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コメント
13件
はいエグすぎ神作品!
んー最高だす👍🏻
―碧視点―
目が覚めた
……どうして起きたのか、自分でもわからない
ただ、胸が苦しかった。息が浅くて、眠りが浅くて、夢か現実かわからないまま瞼を開けた
天井は見慣れない
布団の温度がどこか落ち着かない
だけど、それ以上に――
「ひとりでいる感じ」が怖かった
ほんの数時間前、俺はこの人に拾われた
見ず知らずの男に
危険だってわかってたのに、なぜか安心した
気づいたら、足がベッドを出ていた
廊下の先から、小さな明かり
タバコの匂いが、ほんの少し漂っていた
リビングの戸口まで来て、そっと顔をのぞかせる
隼人は、ソファに座っていた
窓の外をぼんやり見つめて、手元には火のついたタバコ
その煙が、ゆっくりと昇っていた
一瞬、声をかけるのをためらう
だけど、ほんの少し体を動かしただけで――
隼人
隼人の低い声が、すぐに返ってきた
碧
隼人
ゆるく笑って、灰皿にタバコを押しつける音がした
赤く燃えていた先端が潰れる瞬間を、なぜかじっと見てしまった
隼人
碧
そう言ったら、隼人は黙って自分の隣のソファをぽんと叩いた
隼人
碧
隼人
碧
隼人
碧
隼人
碧
言ってから、しまったと思った
少し失礼だったかもしれない
でも、隼人はクスッと笑っただけだった
隼人
一拍の沈黙が流れた
でも、それは気まずい空気じゃなかった
ただ、静かな夜の温度だった
碧
俺は、思わず呟いていた
ソファの端に座って、隼人の隣にいるだけなのに
ずっと家の中で感じていた緊張感が、少しずつ抜けていくような気がした
隼人
碧
隼人
碧
そう言ったとき、隼人の目がほんの一瞬だけ、真面目になった気がした
でもすぐに、いつもの薄い笑みに戻った
隼人
碧
隼人
碧
でも、それが本当のことかどうかは、自分でもよくわからなかった
―隼人視点―
隼人
そう言ったのは、ただの軽口だった
なのに、碧は真っすぐ俺の目を見て、迷いもなく答えた
碧
強がりか、本気か
どっちでもいい
でも、その目は――やけに澄んでて、ちょっとだけ胸がざわついた
ソファの端っこに座る碧は、肩にかかったタオルから、まだ湯気みたいな温もりを放っていた
ぶかぶかのTシャツの袖からのぞく腕は細くて、やわらかそうで、さっきの痣がふっと頭をよぎる
(……痩せてんな)
気づけば、手が動いてた
肩にかけてやろうとか、髪の水気を拭いてやろうとか――
そんな大義名分は、あとからくっついてきた言い訳だ
ただ、触れてみたかった
指先が、タオルの端に触れそうになった瞬間
碧が、ゆるく瞬きをした
その視線が、俺の手に落ちた
……やめた
タオルを掴む直前で、指を引っ込めた
代わりに、缶コーヒーを掴んで口に運ぶ
隼人
碧
短いやり取り
でも、俺の頭の中は妙にうるさかった
触れたら――たぶん、戻れなくなる
だから、今はやめとく
そのはずなのに、妙な欲が、喉の奥でくすぶってた
碧は立ち上がって、廊下に消えていく
足音が遠ざかるのを聞きながら、俺は思った
(……惚れんなよ、じゃねぇな)
惚れるのは、きっと――俺のほうだ
だいふく
だいふく
だいふく
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