呼吸

呼吸

橙青 stxxx BL 暗め

ずっと考えてた

君の暖かい笑顔の裏を

橙くんはいつも笑っていた

僕が東京からの転校してきた時も

部活でレギュラーから外れても

僕が周りからよく思われてなくても

ずっと側で笑いかけてくれたよね

昨日はびっくりしたよ

初めて笑ってない橙くんを見たから

教室でクラスメイトと話す君の顔に 笑顔はなくて

言葉もなんだか刺々しかったよね

多分僕のことを話してる

えー、そんな嫌われてたんだな

ショックというより腹が立った

なんのために僕に近づいたの

でも決めつけるのはよくないって

橙くんの口癖だったから

きちんと話さないとって思って

放課後踊り場に呼び出した

いつも通り笑顔の君に直球に質問する

一瞬顔を顰めたけど

すぐ笑顔で否定する

僕の頭に伸びてくる大きな手が 少し怖くて思わず振り払った

なかなか本音を言わない 橙くんに腹が立って

思わず君が嫌いな言葉を口に出す

橙くんが僕の肩を掴んで揺らす

バランスを崩しそうになって 思わず彼の肩を反対側に押した

でもその先は階段

きっと橙くんなら立て直せた

でもいつもより自然な笑顔を浮かべて

まるで運命を受け入れるかのように 階段から落ちそうな彼

その腕にしがみついた

やめてよ

置いてかないで

君がいなきゃ息も上手に吸えないよ

そして僕らはもつれあうように 転がり落ちた

でも僕には君が必要だから

なるべく守ったつもりだよ

なぜか息が上手にできない

君がこんなに近くにいるのに