あれから“翔太と私が手をつないだ”って噂が広まってきっと普通のカップルなら当たり前の光景なんだろうけどなんせあんな塩っけたっぷりの翔太だから
渡辺くん、どうしたの?
○○
なーんか急に変わったじゃん
嬉しそうにそう言う友だちは興味津々な様子。私にとってはあれが普通の翔太なんだけどな〜、なんて思いながら
あっ噂をすればご本人登場
ずれた視線を追いかけるように振り向くとポッケに手を突っ込んでいる翔太が立っていた
○○
渡辺翔太
早く行っておいで、と背中を押されるとぶつかりそうになって不意に彼の腕を掴んだ
○○
渡辺翔太
さりげなく繋がれた2人の手 あれから翔太は学校でも躊躇なく手を繋ぐようになった 周りの視線に恥ずかしさもあるんだけどやっぱり嬉しくて
○○
渡辺翔太
○○
うちの高校にある大きな食堂は昼休みに多くの生徒が集まる場所でこんな所に2人で来ることなんて絶対にないと思ってたのに 最近はここで一緒にお昼ご飯を食べることが日課になっていた
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
私の食べようとしていた卵焼きを奪い取って食べた翔太 不意に周りを見るとまた見られてるなって思ったり
噂は嫌でも回ってくる 私に向ける笑顔とか照れた顔とか、かっこいいと話題のようで きっと私たちを見ている女の子達もそうなんだろうな
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
そんな事を知らない翔太は普通に聞いてくる
私しか知らなかった翔太の顔 もうそれは私だけが知ってるものでは無くなってしまったようで なんだか寂しい気がしてしまう
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
○○
きっと何かを感じとった彼 こんな小さいことで悩んでるなんて恥ずかしくて言えない
渡辺翔太
○○
少し変な空気が流れて、お互いの教室に戻った 午後の授業なんて全然集中できなくて 考えるのは翔太のことばかり 私のために変わってくれた翔太を 否定してしまっているような気がして
渡辺翔太
あっという間になった放課後 迎えに来てくれた学校を出るといつもの2人だけの道
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
長い1本道に私たち2人だけ 急に立ち止まった彼が私の前に立つと ちょっと赤くなりながらもしっかりと見つめて
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
翔太にこんなに困らせた顔させちゃってなんでも素直に話せる翔太に私も思ってることちゃんと伝えないといけない
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恥ずかしさなんて捨ててもう全部言っちゃうしかない
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渡辺翔太
○○
渡辺翔太
思ったこと全部話したらめっちゃ笑われて 何これって言わない方がよかったかも
渡辺翔太
○○
渡辺翔太
○○
白い歯を覗かせると、帰ろ、と言ってまた手を引かれる 言わない方が良かったかも、なんて思ったけどいざ本音をぶつけると彼との心の距離も縮まった気がした
渡辺翔太
○○
翔太とずっと笑ってたいの___
少し悩みを打ち明けると少しは良かったなんて思える時がくるかも、
それはもちろん貴方が好きだから素直にいえるの
ありがとう
翔太
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