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言葉に詰まる俺を見てか、
紫が青の首根っこを掴んだ。
心配そうにこちらを窺う紫に
周りの人ほど強火ではなさそうだと安堵する。
桃がカバンから俺の弁当包みと同じものを取り出し、
俺の手を引いた。
手を引く桃につられて来たのは、
少し校舎と離れた位置にある 寂れた教室…の様な部屋
この学校自体古くからあるようで、
ここは昔、追試験場や補習などに使われていた別建ての教室なんだとか。
校舎内の人の目に付かない窓を選び、換気をする桃を横目に
先程くれた弁当を広げる。
適度な焦げに、水分を出さない食材選び、
彩り、料理の詰め方、
…どこかで、見た事のある弁当の内容。
懐かしそうに微笑みながら、 俺をみる。
懐かしそう…いや、 どこか寂しそうに、
俺の弁当を持つ手を撫でる。
まるで理解し難いとでもいう桃の顔に
こちらもこちらで理解出来ず思考が停止する。
…何を言っているんだコヤツは。
珍しく声を張り上げて食い下がる桃に
こちらも負けじと声を出して反発する。
弁当なんかそっちのけで、
喧嘩とも言いがたい言い合いをお互いの言葉に被せてぶつけ合う。
前まで、結局は体目的なのかとか、
ただ俺の顔がタイプなのかとか 悶々と考えていた故に
今ここで誤解だなんて 分かってしまったら、
これまでの傷心が無駄になる気がして。
自分の気持ちに蓋をして、 一方的にお別れをしたのが
全部全部無駄になる気がして。
これはただの俺のプライドだ。
「本当は赤の事好きじゃなかった」
って、言って欲しいけど 言って欲しくなくて。
無意識に溢れる涙を皮切りに
自分の感情の制御が効かなくなるのが分かる。
ダメだ、泣いてちゃ。
もう、吹っ切れたのに。
不意に、引き寄せられる体。
昔の感触が、蘇った。
再度桃によって引き寄せられた頭は
2度目のキスへの誘導だった。
流石に急展開すぎかなぁ?!т т