TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

アタシには7歳下の妹が居る。

妹は出来の悪いアタシとは違って

頭も要領も良くて 美 人

アタシといえば、全てがそこそこで、何も無い。

特に何もない女。

でも、こんな姉を 妹は常に尊敬していてくれる。

しかしそれは

私にとって、 重荷でしかない。

チカ

ねえ、お姉ちゃん。聞いてる?

アユ

あっ、ごめんごめん

アユ

ボーっとしちゃってた

アユ

昨日仕事で夜遅くまで残業してたから……

チカ

ああ……、そうなんだ

チカ

忙しいのに呼んだりして、ごめんね

アユ

いいのよ

アユ

それよりも、どうしたの

アユ

急に相談事なんて……

アユ

もしかして、お腹の赤ちゃんのこと……?

チカ

ううん……違うの

チカ

あのね、うちのダンナさんのことなんだけど……

チカ

最近帰りが遅いし

チカ

「残業」って言ってたけどさ

チカ

一週間前、帰って来た時に

チカ

ダンナから香水の匂いがしたの

チカ

あの人、香水なんてつけないし

チカ

それで……昨日の土曜日に

チカ

「休日出勤だから」って言って出て行って

チカ

夜遅くに帰ってきたの

チカ

その時も同じ香水の匂いがしたの

チカ

……おかしいよね

チカ

これって不倫……だよね?

チカは涙を流しながら、こちらを見る。

私は、微笑んだ。

アユ

考えすぎよ

アユ

香水なんていくらでも同じものがあるのよ

アユ

アタシも自分の匂い気になるから常に持ってるし

アユ

少しかいでみる?

アユ

妊娠中だし気持ち悪くなるといけないから

アユ

フタ開けて少しかぐだけにしなさいね

チカは香水のビンを手に取り、 フタを開けてかいだ。

チカ

……ほんとだ

チカ

……!
っていうか、この匂い……

チカ

ダンナから匂ってきたのと一緒……

チカ

なんで!?

アユ

落ち着きなさいよ

アユ

この香水、今バカ売れしてるのよ

アユ

女の人はもちろん

アユ

男の人にもね

チカ

えっ?

アユ

だからチカのダンナさんが

アユ

女の人に会ってたなんて証拠にはならないのよ

チカ

でもっ……そんなのわからないじゃない

アユ

……この香水ね、男の人の方がつける率は高いらしいわ

アユ

女の人は「デザインがかわいい」って言って、
買うことが多いんだって

アユ

だからあんまりつける人いないの

アユ

それに最近は

アユ

「この香水=男の人」みたいなイメージついてるからね

アユ

あんまり女の人使わなくなってるの

チカ

そうなんだ……

アユ

チカのダンナさん、マジメでしょ?

アユ

多分、本当に休日出勤したんじゃないかな

アユ

残業もそうだろうし

チカ

そっか……そうだよね

アユ

香水は職場の人が付けてるとかじゃない?

チカ

あー……そういえば

チカ

めちゃくちゃ香水つけてくるって人がいるって言ってた

チカ

その人、よくキャバに行くんだって

チカ

それで60近いのに若作りしまくってるって……

アユ

多分その人と仕事してるんじゃない?

チカ

そっか……うん

チカ

やっとスッキリしたよ、お姉ちゃん

チカ

ありがとね

アユ

もうすぐお母さんになるのに

アユ

そんな気弱になってどうするのよ

チカ

うん、そうだね

アユ

それに

アユ

しばらくしたら、アナタ……

アユ

この子のおばさんになるのよ

私が自分のおなかをなでると、 チカはおどろいていた。

チカ

えっ!?

チカ

お姉ちゃん、赤ちゃんできたの!?

アユ

うん、秘密にしてたの

チカ

えー、そうだったんだ!

チカ

ということは、誰かと結婚するってことだよね?

チカ

お姉ちゃんのダンナさんになる人、どんな感じなの?

アユ

んー、どうかな

チカ

もったいぶらないで教えてよ~

甘えるように言ってくるチカが

本当にウザい

でもそれも

これで終わりだ

真実を知れば、チカは私をにくむだろう。

でも、それが私の復讐なのだ。

よくできて

いつも私に劣等感をいだかせる

妹への

チカ

ねえ、どんな人なの~?

アユ

うふふ……仕方ないわね

アユ

教えてあげるわよ

チカ

わーい、誰?

アユ

アンタのダンナよ

この作品はいかがでしたか?

12

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚