その日から彼は毎日 花を買いに行った
この子が少しでも、 綺麗な服を着て、 美味しいものを食べられる事を祈りながら
レオ
ルナ
ルナ
レオ
レオ
【レオ】とは自分で付けた名前
親から名前を貰えなかった それだけだ
ルナ
ルナ
ルナ
レオ
レオ
ルナ
ルナ
固く閉ざされた心が 優しく開き始めた時だった
変わらない毎日
花を盗みに来るあの子を見守り
その花を買う
それは彼にとって、 何よりも守りたい日常になった
ふと思う
レオ
レオ
自分の為では無く、 純粋にあの子の為に
ルナ
レオ
レオ
ルナ
レオ
レオ
ルナ
レオ
ルナ
レオ
ルナ
レオ
ルナ
レオ
それは、 彼が初めて見せた笑顔だった
マントの中でこっそりと
レオ
レオ
それから彼は 城に閉じこもり、 花を作り続けた
レオ
何度も失敗を重ね
レオ
レオ
長い時間をかけ、
レオ
完成した花こそ
【スメラルド】
彼は庭園をスメラルドの花で いっぱいにした
何とも言えない美しい青色
誰も見たことが無い程に 綺麗な花
庭園は綺麗な青一色だった
レオ
レオ
いくら待っても あの子は来なかった
レオ
ルナの幸せを願って作った花
何日待っても、、
レオ
レオ
心配になった彼は また、マントを羽織り 村へ下りて行った
いつもの場所
2人にとって心が和む場所
レオ
おじいさん
レオ
おじいさん
おじいさん
おじいさん
レオ
おじいさん
レオ
レオ
おじいさん
綺麗な花々が咲き乱れる中
そこにあったのは
レオ
花に囲まれた墓
あの子の名前が刻まれている
目眩がする。 目の前の物が白黒反転して、
何も考えられなかった
おじいさん
おじいさん
おじいさん
おじいさん
おじいさん
レオ
レオ
おじいさん
おじいさん
レオ
おじいさん
おじいさん
おじいさん
おじいさん
おじいさん
おじいさん
レオ
何度呼びかけても
あの笑顔で応えてはくれない
レオ
レオ
何よりも守りたかった
青い花を摘む小さな手を 握りたかった
レオ
レオ
レオさんへ
ごめんなさい。
僕は永くないんです。 待ってる事も出来なくなるかも 知れません。
実は、あの花は、 皆が嫌うお城から 盗んできた物です。
盗んだ物を売るなんて、 僕は最低です。 でも、貴方が来てくれる事が 嬉しくて嬉しくて 堪らなかった。
あんなに優しく、 接してくれるのも、 笑ってくれるのも、レオさんが 初めてでした。
マントの奥から見えた 貴方の顔は、何よりも優しく 温かい人だと分かりました。
でも、どこか寂しそうで、 悲しそうで、 「僕と同じ様な人なのかも」 そう思いました。
今まで、辛くて、寂しくて、 悲しくて、早く死にたいって 沢山思って、それなのに 死ぬ勇気すら僕には無くて、
でも、レオさんのおかげで 生きたくなって、 また明日も会いたいって 思うようになりました。
死にたくない。 でも、神様は近い内に 僕を連れて行きます。
だから、お願いがあります。
生まれ変わったら、 僕と一緒に生きてくれますか?
貴方のそばに いてもいいですか?
その優しい手で、 抱きしめてくれますか?
レオさんが分かるように 僕はまた、花を売っています
それを見て、 思い出して欲しいです
今度はずっとそばにいたい
大好きです
ルナより
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
レオ
こうして彼は去っていった
数年後
彼は、初めて恋したあの子と 同じ
手の届かない 架空の世界へ行った
スメラルドの花は 彼の庭園でしか咲くことは無く 彼が旅立ってからも咲き続けた
16世紀
貴族1
レオ
貴族2
レオ
貴族3
貴族3
レオ
ルナ
ルナ
貴族1
ルナ
レオ
レオ
貴族2
レオ
貴族3
ルナ
レオ
レオ
ルナ
ルナ
レオ
レオ
ルナ
レオ
ルナ
ルナ
伝えられなかったこの言葉
今なら言える
レオ
コメント
6件
え、天才ですか? 話が最高すぎる!!!
…最高👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻👏🏻