誰にだって忘れられない瞬間がある
忘れたくない時間がある
俺はいつもそれを待っている
あのときのあの瞬間を
結城 望
んぱい…
早瀬 樹
(俺にとっての忘れたくない時って…)
結城 望
先輩っ!!!
早瀬 樹
わっ、ビックリした。
早瀬 樹
どうした?
結城 望
何回呼んだと思ってるんですか。
早瀬 樹
ごめん、ボーッとしてた笑
結城 望
笑えないんですけど!
早瀬 樹
ごめんごめん、なんだった?
早瀬 樹
なんか分からないことあった?
結城 望
今日、新入社員歓迎会らしくて、先輩出欠まだ出してないから。
早瀬 樹
あぁ。
早瀬 樹
悪いな、忘れてた。
結城 望
もちろん行きますよね???
早瀬 樹
えーっと。
早瀬 樹
(人の多いところは苦手なんだよな。)
結城 望
わたしの歓迎会ですよー。
結城 望
指導役が来ないと、始まらないじゃないですか!ってことで出欠にしとくんで!
早瀬 樹
え、あぁ。
花岡 結月
あぁ、また勝手に決められちゃったみたいだけど笑
早瀬 樹
いたなら助けてくれよなぁ、
早瀬 樹
俺苦手なんだよ。
花岡 結月
自分でなんとかしろ!
花岡 結月
あ、そういえば、
花岡 結月
栞、帰ってきてるみたいだよ。
早瀬 樹
え。
早瀬 樹
(懐かしい名前に)
早瀬 樹
(俺は嬉しさを覚えた)
花岡 結月
会いに行かないの?
早瀬 樹
え?
花岡 結月
もしかしてまだ…
結城 望
なんの話ですか!?
花岡 結月
びっくりした。急になに!
結城 望
わたしも仲間にいれてくださいよー!
早瀬 樹
はいはい、仕事に戻りな。
結城 望
そうやってすぐ隠そうとするー。
早瀬 樹
いいから!はいはい!
会いたいと素直に思った。
そして知りたかった。
あの時どうして 突然消えてしまったのか。
青木雄大
栞さん、荷物もちます!
高野 栞
いいの!私が持ちたくて持ってるだけだから😊
青木雄大
でも!!
高野 栞
こっちに来たからには私たちはただの同期!
高野 栞
それから、
高野 栞
栞でいいよ!
青木雄大
いや、それはハードルが高いというか…💦
高野 栞
約束ね!
青木雄大
強引すぎます!
高野 栞
そういう性格なの😊
高野 栞
仕方ないのさ~。
青木雄大
まったく。
高野 栞
にしても…懐かしいなぁ。
青木雄大
あの、
高野 栞
ん???
青木雄大
今まで聞けなかったんですけど、
どうして日本を離れてたんですか?
どうして日本を離れてたんですか?
高野 栞
なんで??
青木雄大
え、いや、
高野 栞
なんで、今まで聞けなかったのにいま、聞こうと思ったの??
青木雄大
えっと…
青木雄大
今までは日本でなにか嫌なことがあったのかと思って、聞けなかったんです。
青木雄大
でも、
高野 栞
でも??
青木雄大
でも、飛行機を降りて景色を見渡しているときの栞さんの表情が明るくなったからです。
青木雄大
きっと、ここには素敵な思い出があったんじゃないかなって。
高野 栞
なるほどね。
高野 栞
じゃあ、行こっか。
青木雄大
え!
青木雄大
教えてくれないんですか?!
高野 栞
楽しみなくなっちゃうでしょ??😊
青木雄大
どういう意味ですか?
高野 栞
これから日本で見つけてみて
高野 栞
私の素敵な思い出。
青木雄大
難しいですよ!!
高野 栞
分かったら聞かせてね☺️
高野 栞
それからさっきから敬語!
高野 栞
禁止だってば!
青木雄大
わかりま…。
青木雄大
わかった。
高野 栞
よしっ!
高野 栞
じゃあ行こう!
ほんとは一番に会いたい人がいる
でも、
会えない。会っちゃいけない。
会ってしまったら私は
止められなくなるから。
高野 栞
お久しぶり、今日なんだけどちょっと遅れそう。
花岡 結月
仕事?
高野 栞
引っ越しの荷物がまとまらなくて…💦
花岡 結月
ごめんね?無理に栞の家行きたいなんて言っちゃって!
高野 栞
全然!それは大丈夫😊
花岡 結月
じゃあ引っ越しの片付け手伝うよ!
花岡 結月
お邪魔させてもらうわけだし!
高野 栞
え?いいの?!
花岡 結月
うん!
高野 栞
助かる~!
高野 栞
じゃあ待ってる!
花岡 結月
はーい!
本当のことを知りたかった。
どうしてあの時、
急に消えたのか。







