなしに話が学園中で上がっていたんだよ、特に理事長が「女の子が入る!」って大喜びだったな‥俺は2年赤科、甲野蘭だ。よろしく‥ところで柳さん見なかったか?
輝流
柳さん?
蘭
まだ会っていないようだな。ここの司書だ。‥あの人の司書としての能力はすごいが放浪癖があって中々見つからないんだよ!だから図書委員であの人の代わりに司書役やっているんだ、今日だって結局見つからず休日に俺が代わりにやっているんだ!全く何やってるんだあの人は‥
グチグチと柳に対しての文句が出る蘭
輝流
‥甲野先輩、図書委員なんですか?
蘭
そうだが?
輝流
私も図書委員なんです!よろしくお願いします
蘭
‥お前とは長い付き合いになりそうだ
輝流
あと、うちのクラスでは三浦健児くんもです
空気がピシッとなる
輝流
‥甲野先輩?
蘭
‥ああ、三浦か‥
輝流
知ってるんですか?
蘭
‥まぁ一応な‥こんな時間だ。寮まで送ろう
輝流
ありがとうございます