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rara🎼
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ
rara🎼
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2 休み時間、ふたりだけの距離
午前中の授業が終わった瞬間、廊下から弾けるように賑やかな声が教室まで響いてきた。
チャイムの音と共に椅子が引かれ、生徒たちがそれぞれの“休み時間”へと移っていく。
ざわめきの中、こさめは教室の隅、自分の席でノートを開いたままじっとしていた。
けれど、ペンは動かない。
視線は教科書の上を泳ぎ続け、ページの内容はほとんど頭に入ってこなかった。
────なつくん、今日も来てくれたらいいのに
そんなふうに考えている自分に気づいて、頬を軽く押さえる。
屋敷ではいつも一緒にいるのに、学校に来ると、なぜだか“距離”を感じてしまう。
ここでは、なつは執事ではなく、ただの“同級生”として振る舞うから。
こさめにとって、それは少しだけ寂しくて、でもどこかくすぐったい感覚でもあった。
────がらり。
教室の後ろのドアが、静かに開いた。
誰かが入ってくる足音。
こさめは顔を上げるまでもなく、すぐにその気配が誰かを察する。
なつ
なつ
やっぱり。
聞き慣れた、少し低くて、でも耳に優しい声。
顔を上げると、なつが掲示板の前に立ちながら、さりげなくこちらを見ていた。
こさめ
なつ
なつ
なつは教室の後ろをゆっくりと歩きながら、こさめの隣の席に腰を下ろす。
けれど、その表情にはどこか“いつも”の顔が張り付いていて、執事ではなく、ただのクラスメイトのような素振りを崩さない。
それが少しだけもどかしくて、でもこさめは嬉しそうに口元を緩めた。
なつ
こさめ
こさめ
なつ
なつ
こさめは小さく頷く。
こうして自分のことを気にかけてくれるのが、たまらなく嬉しい。
けれど、それをまっすぐ言葉にするのは、やっぱり少しだけ怖くて────
だから代わりに、ほんの少し長くなつを見つめてみた。
なつ
なつ
こさめ
こさめ
ほんの一瞬だけ、なつの視線が揺れた気がした。
けれどそれはすぐに消えて、なつはすぐに立ち上がった。
その背中を、こさめは見送る。
胸の奥が、少し暖かい。
同じ頃。
らんは黒板の前に立っていた。
誰もいない教室。
窓から差し込む光の中で、開いた問題集を片手に、隣に立ついるまと一緒に数式を見つめている。
らん
いるま
いるま
らん
いるま
いるま
その言葉は決して意地悪ではない。
むしろ、らんの苦手なところをちゃんと理解してくれているのが伝わってくる。
らんは軽く笑って、問題集のページをめくった。
らん
いるま
らん
らん
自然に交わされる言葉の中に、互いへの信頼が滲む。
会話は淡々としているのに、その奥には積み重ねてきた時間の重みが感じられた。
しばらく沈黙が続いたあと、いるまがふと目を伏せて言った。
いるま
らん
らん
いるま
いるま
そう言ったいるまの声は、普段より少しだけ静かだった。
らんは何も言わず、ただ隣で笑って頷いた。
一方、みことの教室では。
休み時間になっても、みことは机に突っ伏したままだった。
どこかぼんやりとして、教室の賑やかな声も遠くに聞こえた。
────すっちー、来てくれたらええのになぁ
そう思った瞬間、背後から聞き慣れた声が届く。
すち
みこと
みことが勢いよく顔を上げると、教室の後ろで、すちがこっそりと手を振っていた。
いつもの整った制服姿。
けれど、屋敷にいる時よりも少し砕けた、柔らかい笑みを浮かべている。
すち
すち
みこと
すち
すち
すちの提案に、みことの顔がパッと明るくなる。
みこと
みこと
すち
みことが笑うと、すちも釣られるように笑った。
二人を見ていたクラスメイトの何人かが、ひそひそと話しているのが聞こえたけれど、みことは気にしていない。
ただ、そばにいてくれることが嬉しいから。
そして、昼休み。
中庭のベンチには、三兄弟と“偶然居合わせた”クラスメイトたちが、自然な形で集まっていた。
こさめ
こさめ
らん
みこと
こさめ
らん
みこと
こさめ
そんな賑やかな会話の中にも、ふとした“視線”が交差する。
こさめは、誰にも気づかれないようにそっとなつを見つめ────
みことは、すちの笑顔に安心して目を細め────
らんは、何も言わずにいるまの目を見るだけで、心が落ち着いた。
六人が揃うこの場所には、まだ名前のつかない感情が、静かに、けれど確かに芽吹き始めていた。
第2話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡30
rara🎼
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コメント
2件
今回も最高でした! こういうほのかな青春めっちゃ好きです! ♡1000押させていただきました!