祐介
なあ、カナエ

カナエ
ん?どした?

祐介

祐介
俺さ、お前に言ってないことがあって…

カナエ
なに?
もしかして浮気とか?笑

祐介
いや、

祐介
そういうんじゃなくて

カナエ
じゃあなに??

祐介
実は

祐介
人を殺したことがある

カナエ
は?え??どゆこと???

カナエ
え、なんで?

カナエ
刑務所行ってたとかそういうこと?

カナエ
でももう罪償ったんだよね?
ショックだしなにがあったのかとか気になるけど…聞かない方がいい…よね…?

祐介
いや、聞いてくれ

祐介
俺は実はまだ捕まってない…

カナエ
え?!逃げてるってこと!!?

祐介
違うんだ

カナエ
じゃあどういうこと!?

カナエ
わたしさすがに匿ったりできないよ…

カナエ
それに大好きだけど祐介が殺人なんて…

カナエ
信じられない

カナエ
祐介は誰を殺したの…?

祐介
それは

祐介

祐介
カナエ、お前なんだ

カナエ
え

カナエ
なに言ってるの

カナエ
今連絡とってるじゃん

カナエ
そういう冗談やめてよ

祐介
あぁ

祐介
だから

祐介
お前は誰なんだ?

カナエ
え

カナエ
わたしはわたしだよ…

祐介
そんなわけない

祐介
だって今

祐介
俺はカナエのそばにいる

祐介
カナエの死体のそばに…

カナエのスマホは祐介からの
連絡が来るたびに通知が表示される
祐介
なあ、お前は誰なんだ…?

カナエ
わたしはわたしだよ

カナエ
カナエ

カナエ
祐介と付き合ってる

カナエ
付き合って3年目の今日をうちで祝って

カナエ
それなのに祐介は別れようって言った

カナエ
他に好きな人ができたって

カナエ
それでわたし

カナエ
祐介のこと手放したくなくて

カナエ
殺してやるって

カナエ
ナイフを持って…

カナエ
それから…

カナエ
祐介のこと刺して

祐介
俺はとっさにカナエの首を絞めて

祐介
殺した

祐介
さっき警察に通報して

祐介
警察が来るまでカナエとの思い出を見返そうと思って

祐介
それで出来心で送信したらお前から返信が来て

カナエ
そんな

カナエ
わたし、死んでるの…?

祐介
あぁ

祐介
俺は罪を償う

祐介
もうすぐ警察も来る

カナエ
そんなことさせない

カナエ
祐介は誰にも渡さない

カナエ
大丈夫

カナエ
一緒にいこ

祐介
まて

祐介
どこに

カナエ
そんなの決まってるじゃん

カナエ
地獄だよ

腹に突き刺されていたナイフが
さらに深く刺さり抉られていく感覚
祐介
早く…!

まだ死にたくない、間に合ってくれ
そう願う気持ちと裏腹にナイフは深く刺さっていく
そして…
カナエ
全部許してあげる

カナエ
これでもう邪魔されないね
