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#アラスター
赤メガネ
赤メガネ
赤メガネ
赤メガネ
赤メガネ
赤メガネ
前回のセリフから!
”ゼスティアル”だ
”ゼスティアル”だ
彼はゆっくりと口を開き、そう言った
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ゼスティーは、その名前に少し聞き覚えがあった。 今夜のような親戚同士が集まる日であったその日、 ゼスティーは両親に手を引かれて親戚に挨拶をして いたが、 親戚同士が何やらヒソヒソと話している中で何度も ”ゼスティアル”という名前が聞こえていた。 その時のゼスティーは、”ゼスティアル” という方が 誰なのか分からなかったが、何となく 「あの巨大な男の人」 の事をうわさしているんだろうと感じていた。 前話で書いてあったとおり、初対面からかなり印象 があった事もあり、何年も経ったあとでも、記憶に 残っていたのだ。
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彼と少し会話をしていると、ゼスティーは、 いつの間にか親戚の視線が自分たちに向け られていることに気づいた 親戚の中ではかなり有名な方と、社交場に あまり顔を出さない令嬢が会話しているのが あまりにも不思議な光景だったからだろう。 人から視線を感じる事が苦手なゼスティーは もうこれ以上会話を続けたくないと思った。
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ゼスティーがそう言いかけた時、 それまで舞台の方から奏でられていた曲が 突然、音色が変わった。 曲が変わったのだろう。だがゼスティーは、 そんなささいな事は気にとめない。 この場を早々に立ち去ろうと背を向けた時⎯
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ゼスティーは少々ぶっきらぼうに尋ねた。
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なんて変わった人なんだろう と思った。 周囲からはざわめきが起きる。 社交場に来たことなく、ましてや、ほぼ 親戚から知られていない令嬢が、自分と 対象的な人物にダンスを誘われる………… なんて、この時代には考えられない事だった
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会場にある時計を見ると、言われた通り、 パーティーが終わるまであと数分しか残っていない。 恐らく、彼とダンスしたあとの時間帯の方が ちょうど良い時間になっていそうだ。
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ダンスに誘われたのは初めてだが、 ここであの、「社会教育」が役立つ とは思いもしなかった。 皮肉で少し クスッと笑ったあと、 差し出された彼の手を、静かに受け取った。
弦楽器の旋律が、ひときわ優雅に弧を描いたとき、 二人は自然と中央へと導かれる。
彼の動きは鋭く、それでいて無駄がない。 細く長い腕が空気を裂くように伸び、指先 ひとつにまで意思が宿っていた。 対するゼスティーは、柔らかな布のように しなやかに、その導きを受け流す。足先は 音もなく滑り、裾が波のように遅れて ついてくる。
手が触れ合う瞬間⎯⎯⎯ それは掴むというより、均衡を確かめるための 合図だった。
一歩、二歩。 彼が前へ出れば、彼女はわずかに身を引く。 しかしその距離は決して離れすぎず、まるで 見えない糸で結ばれているかのように保たれ ていた。 音楽が軽やかに跳ねると、彼女はくるりと回る。淡い色のドレスが円を描き、灯りを弾いて一瞬だけ光を纏った。その背を追うように、彼の足取りもまた滑らかに軌跡をなぞる。 やがて旋律はゆるやかに深まり、踊りもまた静かな均衡へと落ち着いていく。 彼がわずかに身を傾けると、彼女はそれに応じて体を預けた。
周囲のざわめきが遠のき、広間にはただ二人のリズムだけが残る。 そして最後の音が消えると同時に、二人はぴたりと動きを止めた。
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2人は少し笑いあったあと、 互いに一礼をして会場を去っていった。
カツ カツ カツ…
静まり返った夜の外から、バラ色のヒールの 音が響く。 しばらく外で、馬車の準備をして待っていた 御者は、その音でゼスティー嬢が帰ってきた 事に気がつく。
お帰りなさいませ、と深く礼をした後、 ゼスティーにこっそりと近づき、耳元で なにやら囁く。
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御者に渡された、1枚の黒のレターを 手に取る。
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