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林檎売りの泡沫少女
遠い遠いときのはて
そこに住まう人はみな
永遠の命を持つ世界でのお話
赤い実のなる木の下
LalaLu 生まれながらに
死の呪いがかけられた少女の話
色づいた町外れ蒼く光る湖畔
赤い実のお菓子屋
ちょっぴり寒くなった今日は妙に誇らしげ
自信作を売りにゆく
待ってて 今度こそ美味しいんだから
時計塔の見える市 驚いた
珍しく賑やかね
La La Lu Lucky
物憂げな街の隅 一人
𝓨
少女を見て蔑む人たち
みんなと何も変わらないのに
美味しくできたのに
今日も声は届かないのね
まるで透明になったみたいだわ
そうして誰もが知らぬふりをした
なぜなら少女は呪われているから
死んだ世界で唯一人生きてきた少女の話
夜なべでアレンジパイとにっこりスマイル引っ提げ
少女はまだ諦めない
時計塔の針も空を指してお腹もなるそんなとき
ふと後ろから人が少女を押す
甘い籠が落ちる
お菓子を踏みゆく人たち 平気な顔してさ
惨めに拾い集める ふともう一人の手が
ドロドロのパイを徐に口に入れて
𝓚
その声で心は溢れた
まるで輪郭を描いたみたいだわ
そうして彼は手を差し出した
何故なら少女に呪われているから
死んだ世界で唯二人生きていた遠い世界の物語
街の人たちは哀れむ 赤い実を食べて呪われた者を
永遠に生きられず死ぬのさ 嗚呼なんて可哀想な話
二人は笑う
それでも笑う
LaLaLa 素敵な呪いね
たとえ明日死んでも『今』が確かで大切になるから
𝓨
𝓨
𝓨
𝓨
呪われているから
𝓨
𝓚
𝓨
𝓚
死んだ世界で唯二人だけが幸せだった
ぬっしっしー
ぬっしっしー
ぬっしっしー