上村
あんな小さいことで
ここまで変わってしまった
俺が小学4年生なって半年がたった頃
アレが起こった
先生
先生
先生
クラスメイトたち
上村
花村さんというのは俺の初恋の人で
可愛らしくてみんなの人気ものだった
そうこれが俺が俺じゃなくなった日。
原因は
嶋草
こいつ。
しまくさ ゆうと 嶋草 優翔
俺を俺じゃ無くした人。
嶋草は所謂一軍見たいな、クラスの中心的な存在だった
それに対象的な普段から外で遊ぶのが苦手でずっと本を読んでる俺
俺の名前が出るのはすぐだった。
嶋草
上村
その時クラスメイト全員が俺に視線を寄せた
驚いてる人もいれば、嶋草の言葉に信じきってるような顔で睨みつけてくる女子
勿論俺はやっていない
大体好きな人にそんなことをする訳がない
やったやつを俺は許せなかった
クラスメイトたち
クラスメイトたち
クラスメイト(女子)
クラスメイト(女子)
クラスメイト(女子)
先生
上村
上村
証拠がないじゃないですか! とか なんで俺と決めつけるんですか? とか
たぶん今までの俺だったら言えただろう
だけど
クラスメイト全員が俺だと決めつけて
クラスメイト全員が俺をバカにして
声を出そうとしても、反射的に出た、「えっ」としか声が出なかった
廊下の人
廊下の人
廊下の人
廊下の人
上村
上村
ここでも声は出なかった
出せなかった
もうここまで来たら悪者になってやろうかと思った
ここでみんなに
先生に
親に、
反発しても、なにも変わらないと思ったからだ
上村
上村
溢れ出しそうな涙をぐっと堪えて俺はそう決めた
上村母
先生に俺がやりましたと伝えたら
すぐ花村さんの親と俺の親が学校に着た
上村母
俺は母さんは深々と頭を下げていた
ごめん母さん
俺が外に出て、友達も普通に作っていたら
こんなことにはならなかったのにと俺は母さんに謝りたかった
でもそんなことをしたら、
みんなを混乱させる
だから、
俺が我慢すればいいんだ
俺だけの気持ちを殺せば全部上手くいくんだから
これでいい
家に帰ると母さんはすぐに父さんに話をしていた
この時点で俺の居場所はなくなっていたんだ
上村
その日の夕飯はなかった。
それから俺は
泣きながら学校に行った。
自分の本当の気持ちを殺して
でもそんな苦労も1週間ぐらいで無くなったんじゃないかな。
"アレ"があって、1週間経つと俺の本当の感情と言うものはなくなっていた
忘れていた
俺は"花村さんの上履きに画鋲を詰めた人"として生きていた
でも、いくら本当の感情が無くなったって
俺は毎晩気がつけば泣いていた
本当の感情なんか思い出せないのに
でも4年生の2月上旬
貼っていた糸がぷつんときれた音がした
特別な事なんて何も無かったのに
その昨日なんて感情を押し殺して学校に行ってたのに
それから俺は学校に行かなくなった
勿論両親に怒られた
俺は一人っ子だから見捨てたりはしなかったけど
上村母
上村母
母さんは酷く怒鳴っていた
俺は言葉は発さず、 というか
発せなかった
長い間口を固く閉じてたし、自分の感情なんか忘れてたから
上村母
上村母
上村
上村母
学校って単語を聴いたら意識が朦朧とした
後から聴いたけど俺は倒れたらしい
原因はストレス
多分自分の感情を殺してずっと我慢してたからだろう
上村母
目が覚めると母が泣いていた
自分でも何がおこっているのかも分からなかった
小4の俺には母が泣いていることぐらいしか分からなかった
上村母
オレが目を覚めたことに気づいたのか母が目を見開き俺の名前を読んだ
上村母
上村母
上村母
その言葉で俺は母に学校という言葉を言われて全身が震えたのを思い出した
上村
上村母
上村母
上村
久しぶりに優しい言葉をかけてくれてとてつもなく嬉しかったのを覚えている
久しぶりに人間らしい感情になったんだから
俺はすぐ退院出来て、家に帰ってきた
けど、
上村
俺は思わず立ち尽くした
上村母
上村
俺は少し顔をあげた
それに気づいたのか母が続けて話した
上村母
母は俺の今後のことを考えてしてくれているんだと嬉しかった
でも、俺が殺した感情はそう簡単には戻らなかった
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