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翌朝、教室にて 教室に朝のざわめきが広がる 窓から差し込む光が、机の上を静かに照らしていた
颯真はいつも通り、窓際の席に座っていた ノートを開いて、ペンを持っているけれど、ページは進んでいない。
そこへ、大翔が教室に入ってくる 颯真の席の隣まで来て、少しだけ立ち止まる。
大翔
颯真
颯真は顔を上げずに、短く返す。
大翔は椅子に座りながら、ちらりと颯真の横顔を見る 颯真は、何も言わずにノートに視線を落としたまま
大翔
颯真
大翔
颯真
会話は続いている でも、どこかぎこちない。 言葉の選び方が、少しだけ慎重になっている。
大翔は机の端に肘をついて、頬杖をつく。
大翔
颯真
大翔
颯真は、ペンを止めて、ちらりと大翔を見る 目が合った瞬間、二人とも少しだけ目をそらした。
チャイムが鳴る 教室がざわつき、先生が入ってくる。 二人の間には、まだ昨日の“あの距離”が残っていた。
数学の時間 黒板に数式が並ぶ。 先生の声が淡々と響く中、生徒たちはそれぞれノートにペンを走らせていた。 颯真は、いつも通り真面目にノートを取っている。 でも、時折ペンが止まり、視線が前ではなく、隣の席に向かう。 大翔は、片手で頬杖をつきながら、ぼんやりと黒板を見ている。 ノートは開いているけれど、ページはほとんど白いまま。
先生がふと、問題を指して言う。
先生
教室が少しざわつく。 大翔はゆっくり顔を上げて、黒板を見つめる。
大翔
ペンを持つ手が、少しだけ震えている 隣で颯真が、ため息をつくように小さくつぶやく。
颯真
その声は、聞こえるか聞こえないかのギリギリだった。 でも、大翔には届いていた。
大翔は、ちらりと颯真を見る 颯真は目を合わせず、ノートに視線を落としたまま。
大翔
先生
大翔は、少しだけ笑う 隣の颯真に向けて、声を落として言う。
大翔
颯真は、ペンを動かしながら、ぼそりと返す。
颯真
その言葉の端に、ほんの少しだけ柔らかさが混じっていた。 大翔は、それに気づいていた。 そして、何も言わずに、静かにノートを開き直した。
昼休み、屋上の風が、二人の髪を揺らす。 大翔はフェンスに背を預けながら、ふと笑う。
大翔
颯真は、缶コーヒーを飲みながら、無言で横目を向ける。
大翔
颯真
大翔
その言葉に、颯真の手が止まる。
大翔
風が吹く 颯真は、少しだけ目をそらして言う。
颯真
大翔は、静かに笑う。
大翔
颯真は缶コーヒーをもう一口飲んで、空を見上げる。 雲がゆっくり流れている。 その視線の先に、大翔の言葉が重なる。
大翔
颯真は、少しだけ眉を動かす。 でも、何も言わない。
大翔
颯真
大翔
颯真は、缶を持つ手を膝の上に置いて、静かに言う。
颯真
大翔
二人は、少しだけ笑う。 大翔は、フェンスから離れて、颯真の隣に腰を下ろす。
大翔
颯真
大翔
颯真は、横目で大翔を見る。その目は、少しだけ柔らかい。
颯真
大翔
風が吹く。 缶の中の残りが、カラリと音を立てる。 颯真は、何も言わずに空を見上げた。 でも、その頬が、ほんの少しだけ赤く染まっていた。