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鈴蘭

久しぶりだね、元気にしてたかい?

鈴蘭

…うん、元気だよ

鈴蘭

お父さん

お父さん

すまない、中々予定が空けられなくて

鈴蘭

ううん、気にしないで

鈴蘭

それより行こう

お父さん

ああ、そうだな

店員

いらっしゃいませ

店員

ご注文はお決まりですか?

お父さん

僕はオムライスにしようかな

お父さん

君はどうする?

鈴蘭

コーヒー1つお願いします

お父さん

本当にそれだけでいいのかい?

お父さん

遠慮しなくても……

鈴蘭

私、今そこまでお腹空いてないから大丈夫

お父さん

わかった

店員

オムライスとコーヒーですね

店員

少々お待ちください

お父さん

それで鈴蘭、話ってなんなんだ?

鈴蘭

……そうだね、話するためにきたんだから

ちゃんと、言わなきゃ

確信を持てないままじゃ意味が無い

鈴蘭

……単刀直入に聞くね

鈴蘭

お母さんを病院で刺したのは、貴方ですか?

お父さん

…なんだ、その話か

お父さん

違うよ、僕じゃない

そう言われて なんだか少しだけ安心した

鈴蘭

そう、だよね

店員

お待たせしました、オムライスとコーヒーです

お父さん

ありがとうございます

お父さんは運ばれてきたオムライスを 食べながら話を続けた

お父さん

……お母さんを刺したのは

お父さん

他でもない、君の父さんだろう?

鈴蘭

…え……?

言葉が出ない私の前で お父さんはにこりと微笑む

お父さん

僕はそんなことしない

お父さん

僕は鈴蘭のことを考えて行動しているからね

お父さん

……でも、君の父さんは違う

お父さん

君を置いていったんだから

鈴蘭

ちがっ…!

お父さん

違うだなんて、どうして言えるんだい?

お父さん

どうせ事故も彼が運転に失敗したからだろう

お父さん

ねぇ、鈴蘭

そう言ってお父さんは 私の頬を撫でる

お父さん

僕は君を愛している

お父さん

お母さんよりも、世界中の誰よりもだ

鈴蘭

っ…やめて…!

それが気持ち悪くて 私はお父さんの手を振り払った

お父さん

……僕を拒絶するのはいいけれど

お父さん

僕にはとても良いチームを持っていることを忘れないようにね

鈴蘭

………っ!!

私は立ち上がった

お父さん

おや、コーヒーは飲まないのかい?

鈴蘭

……ごめん、今日は……いい

お父さん

そうか、じゃあまた今度話をしようか

鈴蘭

うん…またね

お父さん

ああ、また

お父さんのチームは あまりここでは知られていない

だけど私は嫌という程知っている

あそこは、はっきり言って異常だ

きっと梅たちに言えば 全て解決してくれる

だけどそれを言えないのは 私が怖がっているから

言えばいいってきっと言われる

信じろって、きっと

けどこれは思い出すだけで吐き気がする そんな最悪な記憶だ

誰にも言いたくない 誰にも言えない

それを辛いなんて思うのは きっと贅沢だ

おい

鈴蘭

か、梶先輩…!?

なんでそんな驚いてんだよ

鈴蘭

す、すみません…

顔に出てなかったかな

蘇枋くんじゃないんだし 多少出てても大丈夫だよね

……お前

なんかあっただろ

鈴蘭

えっ

図星か

鈴蘭

あ、いや……

何やってるんだ私

これじゃ、ありましたって 言ってるようなものじゃないか

鈴蘭

…特にないです

鈴蘭

ただ、お父さんと話しただけなので

ここで言ったら また彼処に連れていかれる

それだけは嫌だ

……

おい、これ

そう言って梶先輩は 目の前にある物を差し出す

鈴蘭

これって……飴ですか?

ああ

…やるよ

鈴蘭

でも、これは梶先輩のです

知ってる

その持ち主の俺がいいって言ってるんだ

受け取れ

鈴蘭

……

お前、酷い顔だったぞ

鈴蘭

え…?

父親と話しただけって言ったな

それだったら

どうしてお前は、そんな苦しそうな顔をする

話してみろ

父親と話してる時何があった

鈴蘭

…それ、は……っ

……言いたくないなら、まだ言わなくてもいい

だけど、いつかは絶対言え

俺じゃなくてもいい

柊さんや梅宮さん…他にも、お前の同級生もいる

苦しむくらいなら全部吐き出せ

助けて欲しいなら助けてって言え

風鈴が、絶対助けてやる

鈴蘭

っ…!

兄ちゃん達に任せろ!

俺が絶対助けに行くから

助けて欲しい時は呼べ いつだって俺達はお前の味方だ

似てる

いや、違う

みんな同じなんだ

鈴蘭

…言えるようになったら

鈴蘭

言いたいって、思えたら

鈴蘭

相談しても…いいですか?

…!

……別に無理して俺に相談に来なくてもいい

榎本

ったく、お前は…

楠見

梶の肩に手を置く)

なっ…!!

お前らなんでいるんだよ!!

榎本

見回り中に急に級長が走っていって追いかけない奴がどこにいるんだよ

榎本

朱羽、梶の言ってたことは正しい

榎本

助けを求めれば誰でも助けてくれる

榎本

風鈴には優しい奴しかいない

鈴蘭

っ……

鈴蘭

…わかってるんです

鈴蘭

だけど……

鈴蘭

今は、自分の身を守ることしかできない…

鈴蘭

結局は自分がかわいいだけなんです

んなの誰だって同じだ

というか、お前は違うだろ

鈴蘭

え……?

柊さんから聞いた

お前は昔から自分より人を優先するってな

今お前が自分を守りたいと思ってるのは当然のことだ

むしろ今までそうしてこなかったんだから、そう感じるべきなくらいだ

今は無理しなくていい

ただ本当に危ない時は、風鈴を呼べ

周りの奴らに頼れ

鈴蘭

…!

鈴蘭

…ありがとうございます

その後俺達は見回りに戻った

榎本

にしても何があったんだ?

……

榎本

あのばあさん、いつも元気だな

楠見

(頷く)

2人の話を聞きながら 俺は周りを見渡していた

そしたら向こうの方に 朱羽が見えた気がした

だけどなんだか嫌な予感がした

違ってたらそれでいい

とにかく俺は朱羽を追いかけた

そしたらあいつ…

…怯えたような顔してた

聞いてみたら、父親に会ったって言ってた

楠見

…!

榎本

…父親に怯えてるのか?

いや…何か違う気がする

そう、何か違う

あれは人1人に向ける恐怖じゃなかった

もっと大きい、例えば

チーム……

榎本

そういや最近、失踪が多いらしいな

失踪…?

楠見

(頷く)

榎本

女や子供が失踪してるんだとよ

榎本

梅宮さん達もなにか無いか探してはいるようだが

榎本

何も手がかりが掴めないらしい

……

榎本

大きいチームが動いてるってことは確定らしいがな

…おい、連続失踪にチームが関係してるって言ったな

榎本

?あぁ、言ったな

楠見

……!

……かなりまずいかもしれねぇ

榎本

おい、なんなんだよ

朱羽がそのチームに関係してるかもしれない

そしたら辻褄が合う

朱羽がどこに行ったか分からない以上、手分けして探すしかない

俺は今来た道を見てくる

お前ら、そっち頼んだ

先輩たちと話して少し気が楽になった

電話越しでも、話してみよう

鈴蘭

登馬は……これか

私はスマホを耳に当てた

鈴蘭

あ、もしもし登───

こらこら、ダメだろ?

鈴蘭

っ……!

声がしたと同時に 私の首に刃物が当てられる

鈴蘭

な……んで…っ

言われてるだろ、俺たちの事は誰にも言うなって

それか、なんだ?

俺たちに可愛がって貰いたいのか?

そういい男は私の髪を触る

鈴蘭

離し──

おい

……そいつ、離せ

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