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泣きました😭😭😭感動すぎます!!表現がうますぎます!、
1ヶ月前のことを思い出す。
テテ
ユンギ
日差しが差し込むリビング。
俺の隣には、恋人のテヒョン。
テテ
ユンギ
一緒に行け、ということか。
テテ
ユンギ
テテ
行きたいのは山々だが、 俺はテヒョンに サプライズをする準備があった。
ユンギ
テテ
帰ってきたら、 指輪を渡すつもりだったのだ。
ユンギ
テテ
テテ
ユンギ
テテ
あいつは振り向きざまに、 俺にそう言った。
「愛してるよ」
そう言ったのかどうか、 俺は覚えていない。
医者によると、 俺はあの日の出来事の一部が
欠落しているらしい。
あの日ー。
待てども待てども、 テヒョンは帰ってこなかった。
指輪を握りしめていた俺に 届いたのは、
病院からの電話だった。
「テヒョンさんが交通事故で お亡くなりになりました」
その一言が今も、 耳にこびりついて離れない。
病院に急いで向かった俺。
どうか嘘であってくれ。
そう願いながら、 タクシーに乗り込んだ。
その後、俺の記憶があるのは 一週間後。
どうやらショックで倒れたようだった
目覚めたらテヒョンの葬式も お通夜もすべて終わっていて
俺はあいつに 別れさえ言えなかった。
テヒョンは、 轢かれそうな猫をかばったと、
昨日警察の方から聞いた。
もし俺が買い物に付いて行ってたら。
テヒョンは、 死ななくてよかったのだろうか。
考えるのは無駄だと知っていても、 後悔は拭いきれない。
ジン
そう言ってジンヒョンは ガランとした家に入ってきた。
テヒョンがいない家は、 まるで生気を失ったかのようだ。
当然、 僕もまだ悲しみから 立ち上がれていない。
そんな俺を心配してか、 ジンヒョンは僕を訪ねてきてくれた。
ジン
ジンヒョンは、 俺とテヒョンの共通の知り合いだ。
俺達の関係も、知っていた。
ユンギ
ヒョンの手には、 手提げバッグと目の粗いかごがある。
ジン
ジン
猫? それって…。
ジン
ジン
ユンギ
籠から顔を覗かせる小さな猫。
ユンギ
その猫は、 何故かテヒョンを連想させた。
ジン
テヒョンアの生まれ変わりかな、
なんてそう思った。
テヒョンアが命を失った 一つの要因であるのに、
嫌な気持ちにはならなかった。
ユンギ
テテ
うっすらほほえみながら、 ヒョンは籠を俺に渡した。
ユンギ
ジン
テヒョンアからユンギへの 預かりものだよ。
ユンギ
ユンギ
俺の頭は 疑問でいっぱいだった
ジン
そういったジンヒョン。
ヒョンの口から紡がれていく言葉は、 衝撃的なものだった。
実は、テヒョンアは長らく 癌を患っていたらしい。
「いつ死んでもおかしくない」
そんな、状態だったという。
医者も手を尽くしたが、 もうあとは残された命を 待つだけだったようだ。
なんで俺に 教えてくれなかったのか、
そう思った。
知っていたら、 思い出をたくさん作れたのに。
そう嘆く俺にジンヒョンは、
例の「預かりもの」を差し出した。
預かりもの。
それは、 テヒョンの日記。
テヒョンの引き出しの中にあったそうだ。
自分が死んだら俺に渡してほしいと、 ジンヒョンに頼んでいたらしい。
「思い出日記」
キムテヒョン
4月3日 今日は、桜が満開だったので ユンギヒョンとお花見をしに行った。 ユンギヒョンの肌が真っ白で、 すごい綺麗だった。
4月4日 今日は定期検診の日。 癌の検査がちょっと痛かったけど、 ユンギヒョンが褒めてくれた。 みかんゼリーも買ってくれた。 初めて食べたけど、美味しかった。
覚えてる。 テヒョンアが泣きながら帰ってきて みかんゼリーを買ってやったっけ。
そのあとも、 日記は細かく続いていく。
パラパラとめくっていくと、 パリパリとしたページが続いている。
それは、 テヒョンの涙の跡だった。
5月27日 あの検診の結果が帰ってきた。 僕、癌だった。 これからもユンギヒョンと 一緒にいたいのに。 でもよかった、 ユンギヒョンが癌じゃなくて。
嗚咽を抑えきれず、 俺の口からうめき声が出る。
泣いていいんだよ、 とヒョンが背中を擦ってくれている。
俺は涙など気にせず、 どんどん読み進めていった。
9月1日 今日はグガの誕生日会をした。 今年でこれも最後。 そう考えると、涙が溢れてきて みんなに迷惑をかけちゃった。
これも、覚えてる。 急にテヒョンが泣き出したもんだから 慌ててみかんゼリーを買いに行った。
9月2日 ユンギヒョンには言わないことにした。 いつもどおりの生活を 送りたかったから。 今日治療に行ったけど、 僕の命はあと5ヶ月位だって。 神様のバカ。
11月31日 あと二ヶ月になっちゃった。 死にたくないよ。 ユンギヒョンの誕生日まで生きたいのに。 最近体のあちこちが痛い。 もう僕、だめなのかな。 みかんゼリーが すっかり僕の精神安定剤だ。
そして、 日記はいよいよ最後の日付になった。
ー2月5日ー テヒョンが、亡くなった日。
2月5日 もう、5ヶ月を過ぎた。 いつ死んでもおかしくない、 そう思ったら苦しかった。 だから今からみかんゼリーを買いに行く。 行く前にユンギヒョンが…
「愛してる」って言ってくれたの。
僕も愛してるよ、ヒョン。
日記はそこで終わっていた。
ああ。
言葉にならない声が、 口から漏れる。
そうか俺、 愛してる、って言ってたんだ。
ユンギ
俺は泣いた。 多分人生で、一番。
愛してる、って言えてて 本当に良かった。
ユンギ
ジン
ユンギ
ユンギ
ジン
ジン
ユンギ
ジン
ジン
ユンギ
そう言って、 ジンヒョンは家を出ていった。
2週間後。
ユンギ
ミャオ〜。
俺は、 猫に「テテ」という名前をつけた。
まだ悲しみは言えないけれど、 テテがいれば大丈夫な気がした。
ピンポン♪
ドアフォンがなる。 届けられた荷物、 それは…。
ユンギヒョンへ。
お誕生日、おめでとうございます♡ 僕がいなくても、 元気でやっていますか?
そう、 俺の誕生日を祝う テヒョンからの手紙だった。
いきなり死んでしまってごめんなさい。 ヒョンの誕生日までは 生きていたかったんですけどね笑
笑をつけていても、 手紙に涙の跡がついている ことくらいわかる。
僕、誕生日プレゼントも 送っときましたから。 何が来るかはお楽しみです。 もうすぐ、 つくんじゃないですかね。
あまり長い手紙は かけないので、 この辺で終わりにします。 ではヒョン、 また来世で会いましょう。 さようなら、愛してます。
その時、 またドアフォンが鳴った。
今度は、プレゼントの方だった。 送られてきたのは、 箱詰めのみかんゼリー。
テヒョンじゃないんだから、 と笑いつつも何故か涙があふれる。
箱を開けると、 大量のみかんゼリー。 その上に、紙切れ一枚。
追伸 まさか手紙が終わると思いました?笑 僕、ヒョンが100歳になるまでの 手紙とプレゼントを 郵便局に保管してありますから。 来年もお楽しみに♡ テヒョンより。
これからも俺の人生は テヒョンと一緒のようだ。
俺はテテを胸に抱いて、 涙を拭った。
𝐸𝑁𝐷