黒魔女
うちの会社って……
黒魔女
どういうことでしょうか?
妖精
申し上げるべきかどうか、迷っていたのですが……
妖精
現在、株式会社サイバードアズのCEO及びCOOを兼任しております。
妖精
分かりやすく言うと、人間界での私の顔です。
黒魔女
(IT社長じゃねーかぁぁぁ❗️しかも売上数兆円規模の……❗️)
黒魔女
ということは……あなたがあの有名な、堀藤社長ですか?
妖精
いえ、彼は表向きの社長です。
妖精
あの会社の事実上の経営権を握っているのは私、ということになりますね。
黒魔女
(別人だとしても、どのみちお前は人間ってことになるだろw)
妖精
流行りの宇宙開発に手を出してみたのですが、あっさり成功しましたね〜。
妖精
まあ、このテの事業はアメリカでは既にやり尽くされているんですよ。
妖精
日本が遅れてるだけです。
黒魔女
(日本が遅れてるだけ……)
黒魔女
(もはや妖精とはかけ離れた発言だな)
黒魔女
すごい肩書きをお持ちなんですね……!
妖精
人間界では便利ですが、妖精界では肩書きなど何の意味もありません。
妖精
黒魔女さんだって、幾多にも渡る修羅場を潜り抜けて来られたのでしょう?
妖精
魔女狩りや魔女裁判。異端審問。魔女というだけで迫害され、これまでさぞ多くの修羅場をご経験されたはずです。
黒魔女
(いや、魔女狩りとか、逃げるの意外に簡単だったし)
黒魔女
(このトーク面接の方がよっぽど修羅場なんですけど💀💀💀)
黒魔女
黒魔女
まぁ……そうですね。
妖精
我々と手を取り合い、これからも妖精界と魔法界を盛り上げていきましょう!
黒魔女
(マイ設定盛り過ぎだ。お前は)
黒魔女
妖精さんのお気持ちは分かりました。
黒魔女
(今回も合格にすべきか、否か……)
この規格外過ぎるIT妖精を塾生に迎えてもよいものか、私は迷っていた。
妖精が次の一言を放つまでは。
妖精
ところで黒魔女さん。火星への移住に興味はありますか?
妖精
黒魔女
え……❓
黒魔女
火星❓❓❓
妖精
取引をする以上、私もそれなりのものを用意しました。
妖精
我が社は今後、火星への移住プロジェクトを進めます。
妖精
私を魔法少女にしてくださるなら……
妖精
あなたに、移住権を差し上げます。
妖精
黒魔女
黒魔女
合格💮❗️
妖精
ふふふ……
妖精
取引成立ですね。
塾生番号002:妖精。(人間界では宇宙開発をやっているIT社長)
合格の理由は、火星への移住権だった。