TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

LINE618

一覧ページ

「LINE618」のメインビジュアル

LINE618

1 - あ

♥

27

2023年05月15日

シェアするシェアする
報告する

リン

ババア、ふざけんな!今日は塾があるって言っただろ!

ラン

え?そうだっけ。聞いてないわよ。今日は塾はお休みでしょう。

リン

そうじゃねぇよ。今日は臨時講習で19時から授業があるんだよ!

リン

それなのに残業で帰りが遅くなるとか、人を舐めてんのかよ。

ラン

リン、そういう言い方はやめてって前から言ってるでしょう。

ラン

言葉遣いが悪いし、人にものを頼む態度じゃないわよ。

リン

はぁ?娘が困ってるのに、何のんきに説教とかしてんの?

リン

マジで何様だよ。能無しのババアのくせに。

ラン

リン…その言い方もやめてちょうだい。お母さんだって傷つくわよ。

リン

なに被害者ぶっちゃってんの(笑)。くだらない事ぶつぶつ言ってないでさぁ、

リン

さっさと帰って来いよ。塾に送るのもテメーの仕事だろ!

ラン

無理よ。まだ仕事が終わらないし。

ラン

今日はバスで行きなさい。帰りも自分でね。

リン

はぁ?マジでむかつく。もういいよ!

~翌日の夕方、リン、レンのLINEにて~

リン

おい、レン!あんた金持ってる?

レン

いきなり何?お金って、何に使うんだよ。

リン

なんだっていいだろ。いちいちガキに説明してらんねーよ。

レン

持っていたって、そんな言い方じゃ貸せないよ。

リン

貸せとは言ってない。私によこせって言ってんの!

レン

嫌だよ。誰が渡すものか。

リン

生意気に!口答えするのかよ。レンのクセに。

レン

レンのクセにってなんだよ。自分は何様?

リン

お前は勉強も大してできないし、私みたいな良い高校に入れなかっただろ。

レン

だから?

リン

お前みたいな出来損ないは、私みたいな優秀な人間のいう事を黙って聞くもんだよ!

レン

勉強がちょっと出来るくらいで優秀?笑わせんなよ。

レン

いつも俺と母さんに威張り散らすばかりで、性格も歪んでるから、

レン

友達だって一人もいないじゃん。

リン

おまえ、ほんとバカだな。あのね、私は優秀だから

リン

自分より低レベルな人間と付き合ってる暇はないんだよ!

レン

そういう価値観か。ぜんぜん理解出来ない。

リン

レンは根っからのアホだから。

レン

姉さんみたいに性格が悪くないだけマシだよ。

リン

性格なんていくらでもごまかせるからww。

リン

学校じゃ、私が優等生だからって、皆なんでもいう事聞くよ。

リン

だから生徒会長もやってるし、成績もトップだし。

レン

…みんな姉さんをおだてときゃ機嫌が良いのを分かってるから

レン

調子を合わせてるだけだと思うよ。

リン

わかったような口を利くな!

リン

レン、お前も少しは私に媚びへつらえ。

レン

だから、それが意味不明。

リン

なんだって。

レン

少しは母さんに感謝しろよ。誰のおかげで勉強に専念出来てると思ってんの。

レン

姉さんに暴言吐かれても、いつも我慢して塾の送迎とかサポートしてくれて。

リン

そんなの母親だから当たり前だろ。

レン

当たり前じゃないよ。そんな態度を続けてたら、いつか見捨てられるよ?

リン

フン、あいつが家を出ていくとか、ありえない。

リン

家に帰るしか能のない役立たずだよ?

レン

リン、母さんが今の会社で働いて何年だか知ってる?

リン

知らねーよ。あんなババアの事なんか。

レン

25年だよ。ずっと働いていて、経済力はある。

レン

だから、出て行こうと思えばいつでも出られる人だよ。

リン

それが何。

レン

姉さんの態度が治らなきゃ、いつか縁を切られるよ。

リン

そんな訳ないだろ~。アイツは一生、私の家来だよ。

レン

姉さんと話してると、まるで宇宙人と会話しているみたいだ。

レン

一緒に住んでいても、何カ月も口を利かないし、

レン

久しぶりにもらったLINEがこれ。ウンザリだよ。

リン

ふん、せっかく用があるからLINEしてやったのに。

レン

いや、だから頼んでないって。

リン

じゃあ、めんどくさいからさ。今レンの部屋にいるんだけど。

リン

引き出しにしまってあった一万円、貰っておくわ。

レン

え?貸さないっていったじゃん!勝手な事をしないでよ。

リン

お前がお金を持っていたってしょうがないでしょ?

リン

だから、私が有効活用してあげるの。あとで盗んだとか言われたら迷惑だから

リン

先に確認してやっただけなのに。時間の無駄だったわ。

レン

ふざけんなよ!それはおばあちゃんから貰ったお年玉なのに。

レン

これじゃ、カツアゲじゃないか。

リン

バカだね~。兄弟のお金は私の物でもあるの♪じゃ、ありがとね~。

レン

冗談じゃないよ、返せ、バカ姉貴!

~ランとルウトのLINE~

ラン

あなた、最近リンの言動は限度を超えてると思わない?

ルウト

どこが?思春期の女子なんてあんなものだろう?

ルウト

リンは成績も良いし、学校での評判も良いんだろう?

ルウト

何が問題なんだ?ちょっと反抗的だからって、いちいち気にする必要はないだろう。

ラン

いいえ最近始まったわけじゃないわ。

ラン

リンが中学に入った頃から、私とレンへの態度が酷かった。

ラン

思春期と言っても、もう17歳よ。反抗期ではないと思う。

ルウト

お前がリンの事を分かってやってないだけだろう。

ルウト

俺には素直だぞ。口答えもしないし、いう事も聞く。

ラン

それなら、あなたから言い聞かせて欲しい。

ラン

口を開けば、ババアだの能無しだの、嫌な言葉ばかり吐くのよ。

ラン

言ってはいけない事だって、何度言い聞かせても分かってもらえないの。

ルウト

そんなの、いちいち気にしているお前がおかしい。

ラン

え?

ルウト

お前がリンをイラつかせてるんだよ。

ルウト

余計な口出しをしたりして、リンが望む通りに行動しないから。

ラン

子供の言い成りになれって事?

ルウト

お前はリンの母親だぞ?可愛がってやろうとは思わないのか?

ラン

可愛がるだけなら、ペットと同じだわ。リンはペットじゃなくて、娘なの。

ラン

娘の行動に問題があったら、注意するのが親のつとめでしょう?

ラン

それにあの子、レンが大事にとっておいたお年玉も、強引に取っていったの。

ラン

兄弟の物は私のものだ、と言ったそうよ。

ルウト

ほう、そうかリンは逞しいなwww。

ラン

何を言っているの!レンのお金を勝手に持って行ったのよ!

ルウト

そりゃ、レンが悪い。

ラン

そんな…。

ルウト

男のクセにグズグズと母親に泣きつくとは、情けない奴だ。

ラン

泣きついてなんかいないわよ!レンも今までランには散々嫌がらせされてたのよ。

ルウト

それは、ビシっと自分で言えないレンが悪い!

ルウト

お前もレンも、大した学もないからリンや俺には敵わないだろうがな。

ルウト

頭の良い人間って言うのはな、それ以下の連中を利用して出世するんだよ!

ラン

ルウト、あなたって人は…。

ルウト

だから、能無しのお前らは、俺達のいう事を黙って聞いていればそれでいい。

ルウト

レンもお前も、家に居させてやるだけありがたいと思え。

ラン

何年も前から、あなたにも違和感を感じていたけれど。

ラン

リンはあなたに似たのでしょうね。

ルウト

問題があるとしたら、お前の育て方だろう!

ラン

それは、どうして?どこが悪いと言うの?

ルウト

全部だよ!リンには、社会に適応出来るようにしつける必要があるし、

ルウト

レンには、もっと自分で戦えるよう教えるべきだったんだよ!

ルウト

それが出来ていないという事は、お前が母親失格という証拠だ。

ラン

あなただって親でしょう?特にレンには冷たいし。

ラン

レンと最後にお話ししたのは、何カ月前?

ルウト

うるさい!レンが、俺が言った通りの高校に行けなかったのが悪い。

ラン

え?進学先が気に入らないから無視していたの?

ラン

レンがどれだけ傷ついているか、あなた想像出来ないの?

ルウト

傷ついたとか言って、被害者ぶっている暇があったら勉強しろ!

ルウト

レンにはそう伝えておけ。

ルウト

お前もただの役立たずだ。今まで俺も我慢してやってきたけどな。

ルウト

バカ息子と能無しの母親は家に要らないんだよ!分かったら出ていけ。

ラン

それ、本気で言ってるの?全部本気?

ルウト

何度も言わせるな。俺は本気だ。

ルウト

俺とリンの足をひっぱるだけのお前らは、ただのゴミだからな!

ラン

そこまで言うなら。分かりました。

ルウト

ふん、またくだらない用事でLINEなんかしたら承知しないぞ。

~家族LINEにて~

リン

ちょっと、家から色々家具とか無くなっているんだけど!

リン

それにババアもレンも、一体いつ帰ってくるんだよ?

リン

もう三日も家に帰ってきてないじゃん、どういうつもり?

ラン

リン、母さんとレンは、家には帰れませんよ。

ラン

お父さんから何も聞いていないの?

リン

聞いたけど、教えてくれなかった。

リン

お父さんも知らないって。そんなハズ無いって私が言ったら、

リン

いきなり切れて、リモコンを投げつけてきたの!

ラン

お父さんは短気だから…私たちがいなくなったら、

ラン

今度はあなたを標的にするでしょうね。

リン

へ?

ラン

リン、母さんは家を出ました。お父さんに出ていけと言われたから。

リン

何を言ってんの?ババアに行ける場所なんてあるわけ…。

ラン

私が何年も働いている事を忘れたの?

リン

そりゃ、働いてたのは知ってるけど…。

ラン

別に、お父さんに依存しなくても、経済的には全然問題ないわ。

ラン

ただ今までは、親の務めがあるから、あなたやお父さんの暴言にも耐えていたの。

ラン

レンも賛成して、ついて来てくれたわ。

レン

そうだよ。こうなった理由、姉さんもよーく分かるよね?

リン

へ?そんな理由なんて…。

ラン

今まで、お父さんがレンにどれだけ酷い事をしてきたか、あなたは知ってるわよね?

ラン

何カ月もレンを無視したり、バカと罵ったり。

ラン

私へのモラハラも昔から酷かったけど、レンに対する悪態だけは許せないわ。

リン

そんなの私には関係ない!

ラン

関係あるわよ。リン、あなたレンがお父さんに苛められているのに

ラン

庇うどころか、一緒になってバカにしたり、

ラン

大事にとっておいたお小遣いをむしり取ったり、沢山酷い事をしたわよね。

リン

そんなの…あいつ出来が悪いから、ちょっと発破かけてやろうと思っただけよ。

レン

出来が悪くて悪かったな!

リン

レン!

レン

もう、父さんにも姉さんにも我慢が出来ないんだよ。

レン

一緒に暮らしていたら、母さんも俺も壊れてしまう。

ラン

そうよ。だから家を出たの。新しい家の住所は教えないわよ。

リン

そんなバカな!母親の義務を放棄するのかよ!

ラン

リン、あなた来月で18歳になるわよね。

ラン

法的には成人だから、親の保護は不要になるわ。

ラン

賢いリンなら分かるでしょう?もう私は用済みなの。

レン

これからは、母さんと俺とで静かに暮らす。

レン

もう父さんとも姉さんとも関わりたくない。LINEでのやり取りはこれが最後。

ラン

お父さんには、離婚に向けての手続きをすると弁護士を通して伝えてあるわ。

ラン

あの人はプライドが高いから、私たちを引き留めたりしないわ…。

リン

そんな…まって、置いていかないで!

ラン

もう少しあなたが、家族らしい思いやりを示してくれたら

ラン

きっと一緒に連れて行こうと思えただろうけど、もう遅いのよ。

レン

姉さんなら大丈夫だよ。強いから。

ラン

そうね。

リン

お願い、父さんと二人きりは嫌だよ…。

~後日談~

ラン

その後、1カ月ほどで離婚はあっさり成立した。

ラン

私が予想した通り、プライドの高い元夫は引き留める事もなく、離婚に合意した。

ラン

レンも私も、夫とリンのモラハラから解放された。

ラン

誰からも罵倒されない生活がこんなにも快適だったなんて、知らなかった。

ラン

レンは、ストレスから解放された為か、グングンと成績が伸び、

ラン

さらに2年後の大学受験で、見事志望校に合格した。

ラン

元夫は離婚後、環境の変化のせいか勤務先の学校でもパワハラが酷くなり、

ラン

保護者からのクレームが相次いだ為、減給処分を受けたそうだ。

ラン

リンはというと、離婚後は元夫のモラハラが一気に彼女に向かう様になり、

ラン

大学には進学出来たものの、ストレスから心を病み、今は病院に通っている。

ラン

そして、やっと自分のしてきたことの過ちに気付いた彼女は、私とレンに謝罪した。

ラン

レンも私も、リンの事は許そうと決めた。

ラン

やはり血のつながった肉親、見捨てる事は出来なかった。

ラン

今は、週末だけ私のところにやってきて、私と一緒に料理をしたり。

ラン

レンとは大学の話で盛り上がったりと、平和な時間を過ごせている。

ラン

時間は掛かったけれど、親子の絆を取り戻す事が出来て本当に良かったと思う。

この作品はいかがでしたか?

27

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚