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余命わずか

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余命わずか

14 - 余命わずか(14話)

♥

646

2021年08月18日

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sakura

わこさく!

sakura

続き書いていきます!

sakura

地雷・アンチだめ!

sakura

キャラ崩壊注意!

sakura

٩(.^∀^.)งLet's go

律くんと別れた帰り道

(……あれ、桃くんから不在着信来てる。なんだろう……?)

(明日の試合の練習中だと思うんだけど…何かあったのかな……)

かけ直さなきゃ…

(でも、律くんとあんな話したばっかだし、緊張するなぁ……)

深呼吸をしてからかけ直すと、コール音はすぐに切れた

もしもし

もしもし、桃くん?電話出られなくてごめん。どうかした?

初めにかけてきたのは桃くんなのに、彼は要件を言い淀んだ

めまいを起こす可能性を鑑みて駅のホームの椅子に腰掛けたとき、桃くんが言いづらそうに切り出した

非常識だっては分かってんだけどさ……

うん?

愛のお迎え、頼めない?

へっ!?

今日も俺が行く予定だったんだけど、急に練習終わる時間が遅くなって間に合いそうになくてさ

試合出させてもらうわけだから、早上がりなんてできないし……

(まぁ、確かに無理だよね)

僕だってバスケをやってた身だからよく分かる

親とも連絡つかなくてさ、とっさに思い浮かんだのが青だったんだよ

え、僕……?

うん…

(え……嬉しい…///)

とっさに思い浮かんだなんて好きな人に言われて、嬉しくない人なんていない

いいよ。お迎えに行って、そのあとうちで預かってる

まじで!?

うん。この後予定もないし

頼ってばっかで悪いな。助かるわ

いいって。

その代わり、明日の試合でちゃんと活躍してね

見返り、でかくね?

自信ない?ニヤ

試すように聞くと、電話の向こうで桃くんが微かに笑った

は?バカ言うなw自信しかねーよw

(ここではっきり言える桃くんってすごいなぁ…w)

(だからプレッシャーとかも全部跳ね除けるんだろうけど……)

やべ、呼ばれた。そろそろ戻るわ

あっ待って。ご飯は?お家にある?

いや、帰ってから適当に作る予定だった

じゃあ、作って待ってるよ。愛ちゃんもお腹空くだろうから

まじ?悪いな

すぐ保育園の地図送るわ。園には青が行くって連絡入れとくから、頼むな

わかった。練習、頑張ってね

おう

ピッ(電話、切)

1分もたたないうちに、スマホに通知が届く

見てみると、保育園の地図が添付されて送られてきていた

えーっと……ここから6つ先の駅で降りて、そこから徒歩10分か…

自転車使おうかな…

ぐぅぅぅ…(お腹)

そういえば、お昼ご飯まだだったっけ……

(時間もまだあるし…1回家に帰って、ご飯食べて、掃除しよっかな…)

………うん、帰ろ

お迎えに向かってる (早いなんて言わないで) (´;ω;`)

傘を肩で支え、スマホの地図を確認しながらようやく保育園にたどり着く

………

(インターホンあるけど……)

(押す勇気がでない……)
(´;ω;`)

うぅ……桃くん、いつもどうやって入ってんの…?

(ていうか、仮にインターホン押したとしてなんて言うの…)

(お兄さんの代わりに愛ちゃん迎えに来ましたって言うの?)

(桃くん、連絡しとくって言ってたけどほんとに大丈夫?怪しまれない?)

(ていうか、そもそも愛ちゃんは僕のこと覚えてるのかな…)

…………

あーもう!考えてても仕方ないし!

ピーンポーン

保育園の先生

はーい

あっ、あの!僕、青って言います!お兄さんの代わりに、愛ちゃんのお迎えに来ました!!

(うわぁぁぁぁぁぁ、僕挙動不審すぎる!!!)

保育園の先生

あ、話は伺ってますよー。どうぞ、入ってきてくださーい

(あ…よかった…怪しまれなかった……)

中に入ると、小柄な初老の女の人がにこにこ笑顔で立っていた

園長

青さんね?

は、はい、そうです。

ぺこっと頭を下げると、その女の人は優しく笑った

園長

園長の植草です。愛ちゃん、今帰る支度をしてるとこだと思うから、ちょっと待っててね

あ、はい。ありがとうございます

園長

びっくりしたわ。急に桃くんから電話かかってきたと思ったら、自分の代わりに同級生の男の子が愛ちゃんのお迎えに行くなんて言うから

あはは、そうですよね……

(同感です。僕もびっくりしました)

園長

でもまさかこんなに可愛らしい子が来てくれるなんて。桃くんも隅に置けないわねー

いや、そんな!///

嫌味のない言い方に、恥ずかしくなってしまった

園長

青くんは桃くんの彼女?

なっ……!違います!////

園長

あら、残念

園長

前に桃くんは男の子が好きだって言ってたから、もしかしたらーって思ったんだけど🥰

えっ、そうなんですか!?

園長

ええ。桃くん、いいと思うけどねぇ

そう言ってニコニコしながらこちらを見てくる

恥ずかしくなって僕は俯いてしまった

園長

優しいし気が効くし、桃くんって本当にいい子だよね

そうですね。ちょっとぶっきらぼうなとこもありますけど

園長

確かに、愛ちゃんに対してもそんな感じだったわクスクス

園長

でも、愛ちゃんのことをすごく大事に思ってること、伝わってくる

園長

部活で疲れてるはずなのに、それを愛ちゃんには見せないようにしてるみたいだし

見たことは無いけど、容易に想像ができる

どれだけ疲れていても、愛ちゃんの前では"お兄ちゃん"でありたいんだと思う

園長

あんまり無理しすぎないといいんだけど……って、こんなこと青くんに言っても仕方ないわね。ごめんなさい、忘れて

ハッとした植草先生が笑い飛ばそうとした時、保育園の扉が勢いよく開いた

愛ちゃん

青にー!

僕のこと、覚えてるのかな。なんて不安は、僕に向かって勢いよくかけてきた愛ちゃんによって取り除かれた

慌ててしゃがみこむと、広げた腕の中に愛ちゃんがぽすんと収まる

園長

愛ちゃんよかったね。青にーがお迎えに来てくれて

愛ちゃん

うん!

愛ちゃんと一緒に出てきた先生が、僕に向かって声をかける

保育園の先生

荷物は最小限にまとめてあります。連絡は先程の電話でお伝えしたので、特にありません

(桃くん、そんな余裕あったのかな…?)

首を傾げた僕の疑問を読んだのか、植草先生が話を続けた

園長

事情は桃くんに聞いてたけど、一応こちらからも親御さんに連絡を入れたのよ

園長

な信用してないわけじゃかったんだけど、桃くんの友達ってだけで愛ちゃんを預けるのには不安があったから

連絡、ついたんですね

園長

えぇ、ちょうど会議が終わったところだったみたいで

園長

事情を話したらすっごく驚いて申し訳なさそうにしてたけど、彼なら安心して任せられるので大丈夫ですって仰ってたわ

(桃くんのお母さん、そんなふうに思ってたんだ……)

(へへ、嬉しいなぁ……)

園長

青くん、愛ちゃんのこと、お願いしますね

はい!

返事をしたあと、あいちゃんの手を引いて保育園を後にした

雨が酷くなってきたので、帰りはタクシーを使った

いっぱい移動させちゃってごめんね。雨に濡れたりしてない?

愛ちゃん

ぬれてない!

よかったニコ

荷物を玄関付近に下ろし、愛ちゃんに手を洗わせてから問いかける

愛ちゃんもハンバーグ好き?

愛ちゃん

うん、だいすき!

ほんと?じゃあ、晩ご飯はハンバーグにしよっか

愛ちゃん

やったぁ!

初めは愛ちゃんの好きなオムライスにしようって思ってたんだけど、桃くんがハンバーグ好きだったことを思い出して、病院の帰りにハンバーグの材料を調達したんだよね

愛ちゃんがハンバーグ好きじゃない場合も考えて卵も買ってきたんだけど、大丈夫だったみたい

あ、そうだ。愛ちゃんも一緒に作る?

愛ちゃん

作りたい!

わかった!愛ちゃんが作ってくれたって知ったら、にーに絶対喜ぶよー!

(大好きな妹が作ったハンバーグとか…絶対喜ぶ…!桃くんどんな反応するのかなぁw)

どんな反応にしても、楽しみだなぁw

(ついでに、桃くんの好みを覚えててハンバーグを作ることにしたって気づいてくれたら、もっと嬉しいなぁ…)

じゃあ準備するから、愛ちゃんはテレビ見て待っててくれる?

愛ちゃん

うん!

愛ちゃん

青にー、できたっ

ほんとだ、すごいねぇ!

それは愛ちゃんの?それともにーにの?

満足気な愛ちゃんに尋ねると、彼女はお皿に作り終わったハンバーグのタネを置いて僕を指した

愛ちゃん

これは青にーの!

えっ、僕の分も作ってくれたの!?

(なにこの可愛い子ー!)
(*´﹃`*)💕

ありがとう愛ちゃんーっ

ハンバーグを作ってるせいで手が汚れてるけど、それがなかったら今頃愛ちゃんを抱きしめてた

ブー、ブー…(スマホ)

(わ、タイミングわる……!)

丸めていたタネを置き、慌てて寝れた布巾で手を拭く

もしもし

もしもし、俺だけど

外にいるのか、電話の向こうで微かに雨の音がしている

今、やっと練習終わった。ミーティングして、30分くらいでそっち着くと思うから

了解ー

こんな会話をするたび毎回むず痒くなる

桃くんが来てくれる。桃くんを待っていられる

むず痒いけど、嬉しい

あのね、愛ちゃんがとっても嬉しいこと言ってくれてさ。家着いたら、1番に聞いてくれるw?

なに、気になるんだけどw今じゃダメなの?w

だめ!着いてからのお楽しみ

(今言ったら夕飯ハンバーグだってバレちゃうもんw)

んじゃ着いたら聞かせろよーw

あはは、約束ね。じゃあ、あとでね

ピッ(スマホ)

にーに、もうすぐ来るって

愛ちゃん

ほんと?

うん。だから、もうちょっとだけ待ってようね

桃くんの帰りを伝えた途端、愛ちゃんの表情がぱあっと明るなった

2人になることが不満だっていう愛ちゃんに手を焼いてるって桃くん言ってたけど、なんだかんだ愛ちゃんも桃くんのこと大好きなんだなぁ…

愛ちゃん

もういっこできたっ。これは、にーにのだよ

わ、きれいにできたね!にーに、絶対美味しいって言ってくれるよ

タネ作りが終わったら、ここからは完全に僕の仕事

愛ちゃんにはテレビに戻ってもらい、僕はキッチンへ

それからフライパンに火をかけた

えーと。お米はもう炊いたし、タネを作るのと一緒にスープは作ってあるし……。

あとはハンバーグ焼いて、サラダ作るだけかな

(前と似たような夕飯な気がするけど…)

(料理経験薄い僕には分かんないし)

桃くん、早く来ないかなぁー

桃くんへの気持ちを自覚した時は、辛くて苦しいだけの……苦い恋だって思った

でも、それは思い違いで……

愛おしくて切なくて涙が出るほどの想いを、死に直面してから知るなんて、夢にも思わなかった

終わりなんて、来なければいいのに……

冷蔵庫の中から野菜を取りだし、焼く作業と並行してサラダを作る

サラダとハンバーグを作り終えた時には、桃くんの通話から40分が経過していた

愛ちゃん

にーに、おそいねぇ

そうだねー。何かあったのかな

(ミーティング長引いてるのかな…でもそれなら連絡くれそうだけどなぁ…)

スマホを開いても桃くんからの連絡の通知はない

小さく息を吐いて、スマホを机の上に戻した

愛ちゃん、お腹すいたでしょ?先に食べる?

きゅっと口を引き結んで、愛ちゃんが首をふった

その眉間には、わずかにシワがよっている

(……そうだよね。あと少しで会えるって思ってたお兄ちゃんが全然来なかったら、不安だよね)

(しかもこの雨だしなぁ…雷もなってるし…)

じゃあ愛ちゃん、お絵描きでもして……

待ってようか。その言葉は、震え始めたスマホによって封じられた

(桃くんかな!?)

飛びつくようにスマホを手に取り確認すると

……赤くん?

(なんだろ……)

もしもし、赤くん?

…………

赤くーん?

ーーー……

………え?

聞いて、スマホが手から滑り落ちた

全身から力が抜けていくのが分かる

愛ちゃん

青にー?どうしたの?

心配そうな愛ちゃんの声にも答えることができない

(どうして。さっき、電話で話したのに)

(30分くらいでそっちに着くって言ったのに)

(着いたら、愛ちゃんが言ってくれたこと教えるって約束したのに)

窓の外がピカっと光り、辺り一帯に雷鳴が轟く

桃ちゃんが、事故にあった

神様は、どこまでも意地悪だ

sakura

ここまで!

sakura

では!おつさく!です!

sakura

ばいちゃ(*・‐・*)/

この作品はいかがでしたか?

646

コメント

4

ユーザー

ハニャァァァァァァ☆さとみちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあん

ユーザー

2本も投稿有難う御座います!! 意外な展開に少しびっくりしてます!!このストーリー本当に大好きです✨これからも頑張って下さい〇┐ぺこっ

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