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レーナ
んんっ…
レーナ
よく寝た…
レーナ
…よく寝た？？？
レーナ
（あれ、私死んだ筈じゃ…）
ララ
お目覚めですか？お嬢様。
レーナ
お嬢様？
レーナ
私が？
ララ
え…はい、そうですけど…
レーナ
もしかして…
レーナ
私の名前ってなんだっけ
ララ
レーナ・ヴィセンテ様に御座います。
レーナ
レーナ・ヴィセンテ…
レーナ
（やっぱり…ここは小説の中なんだ）
ララ
失礼ですが…お嬢様、どこか悪いようでしたらお医者様をお呼びしますよ…？
メイドの様な格好をした女性が 何かに怯えるように尋ねてくる。
レーナ
（たしか…レーナって悪女なのよね）
レーナ
（気に入らない召使いが居たら虐め、挙句の果てには自殺に追い込む…）
レーナ
（中学生が考えそうなシナリオ…）
そう、ここは私が中学生の時に書いた ファンタジー小説、「愛を嘆く者」 の中らしい。
ララ
お嬢様…？
レーナ
…いいの、大丈夫よ。
心配かけてごめんなさいね。
心配かけてごめんなさいね。
ララ
お嬢様が敬語を！？
ララ
本当にどうなさったんですか？
レーナ
（何も無いって言ってるのに…）
レーナ
（でもそれほど暴君だったって事よね）
レーナ
（我ながら…凄いキャラ作っちゃったなぁ…）
ララ
あっ、出過ぎた真似を……！
申し訳ありません…！
申し訳ありません…！
レーナ
気にしないで。（ ふふ
レーナ
それと…今までの事、本当にごめんなさい。
ララ
えっっ、お嬢様…？
レーナ
そんなに驚かないで。私だって心変わりくらいするのよ。
ララ
心変わり…ですか、
レーナ
（そう、私がレーナになったからには絶対死亡ルートを回避して見せるんだから！！！）
ララ
では、失礼します。
何か御用があればお呼びください。
何か御用があればお呼びください。
メイドが出ていく。
レーナ
ふ〜、疲れるわ〜…
レーナ
レーナの死亡ルートをまとめなきゃ
レーナ
ひとつめ、虐めた召使いの親に暗殺
レーナ
ふたつめ、主人公に毒を盛った罪を着せられ断首
レーナ
……何でこんないくつも書いたんだろ私…
レーナ
当時はヒーローの男が1番好きだったんだっけ、
レーナ
えっとたしか……
レーナ
アルビオン・エディル！！
エミール
おっと…どうしたんだ、婚約者の名前をフルネームで叫んで…
レーナ
（この人は…レーナの兄、エミール・ヴィセンテ）
レーナ
お兄様、？
エミール
うん。どうして疑問形なんだい？
エミールが柔らかく笑う
レーナ
（ドキッ
レーナ
（ドキッてそりゃ…イケメンだけど今は兄なのよ…？？）
エミール
悪い夢でも見たのかな？
エミール
ララが「レーナ様が心変わりなさったんです」って大騒ぎだったよ
エミール
一体どうしたんだい？
レーナ
（たしか家族が1番レーナに困らされていた気が…）
レーナ
お兄様、今までごめんなさい。
レーナ
我儘を言ったことも、無理を言って騎士団を一時的に抜けて頂いてしまったことも、
レーナ
お兄様の…大切なブローチを壊してしまったことも…
エミール
！！（吃驚）
エミール
どうしたんだレーナ…もう怒ってないから、顔をお上げ？
レーナ
そんな…
エミール
うん、可愛い。
自慢の妹だよ、（にこ
自慢の妹だよ、（にこ
レーナ
お兄様…！
レーナ
（悲劇のヒロインってこんな感情なのね…）
レーナ
（部屋の掃除した時に読んどいて良かった〜）
エミール
心変わりしたって言うのは本当？
レーナ
はい…
レーナ
夢の中で誰かが言ったんです。
レーナ
「これまでの罪を償いなさい」
レーナ
「そうでなければお前は地獄を見る」
レーナ
と。
レーナ
（まぁ生前の私なんだけど、）
エミール
そうだったんだね…
エミール
怖かったろう、もう大丈夫だよ
ふんわりと抱きしめられ
レーナ
お兄様…神様は私にチャンスをくださったんだと思うんです。
エミール
チャンス？
レーナ
はい。
レーナ
人を愛し、人に愛される人間になれるように
エミール
レーナ…
エミール
僕はとっても君を愛している。
だけど、そうは思わない人も居るのが現実だ。
だけど、そうは思わない人も居るのが現実だ。
レーナ
存じ上げております。
エミール
僕は…我儘を言う君も大好きだ。
でも、皆を愛し、皆に愛される。
そんな君を愛したい。
でも、皆を愛し、皆に愛される。
そんな君を愛したい。
レーナ
お兄様…
レーナ
ありがとうございます。
私、頑張ります。
私、頑張ります。
エミール
うん。
僕はいつでも君の味方だよ。（にこ
僕はいつでも君の味方だよ。（にこ
エミールが出ていき
レーナ
なんか…愛されてるな…
レーナ
過剰に。
レーナ
王宮での記憶があるって便利だな〜
レーナ
さて…お姉ちゃんのトコでもいくか…
ロゼッタ
あら？レーナじゃない。
ふふ、と微笑む
レーナ
お姉様、それに、お母様も。
エリザベス
あらあら、どうしたの〜？
レーナ
今までごめんなさい。
レーナ
私、心を入れ替えます。
ロゼッタ
！？
エリザベス
！？
ロゼッタ
ホントにどうしちゃったのよ、レーナ…
エリザベス
何かあったの？母様に話してご覧なさい？
レーナ
何もありません…
ただ、心を入れ替えただけです。
ただ、心を入れ替えただけです。
エリザベス
そう…
エリザベス
分かったわ
ロゼッタ
お母様！？
エリザベス
レーナが決めたことなのよね？
レーナ
はい。
エリザベス
だったら私は全力で応援するわ。
ロゼッタ
お母様…
ロゼッタ
私も、応援してるわよ、レーナ
レーナ
お母様お姉様…ありがとうございます！（にこ
エリザベス
うん、やっぱりレーナは
笑ってる方が可愛いわ〜！
笑ってる方が可愛いわ〜！
エリザベス
ロゼもそう思わない？
ロゼッタ
えぇ、とても。
エリザベス
私たち家族は、ずーっと貴方の味方よ。
エリザベス
お父様も絶対そうよ。
レーナ
ありがとうございます…
ロゼッタ
何かあったら私に言いなさい？
ロゼッタ
もしレーナを虐める奴がいたら子兎にしてやるんだから！
エリザベス
ふふ、いいわね（くす
レーナ
王宮の廊下って長いから嫌なのよね…
？？？
レーナ嬢でお間違いないですか？
レーナ
貴方は…！！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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