Nakamu
今俺達は病院からスマイルの家へ向かってる道中だ
スマイル
この通り 先程の出来事から会話が弾む訳もなく 双方黙り込んでしまっている
俺から話を振りたいが さっきの事をどう思われているか気になり 会話が進められない
スマイル
スマイルが数分ぶりに口を開いた
Nakamu
久々に開く唇が震え 言葉がキョドってしまう
スマイル
来る 俺の恐れていた話題が
スマイル
Nakamu
俺は身構えて口をキュッと閉める
スマイル
Nakamu
予想外だった言葉に全ての語彙がとっぱらわれ つい間抜けな声が零れる
スマイル
俺のそんな気持ちも気にも止めず そのまま話し続ける
Nakamu
俺はポカンと口を半開きにしたまま 目先のスマイルを見つめる
スマイル
Nakamu
彼の呼び掛けで我に返る
Nakamu
俺は片言ながら問に答えた
スマイル
スマイルはまた半笑いで疑いの言葉を放つ
Nakamu
一応俺は集合場所に向っていたつもりだ
恐らく脳内で思考をフルに巡らせていた為 いつの間にか通り過ぎてしまったのだろう
でも取り敢えず違う内容で安心した
この調子で違う方向に話を向け続けよう
Nakamu
スマイル
Nakamu
俺はそのまま スマイルに話を逸らされないよう 中身のない薄っぺらな内容を家に着くまで語り続けた
ガチャッ
馴染みのあるドアを開け 久しぶりのワンルームに足を踏み入れる
Nakamu
スマイル
彼は部屋へ掛け出すと 真ん中に置いてあるソファーに飛び込むように座った
Nakamuは何回かここに来た事があると入院中に聞いていたが
俺にとっては初めて彼を家へ上げているという事になる
その時彼は毎回こんなだったのだろうか
ちょこんと愛らしくソファーに乗っかっているその姿は まるで小動物のようだ
スマイル
スマイル
Nakamu
やばい
何故かNakamuと2人きりだと緊張するな
なんでだろう
久しぶりだから、、か?
でも俺覚えてないし
本当になんでだ?
スマイル
Nakamu
Nakamu
俺はスマイルからココアの入ったマグカップを手に取る
ココアからは白い湯気が上がってる
Nakamu
スマイルはカップに口を付け ズズっと言う音を立てながら珈琲を飲んでいた
その唇は綺麗な桃色で 色っぽい
Nakamu
な、何を考えてるんだ俺は!
今俺はスマイルの友達!
男なんて恋愛対象外!!
Nakamu
俺は咄嗟に気を紛らわせようと 湯気の上がるココアを一気飲みしてしまった
Nakamu
スマイル
知ってはいたけど めちゃくちゃ熱かった
スマイルは俺の突然の大声に驚き 尻尾を踏まれた猫みたいな顔をしている
スマイル
Nakamu
スマイル
スマイル
Nakamu
舌を火傷したのはスマイルのせいだし、、
Nakamu
スマイル
Nakamu
スマイル
スマイル
彼は再びキッチンへと向かって行った
Nakamu
スマイル
スマイル
俺はさっきの彼の顔を思い出し 密かに笑っていた
バレたら怒られそう笑
スマイル
やっぱNakamuはちょっとぬけてんだな笑
見ているのが面白い
入院中も沢山面白い話しをしてくれた
それに、今日だって、、
スマイル
そう言えば
今日病院で泣いてたよなNakamu
スマイル
彼は俺とどんな関係なのだろうか
ここに向かうまでの会話で忘れてしまっていたが
やはり気になる
スマイル
スマイル
俺は冷水の入ったコップに氷を落とし、彼の元へ急いだ
スマイル
Nakamu
彼は急いで水を受け取り直ぐに口を付けた
スマイル
Nakamu
スマイル
Nakamu
Nakamu
Nakamu
スマイル
Nakamu
誤魔化してる
スマイル
スマイル
Nakamu
スマイル
Nakamu
Nakamu
彼は目に涙を滲めている
そこまで自分との関係を俺に話したくないのか?
スマイル
スマイル
スマイル
俺はそんなに今の自分が信用されていない事にムッとなり
少し乾いた声でそう言い放った
Nakamu
そうすると彼は硬く閉ざしていた口を小さく開き話し始める
Nakamu
先程のはしゃぎ声とは明らかに声色が違う
細々としていて情けない小声だ
Nakamu
Nakamu
段々と下がっていくボリュームと共に
元から涙が滲んでいた大きな瞳から大粒の水滴がポロポロと床へ落ちて行く
スマイル
Nakamu
Nakamu
Nakamu
Nakamu
成程
それで俺は記憶喪失になった訳か、、
Nakamu
Nakamu
Nakamu
スマイル
Nakamu
Nakamu
なんだこいつ
話聞いてたら全部こいつのせいじゃねぇか、、
しかも、前の俺と 両思いだったのかよ、、
、、、っ
スマイル
Nakamu
俺の体は望んでもいないのに 勝手に動いていた
スマイル
Nakamu
俺は泣いてへたりこんでいる彼の腕を勢い良く引っ張った
そしてNakamuの腰へと手を回し俺の方へ一気に引き寄せ
彼の唇で 静かにリップ音を鳴らした
Nakamu
彼のターコイズブルーの潤んだ瞳が先程よりも近い位置にある
突然キスをしたからか 彼の頬や耳は火照って真っ赤になっていた
Nakamu
Nakamu
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
俺は大きく息を吸い 再び口を開く
スマイル
スマイル
Nakamu
俺がそう言うと彼は照れ臭そうに頭を掻いて
Nakamu
Nakamu
と、
明るい声で返してくれた
そして俺らは
“また”両思いになり 元の関係を築いていくのだった
以上 『記憶喪失』 終
コメント
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(´இωஇ`)さいこおおお
最高やしめっちゃ感動したし最高やし……神様?
後編だァァァ⤴︎ ⤴︎() 고마워!!!! うわぁぁぁぁぁ((