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西崎美乃里
おーはーよーー！
説明
遠くからうるさい女の子が、周りの目を気にしないで、こっちに走ってくる
西崎美乃里
はあ···はあ···
西崎美乃里
また、寝坊しちゃった！
西崎美乃里
でも今度は追いついたからね！
谷口和也
そりゃ俺が立ち止まってお前を待ったからだよ
西崎美乃里
えええ、まるでわたしを無視するつもりだった様な言い方じゃん！
西崎美乃里
和也のいじわる！
谷口和也
そりゃ、変なお前を見たそこら辺の人に俺達がカップルかその類だと思われたくないし
西崎美乃里
はい、はい
西崎美乃里
でも結局、私を待っててくれたんでっしょ
西崎美乃里
いじわるしたくてもできないんだね〜
谷口和也
何とでも言っとけ、美乃里
西崎美乃里
えへへ〜
説明
2人は道を渡り、学校へ歩みを進める
説明
学校に近づくと、通学路には他の生徒の姿が徐々に増えていく
西崎美乃里
ところでさ、和也···
西崎美乃里
まだ入る部活は決めてないの？
谷口和也
部活？
谷口和也
部活は興味ないって前から言っていたはずだけど
谷口和也
それに探してすらいないよ
西崎美乃里
えぇぇぇ、そんなぁ！
西崎美乃里
今年は部活に入るって言ってたじゃん！
谷口和也
え、言ったかな？
説明
和也は美乃里をぞんざいに扱うことが多く、いつかの会話の中でそう言ってしまった可能性は十分にある
説明
アニメやゲームを謳歌する和也の普通の生活を、美乃里は心配しすぎる節がある
西崎美乃里
ああ、もう！
西崎美乃里
私は和也が大学に行く前に社会性もスキルも身につかないんじゃないかって心配なの！
西崎美乃里
和也の幸せはわたしにとっても大事なんだから！
西崎美乃里
今は楽しくやっているみたいだけど、数年後世間に馴染めずニートになっている姿を想像するだけで私死んじゃいそう！
西崎美乃里
ちゃんと言うことを聞いてくれる？
西崎美乃里
私を心配させ続けないで···
谷口和也
わかった、わかった·····
谷口和也
そんなに言うなら、いくつか部活を見てみるよ
谷口和也
約束は出来ないけどね
西崎美乃里
少しは努力するって約束してくれる？
谷口和也
まあ、それくらいなら
西崎美乃里
やった〜！
説明
どうして和也はこんな呑気な美乃里に説教されているんだ
説明
それどころか、和也は自分でもこうやって従ってしまう事を驚いている
説明
普段どおりの学校生活は、いつの間にか終わっていた
説明
和也は荷物を詰めると、少しのやる気を探して壁をぼんやりと見つめていた
谷口和也
部活か·····
説明
美乃里は和也にいくつか見学してほしいようだった
谷口和也
アニメ部から始めてみるか···
西崎美乃里
やっほー
谷口和也
美乃里·····？
説明
和也がぼんやりしている間に美乃里が教室に入って来たようだ
説明
和也は周りを見て教室で残った最後の一人だということに気づいた
西崎美乃里
教室から出るところで声をかけようと思ってたけど、座ってぼーっとしてたから入ってきちゃった
西崎美乃里
正直たまにわたしよりもだらけてるよね·····感心！
谷口和也
部活に遅れそうなら待たなくてもいいよ
西崎美乃里
ちょっとした励ましが必要かなと思って、それに·····
谷口和也
それに·····？
西崎美乃里
わたしの部に来てもいいんだよ！
谷口和也
お前なあ
西崎美乃里
うん？
谷口和也
俺がそこにいくはずないだろ
西崎美乃里
えええええええ！？ケチ！
説明
美乃里は文芸部の副部長をやっている
説明
美乃里が文学に関心を持っていたなんて知らなかったが
説明
実際、部設立の手伝いをするのが楽しそうだからというだけでそこにいると99%思っている
説明
部を提案した人の賛同者だったから、「副部長」の座に就いたみたいだ
説明
それに、和也の文学への関心は美乃里以下だろう
谷口和也
そうか、じゃあアニメ部に行ってくる
西崎美乃里
お願いだから来てくれない？
谷口和也
どうしてそこまで必死なんだよ？
西崎美乃里
ええと·····
西崎美乃里
だって昨日みんなに新入部員連れて来るって言っちゃったし·····
西崎美乃里
それに芽衣ちゃんがカップケーキとか作ってきてるし·····
西崎美乃里
えへへ·····
谷口和也
守れない約束なんてするなよ！
説明
美乃里が本当にアホな子なのかそれとも全部計算づくなのかはわからない
説明
和也は大きくため息をついた
谷口和也
わかった·····カップケーキに免じてよるとするよ
西崎美乃里
やった！よし行こう〜！
説明
そして今日は和也がカップケーキに魂を売った日になった
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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