TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

誰もいない教室

わたしひとりだけ。

今日で、わたしは

おはよう、光希

あ、瑠愛

此処に来るのを終わりにしよう。

おはよう。

大嫌いだった

毎日毎日、うるさいって

死んでって

消えろって。

其れはわたしの心を傷つけていた。

なんともないつもりだった。

だけど、気がついたんだ。

わたしはずっと

死にたがってるんだって。

もう、やめてよ……

涙はもう、溢れなかった。

くやしいな。

でも、「其れ」はきっと

わたしを彼に出会わせるための措置だったのかもしれない。

神様が用意した。

目を伏せた。

───さよなら。

それだけ言って。

静かな音楽室で、ふたりきり

……鳴らしていい?

いいよ

ふたりだけの世界

ふたりだけの音

わたしは、少しだけ手を止めて

今日で終わり。

それだけ言った。

……そ。

それだけ?

おかしいね

少しだけ、其れに感謝した。

出逢えて、よかったよ。

君はもういない

それでも

ふたりだけの世界で

鳴らせたこと

何も聞かれなかったこと

好きでした。

馬鹿馬鹿しいね

それだけ

君に伝えたかったって。

夏休み、君は

わたしのために毎日此処に居てくれた

───さよなら。

君はもう、いなかった

こないっていったのにね

久しぶり、光希

ああ、久しぶり。瑠愛

夏休み最終日。

わたしたちは、また出逢えた

今度は、俺がさよならだ。

……そう。

夏休みだけ逢える君は

もういなくなるんだってさ

最後に、1回だけ鳴らそ。

いいよ

ふたりの音

音楽室には、誰もいない。

ただ、音だけが響いた。

ふたりだけの音楽室

天音の一次創作短編集

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

112

コメント

9

ユーザー

一人だけの教室が二人だけの音楽室になってて素敵✨

ユーザー

最高です✨️

ユーザー

「ふたりだけの世界」 意味を考えてみてください. きっとなにかに気がつきます.

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚