テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
2,176
コメント
1件
読み終えたわ!VTuber二人の特別な関係性がじわじわ来る話やったね。配信シーンでの息の合った掛け合いから一転、酔って嫉妬で押し倒すネス、そしてそれを逆に「俺に狂ってる」と歓喜するつばさの歪な愛がもう…。朝のシーンでネスが逃げられないと悟りつつ安堵する感じ、刺さったわ。第1話からこの重くて甘い温度感、続き気になる🔥 VTuber設定も活きてて良かった!
ぬっしし
ぬっしし
つばさかきデス
ぬっしし
関係ないけどネスは受けだと思う。攻めなわけなかろう!
ぬっしし
花籠つばさ
榊ネス
5月28日。カレンダーに刻まれたその数字は、彼らにとって特別な意味を持つ。通称「ゴツバの日」——花籠翼の誕生日当日だった。 記念すべきバースデー配信のゲストとして呼ばれた榊ネスは、画面の前で昔と変わらない、どこか懐かしくも息の合った掛け合いを繰り広げていた。軽口を叩き合い、お互いの存在を弄り合う空気感は、どれだけ時が流れても色逝せることはない。
【ON AIR:配信中】
花籠つばさ
榊ネス
花籠つばさ
先にデビューし遠い存在になったネス、かつて自分を暗闇に置き去りにした絶望の象徴であり、同時にどうしても手に入れたい光そのものだった。
曲が始まる直前、画面の向こうでギターを構えた翼が、悪戯っぽく、けれどどこか挑戦的に呟いた。
花籠つばさ
その、一瞬だけ敬語の裏に潜んだ「剥き出しの牙」のような言葉と共に、ONE OK ROCKの『Wherever you are』の演奏が始まった。
配信中の二人は、終始微笑ましい先輩と後輩だった。翼は時折カメラに視線を送り、嬉しそうに笑いながら、驚くほど繊細で多彩な音を紡いでいく。歌えない男が、この日のためだけに血をにじませるような努力で磨き上げたギターの技術。それが、ネスの極上のボーカルを完璧にエスコートしていく。
榊ネス
コメント欄は「最高」「神コラボ」「最高の先輩後輩」といった絶賛の嵐で埋め尽くされていく。二人の音楽のシナジーは完璧で、表向きは非の打ち所がない「美しい誕生日記念コラボ」として、大盛況のまま配信は幕を閉じた。
その後、番組の締めくくりとして、現在の翼の所属ユニットである「すぷれあ」のメンバーたちがステージに上がり、息の合った歌唱で配信を美しく完成させていく。 それを舞台袖で見つめていたネスの胸の奥に、ふと、言語化しがたいざわつきが芽生えた。
榊ネス
花籠つばさ
ステージの上で、今の仲間たちと眩い笑顔を交わし合っている翼の姿。
榊ネス
【OFFLINE:配信終了後】
配信が終わり撤収作業が進む中でも、ネスの胸からこの思いは消え去ることはなかった。
賑やかな誕生日会が完全に終わりを迎えた後、ネスは事前の約束通り、翼の自宅へと泊まりに行くことになった。
夜も更けた静かなリビング。部屋の明かりを少し落とし、二人はローテーブルを挟んで、プライベートな誕生日祝いの仕切り直しとしてグラスを傾けていた。 いつもなら冷静なネスだが、今日の酒のペースは明らかに異常だった。
花籠つばさ
翼が苦笑しながら声をかけるが、ネスはそれを無視してグラスを空ける。アルコールがじわじわと脳を侵食し、普段なら絶対に表に出さない泥ドロとした独占欲と嫉妬心が、理性の壁をぶち壊していく。
榊ネス
花籠つばさ
榊ネス
花籠つばさ
榊ネス
_____ドサッ_____
突然、ネスがソファーから立ち上がったかと思うと、対面に座っていた翼に掴みかかり、そのまま床へ力任せに押し倒した。
花籠つばさ
驚く翼の言葉を遮るように、ネスは近くにあったクッションと枕をひったくり、翼の顔や胸元に向けて何度も乱暴に叩きつけた。
榊ネス
花籠つばさ
榊ネス
枕を叩きつける手を止め、翼の胸ぐらを掴んだまま、ネスは息を荒くしてポロポロと涙を零し始めた。
花籠つばさ
花籠つばさ
これまで、どちらかといえばつばさのほうがネスに対して異常な執着を見せ、独占欲を剥き出しにし、時に空回りしては嫉妬させられる側のポジションにいた。それなのに、今、目の前で自分を押し倒し、涙を流して怒っているネスは、完全につばさを自分だけのものにしたいと叫んでいる。 関係性の逆転。その事実を理解した瞬間、つばさの「愛」の重さは限界を突破した。自らのドロドロとした独占欲が、これ以上ない形で満たされていく。
花籠つばさ
榊ネス
ネスは掴んでいた手を離し、顔を覆ってその場に丸まった。
防備で、自分だけに向けられた激しい愛の表れに、翼は内心で激しく歓喜し、歪んだ笑みを浮かべた。
花籠つばさ
花籠つばさ
つばさは床から起き上がると、完全に限界を迎えて泣きじゃくりながら瞼を閉じかけているネスの体を、壊れ物を扱うように、けれど絶対に逃がさない強さで優しく抱きすくめた。
花籠つばさ
榊ネス
花籠つばさ
子供をあやすようにして、半分意識が飛びかけているネスの体を軽々と抱き上げ、寝室のベッドへと連れていく。
マットレスにネスの体を横たえ、毛布を優しくかけると、ネスは小さく吐息を漏らして完全に眠りの淵へと落ちていった。
すやすやと規則正しい寝息を立てるネスの寝顔を見下ろしながら、つばさの瞳から温度が消え、底なしの重い愛が溢れ出す。ベッドの縁に腰掛け、細い指先でネスの髪を何度も愛おしそうに、執拗になぞりながら、つばさは小さく声を漏らした。
花籠つばさ
花籠つばさ
眠っている相手には届かない、重く、深く、どこまでも粘着質な言葉の数々。ネチネチとした独占欲を隠そうともせず、翼はネスの頬をそっと指の背でなぞり、満足そうに目を細めた
花籠つばさ
つばさはそのまま、ネスの隣に潜り込むようにして体を横たえた。そっと腕を伸ばし、ネスの体を自分の胸元へと強く引き寄せ、完全に閉じ込めるようにして添い寝の体勢をとる。腕の中に収まる確かな体温と、自分だけのものになった愛おしい存在を感じながら、つばさもまた、深い眠りへと落ちていった。
カーテンの隙間から差し込む眩しい朝の光が、二人の意識を覚醒させた。
榊ネス
先に目を覚ましたのはネスだった。目の前には、至近距離で眠る翼の顔。自分が翼の腕の中にすっぽりと収まり、身動きが取れないほど強く抱きしめられていることに気づき、昨夜の記憶が断片的にフラッシュバックする。
榊ネス
顔が急激に熱くなるのを感じて必死に身動きを取ろうとした瞬間、つばさの目がゆっくりと開いた。その瞳は、朝一番だというのに、妙に冷徹で、けれど深い愛に満ちた怪しい光を宿している。
榊ネス
花籠つばさ
翼は意地悪そうな、けれどこの上なく愛おしそうな笑みを浮かべてネスを見つめた。
花籠つばさ
榊ネス
花籠つばさ
榊ネス
真っ赤になって暴れるネスを、翼はしばらく堪能してから、満足そうに腕を解いて起き上がった。
花籠つばさ
二人は手際よく身支度を整え、並んでつばさの家を出た。
五月の爽やかな朝の風が、二人の横顔を通り抜けていく。歩く道すがら、他愛のない今日の予定や配信の話を交わしながらも、二人の間の空気は、昨日までよりも確実に、濃密で逃れられない特別なものへと変化していた。
花籠つばさ
榊ネス
同じ事務所へと向かうその足取りの中で、ネスは二度とつばさの手から逃れられないことを本能で悟りながらも、その重い愛にどこか安堵している自分に気づいていた。二人の特別な絆は、より深く、歪に繋がって続いていく。