紫呉
おかえりなさいー!!
紫呉
紫呉
燈路
由希
相変わらず 由希くんは冷たい
透
紫呉
紫呉
透
透くんは僕が こんな事を聞いたのが 不思議だったのか 少し不思議そうな 顔をしていた
紫呉
透
紫呉
混乱している透くんを差し置いて 僕は空を見上げた
紫呉
透
紫呉
少し内緒話のように 小声で囁いた
紫呉
透
透くんは慌てながら ご飯をよそりに 行ってくれた
由希
紫呉
由希くんが 僕の事に質問するのも 珍しいし 本家の話を出してくるのも珍しい
由希
もみっちやハルも 反応していて 凪斗の事が 気になっていると 分かって納得した
紫呉
由希
紅葉
余り何か ある訳では無いけど 3人は心配そうに 眉をひそめていた
紫呉
紅葉
紫呉
由希
プツンッ
何かを感じ取ったのか 慊人は 起き上がった
慊人
慊人
こんな呆気なく...終わりは来るんだ...
凪斗(ナギト)
紅葉
凪斗は僕達が 悲しい顔をすると 何時でも 駆けつけてくれる。 辛い時に傍に居てくれる
慊人
慊人を見ると 凪斗は辛そうに目を背けた
慊人
慊人
慊人
何だったんだろう。心の端で いつも僕を見張っていた__
いくつも気持ちは 何だったんだろう
小さな弱々しい手が僕に 縋り付くように 腕を掴んだ
この人の一体 何が 僕を縛れると言うんだ...
こんなに小さく...弱くて.... 哀れな人に、
慊人
慊人
その時に凪斗は 慊人を抱きしめようと 手を伸ばしかけていた
慊人
でも僕は もう傷ついて欲しくなかった
紅葉
紅葉
紅葉
凪斗はハッとしたような顔をすると 静かに 手を下ろした
紅葉
紅葉
慊人
慊人は納得してないような顔をして 俯いていた
紅葉
凪斗(ナギト)
そんな事には お構い無しに僕は 凪斗を部屋に引っ張って行った
凪斗(ナギト)
紅葉
紅葉は助けを求めるように抱きついた
紅葉
紅葉
私は少し黙ると 頭を撫でた
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
今まで経験したことの無い 幸せを知って欲しい
紅葉
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
段々と目の前が 歪んできて頭を 撫でている手が震えている
凪斗(ナギト)
視界が真っ暗になり 私は倒れた事を理解した
紅葉
紅葉
凪斗(ナギト)
力をなんとか振り絞って 頬を撫でた
紅葉
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
優しく微笑むと 悲しそうに 眉をひそめながら抱きついた
凪斗(ナギト)
紅葉
紅葉
何としてでも 君達を守るよ
紅葉
紅葉
紫呉
紫呉は誰にも言っていないことを リンに話していた
依鈴
依鈴
紫呉
紅葉
紅葉の辛そうな顔を見た瞬間 抱えられている手を 払い除けて 紫呉の胸ぐらを掴んだ
紫呉
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
どちらであっても 許せなかった
紫呉
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
紅葉
紅葉の止める声すらも 聞こえなかった
紫呉
顔を上げると 紫呉を睨みつけた
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
目尻には涙を溜めていて 眉をひそめながら 紫呉を見つめた
凪斗(ナギト)
紫呉
紅葉と紅野の呪いが 解けてからを 見ているからこそ悲しくなる
もう仲間ではないと 絆は無いんだと 言う姿が苦しかったから
紫呉
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
自分でも 気が付かないうちに 涙が流れていた
凪斗(ナギト)
依鈴
凪斗(ナギト)
紫呉
紫呉は私の事を抱きしめた
紫呉
紫呉の声は震えていて 何処か 苦しそうだった
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
紅葉
凪斗(ナギト)
優しく微笑むと 紅葉は口を開いた
紅葉
紅葉
凪斗(ナギト)
私は当たり前のように言った
紅葉
紅葉
凪斗(ナギト)
咄嗟に その言葉に反応してしまった
紅葉
凪斗(ナギト)
依鈴
紅葉は バレるのが怖いのだろう だから いつもの様に微笑んだ
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
後ろを振り返り 笑みを浮かべた
凪斗(ナギト)
紅葉
止まりなさい!!誰か止めてッ!!
バァンッ
煉
煉
女はナイフを こちらに向けていた
煉
煉
その様子を僕は何の感情も 抱かずに見つめていた
煉
煉
この女に負けたくなかった
慊人
僕は…
晶
晶
晶
晶
ただ何も言わずに 華清様と父様を 見つめていた
晶
晶
晶
晶
父様は優しく微笑んで 頬を撫でた
晶
慊人
晶
そして最後に呼んだ名前は 僕の名前じゃなかった
煉
慊人
僕は何もかも 分かっていた
慊人
慊人
その女が箱を見つめているうちに 殺そうとナイフを持って 振りかざした
プツンッ
燈路
燈路の母親
ガチャッ
燈路の母親
燈路の母親
燈路は何も言わずに 妹を抱いていた
燈路
燈路
喜べないのも無理は無い。 それ程までに この絆は残酷な物なのだから
燈路
燈路
燈路のお母さんは2人を しっかりと抱きしめた
燈路の母親
燈路の母親
少しだけど 燈路の頭を撫でた
燈路
凪斗(ナギト)
燈路
それだけ言うと 風と共に消えた
そして 最後に燈路は笑っていた
慊人
慊人
奥様!!
煉
黙りなさいッ!刃物など 持ち出して何のつもりですッッ!!
親に向かって切りつけようと しておいて!よくもッ!!そんな箱 まで用意して!!
お可哀想に!!世間知らずな ご当主は そっくり信じておしまい
信じてるわけが無いでしょ!!
その箱は晶さんを亡くされ 憔悴された心を お慰めするために 渡したもの!!
お守りのようなものです!!
慊人は何も言わずに 何処かへ行った
その慊人を 紅野は追いかけた
中身が空であること ぐらい常識で 分かることです!!
ですから!ご当主様には__
凪斗(ナギト)
貴方は...
な、凪斗様....
凪斗(ナギト)
も、申し訳ございません...
失礼致しました...、
凪斗(ナギト)
煉
煉
煉
縋り付くように 私の足を掴んだ
無礼なッ!凪斗様から 手を離しなさいッ!!
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
凪斗(ナギト)
煉
私は慊人の元へ向かった
慊人
慊人
慊人
慊人
慊人
紅野は 子供を抱きしめるように 慊人を抱きしめた
紅野
紅野
紅野
紅野
紅野も紅葉もリンもハルも沢山の 十二支が変わっていく
慊人
慊人
慊人
私は黙って聞いていた 声を掛けずに黙って...
慊人
慊人
慊人
慊人を狂わせたのは 私のせいだ
紅野
慊人
慊人は隠し持っていたナイフで 突き刺した
紅野は驚いた顔をしながら 私を見つめていた
慊人
慊人
凪斗(ナギト)
やっと 慊人の心の中を 聞けたような気がした
慊人
紅野
凪斗(ナギト)
口から血が出てきた
紅野
凪斗(ナギト)
意識が遠のいて行くのが 分かった
慊人
バタッ
紅野
紅野
慊人
何とか大丈夫だったけど 凪斗は目を覚まさない
紅野
バアンッ
紫呉
紅葉
撥春
怒るのも無理は無い 俺に凪斗を任せて こうなったのだから
はとり
紅野
紅野
紅野
次は俺が凪斗を助ける番なのに 何も出来なかった
紫呉
はとり
撥春
コメント
3件
楽しみに待ってました!!とても良かったです!