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たとえ消えた心でも

1 - たとえ消えた心でも 第一章

♥

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2021年06月02日

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私は最近不安定だ。

ふと、そう思った。

学校での友達関係もイマイチだし、家に帰れば勉強、高校ってうるさいし。

不安定の原因は多分それだ。

去年の今頃は受験生になるのが楽しみな自分がいた。

「部活がないから」、「5時間授業が多いから」そんな馬鹿みたいな理由で…

…っ

…桜っ!

美桜!ボーッとしてないでちゃんと先生の話聞きなさい!

そうだ。三者面談の最中だった。

美桜

すみません。

美桜

何の話してましたっけ…?

はぁ…

母の口からため息がこぼれた。

いつもため息なんてしたら幸せが逃げるよって変な冗談言ってるのはお母さんなのに。

先生

進路についての話ですよ。美桜さんはどこの高校に行きたいの?

はぁ…今日だけで「高校」という言葉を3回も聞いた。 でも、そう言われるのも仕方がない。

もう12月なのに志望校がはっきりとしてないのは200人近くいる3年生の中でも私くらいしかいないだろう。

それからしばらくの間、沈黙が続いた。

カチカチと古時計の音だけが私の耳に入り込む。2人とも呆れているのだろう。

ゴーン・ゴーン・ゴーン・ゴーン

聴き慣れた古時計の音。 今まで耳にタコができるくらい聴いてきた。

先生

すみません。時間なので…

先生

他の生徒も待っていますし…

そうですよね。うちの美桜がすみません。

何故か二人の会話が悲しく感じた。

毎日のように聞いているはずなのに…

自分が馬鹿馬鹿しく感じた。

美ー桜っ!

美桜

わああっ!びっくりした!

同じクラスの咲季。学年一の美女と言われるくらい顔が整っている。

咲季

で、どうしたの?

美桜

えっ?何が?私何か言ったっけ?

咲季

美桜の事なんて言われなくてもわかるよ〜

咲季

3年間ずーっとクラス一緒だもん!

何が言いたいのかさっぱり分からない。

咲季は私の事を沢山知っている。

それに比べて私は咲季の事を全く知らない。

知っているとすれば好きなアイドルグループくらいだろう。

咲季

美桜、絶対なにか悩んでるでしょ。

美桜

え!?な、何でっ?

咲季

知ってるよ。美桜って悩んでる時に話しかけるとすぐ黙り込んじゃうでしょ?

1年の時からそうだった。

咲季は感が鋭くて、私の少しの変化も見逃さなかった。

特に気持ちの変化には人一倍気づくのが早かった。

咲季

ほら。もう黙り込んでる。

咲季

これは悩んでる決定だね!

美桜

ううぅ…

咲季

それに…美桜が悩んでる時ってね、必ずこの古時計の前にいるの。

咲季

分かるよ。この古時計の前ってすごく気持ちが楽になるよね…

咲季

私も同じだから…

すぐに気づいた。咲季も悩んでいるのだと。

私よりも深い悩みを抱えているのだと。

でもどうしてか言葉がでてこなかった…

次回に続く

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