1話で終わるタイプのやつ

2ヶ月前に医者から余命2ヶ月と言われたことを思い出す。

娘がそう言われて親はどういう反応をしていたっけ？

あぁ、思い出した。

心拍数がどんどん上がっていく

首がどんどん閉まっていく。

誰か助けて…苦しいよ

バサッと部屋の外から音がした。

…助けに来たよ

苦しいんでしょ？痛みから解放されたいんでしょ？

目の前が一瞬真っ白になった

窓の外を見ると角が短く生えていて、尻尾は細長く、羽根も小さい少女がいた

ベッドから降りて窓を開ける。

そう言いながら目の前の吸血鬼はドアを閉める。

彼女の紅い瞳が私の瞳を吸い込まれるように魅了する。

瞼をゆっくりと閉じる

大きく息を吸い込む

今までの鬱憤を晴らすかのように吐き出す。

もあはにかっと効果音が鳴りそうなほど笑顔を見せつける。

自信持ちなって！と言いながら肩をポンっと叩いた。

ほら、召使いみたいに！と人差し指だけ立たせて上を差しながら言う。

そう言いながら外の赤い月を指す。

日記をパラパラと開き、昨日のページまで遡る。

だってしあは動けない。病人だから。 それに、治ったとしても病み上がりでは再発する可能性が高い。

しあはホンモノじゃない。動けない。 だから本来貰うのはもあで、しあは受け取る立場になる。

困惑しつつも翼つけたいと思ってみる。

こんなの科学で理由付けられないよ！

もあが軽くぱん、と手を合わせると空気中に白い黒板のようなものが出てくる。

そう言いながらキュッキュッと音を立てながら蝶々やカメレオンを描く

もあのような絵を描き、先程の蝶々やカメレオンの間に等号を描いた。

ぱんっと手を叩く。そうしたら黒板のようなものは消えてしまった。

子供になりたい！

ぽんっと煙が出てくる

貰ってるところカットします

それはお母さんと暮らす日々は楽しくなかったってこと…？

そんなことは駄目。お母さんはステキな人だから暮らす日々は、絶対楽しい。

しあは目を開き、涙を流す。

姿形を変えて、昔の私とはさよならしよう。

2人は南の空へと飛んでいった

流れ星、ねぇ。

Fin.