作り笑顔の上手なあの子

大地視点

初めてスガと会った時 「綺麗、美しい」という言葉が 当てはまると思った

それをMOBに話すと男相手に 何言ってんだと笑われたが 本当にそう思ったんだ

薄い灰色の髪に太陽がキラキラ 反射してスガは笑った

ただそれを見て俺は思った

"違う"

心からの笑顔じゃない

"笑ってるのに笑ってない"

毎日、いつもいつも

笑っている仮面をつけている

理由も何も知らない

でも大丈夫と言った笑顔はとても 見てるこっちも辛くなるぐらい 苦しそうで……

スガ、？なぁ

話してくれよ、？

母さんが叫んでアイロンを 俺の顔めがけて振り下ろした 反射的に避けてアイロンが 俺の肩に当たる

ジュッ！

痛い、怖い、熱い、体が動かない 恐い、嫌だ、辞めて、お願い…

その後は動きにくい体を必死に 動かして逃げ回った

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

疑問に思った

あれなんで俺生きてんの？

必要とされるわけじゃない

希望も夢もない

友達と呼べる人もいない

"隣"と言われて 思い浮かべる人もいない

ただ死ねと言われて殴られる

それで自分で自分の事を刺しては 苦しくなる毎日。なら

死んでもよくね？

そう気づいてしまったから…

死にたいしか考えられなくなった

だから死ぬことにした

あの後もずっと考え続けてた

何か心残りはないかって でもダメだった

空っぽで取り繕ってた俺の中に 心残りや大事なものなんて ひとつも無くて

どれだけ考えてもただ苦しい 開放されたいしか思いつかなくて

そんなんで死ぬとか馬鹿だろ？w でも俺には無理だった。

もういい。笑われたって何でもいい

だからもう逃げたい

自分に対しての嘲笑が込み上げる

もう、いいか 早く早く早く早く早く早く早く早く 飛んでしまおう(逃げてしまおう)

足がすくんで動かなくなる前に