テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
主
主
主
主
主
主
赤
青
桃
橙
紫
俺はあの日
医者になると決めた
あの日
土砂降りの雨の日
空っぽになった心臓みたいに静まり返った
緊急処置室で
俺は
ただ
立ち尽くしていた
金色の非常灯が滲んで見えたのは
自分が泣いていたせいだって
後から気づいた
モブ
モブ
赤
処置室の真ん中には
白いシーツがかけられた小さな身体
そう
青ちゃんだった
赤
桃
橙
黄
紫
震える声で言って見たけど
返事はなかった
大人たちは言った
モブ
モブ
でもそんなの何も救ってくれなかった
“どうしてもっと早く気づけなかったの?”
“どうして俺は何もできなかったんだ”
どうして?
そう
責める声で
頭が壊れそうになった
赤
赤
赤
マイクに触れられなかった
音楽が怖くなった
メンバーの顔も見るのも
心が苦しくなった
それでも
それでも__
今でも覚えてる
青ちゃんが最後に言った言葉
赤くんがさ、お医者さんになったら
それって僕の夢にもなるんじゃないかな
って
へへ
なんか馬鹿みたい笑
そう
青ちゃんは二度と治らない病気だった
医者たちは口を揃えていったんだ
今は治せる治療法がない
だったら
だったらっ!
俺が
俺が見つける
青ちゃんは笑っていた
痛くて苦しくて、
泣いていたくせに
それでも
俺の夢を応援してくれた
俺は
あの笑顔のために
“命に向き合う側”
に立つことを決めた
あの日からグループの時間は止まった
青ちゃんの死をきっかけに
でも誰も
「解散しよう」
とは言わなかった
ただ
6人で歌う曲が
永遠になくなってしまったんだ
懐かしまじりに青ちゃんとのメールを見返す
今日のパン美味しすぎて今これ🍞
でも赤くんがいたらもっと美味しい🍞
照れるじゃねぇか🐶
こんなふうに何気ないやりとりで笑っていたのに
赤
赤
スマホを抱えて
静かな部屋で1人声を殺して泣いた夜は
数えきれなかった
黄
スタジオで再会した時黄くんの瞼が腫れていた
赤
黄
赤
赤
赤
黄
それ以上何も言わなかった
ただピアノの前に立って
青ちゃんが好きだったメロディーを
引いていた
紫
紫ーくんがそう言った時
俺は少し黙って
でもしっかり頷いた
赤
赤
赤
赤
紫
紫
紫
紫
赤
紫ーくんの目を少しだけ赤かった
橙くんは何も言わなかった
ただ俺の肩を叩いて
橙
橙
赤
桃くんは
桃
って拗ねたふりして
最後に俺の頭をわしゃわしゃ撫でてくれた
桃
桃
桃
桃
そして俺たちは
活動休止ではなく
無期限活動休止という形で幕を下ろした
最後のらいぶ
俺たち6人が揃った写真をスクリーンに写した
、
青ちゃんが満面の笑みでピースしてる
会場中が泣いていた
俺は、涙を堪えてマイクを持ち
赤
赤
赤
赤
赤
赤
そう言った後
ずっと貯めてた涙が溢れた
主
主
主
主
主
主
主
主
主