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探索Ⅰ
ミッション内容: SCP-3333の初期偵察。 職員: D-4f68a 追加情報: D-4f68aは標準仕様の探索用録画、録音装置を装備していました。探索はサントップ監視所内に暫定的に設置された監視基地に駐在するウィリアムズ博士と補佐チームにより監督されていました。
[ログ開始]
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
ウィリアムズ博士とD-4f68aの近さにより若干の音声フィードバックがある。D-4f68aは梯子を登りSCP-3333へ入る。
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
間
ウィリアムズ博士
D-4f68aはSCP-3333をおよそ1時間登り続ける。
ウィリアムズ博士
D-4f68a
D-4f68aはドアを開ける。強い風が即座に部屋に吹き付け、D-4f68aを反対側の壁に叩きつけ、家具が動く。D-4f68aは何とか部屋を横切り、ドアを閉める。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
D-4f68aはSCP-3333を登るのを再開する。風の音が聞こえる。SCP-3333の内装に変化はない。D-4f68aはおよそ3時間登り続ける。10コピーを経るごとに、D-4f68aは簡単な掛け算を用いた認識テストを行う。ベースラインからの変化は見られない。
数時間後、D-4f68aは休息し、レーションを摂る。この時点で、ビデオ録画の分析によると184コピーのSCP-3333を登ったことになる。
ウィリアムズ博士
D-4f68a
D-4f68aは認知テストを行う。ベースラインからの変化はない。D-4f68aはSCP-3333を184コピー登っているが、これは高さ673メートルに相当する。若干の上昇距離の差は観測されるが、予想より遥かに小さい。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68aは更に4時間登り続ける。日が沈み、D-4f68aはキャンプを立てて眠る。
翌朝、D-4f68aはSCP-3333を登るのを再開する。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
SCP-3333から南西の尾根に、2つの小さな人影が見える。彼らは動かずに立っているようにみえる。これらの人影はD-4f68aの視点からしか見えず、ベースキャンプからは見えない。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
D-4f68aは双眼鏡を用いて人影を見る。ベースキャンプはD-4f68aのカメラを通してズームインしようと試みたが、解像度が低すぎて何も明らかにならない。
D-4f68a
人影は振り向いて尾根の向こう側に行ってしまう。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68aはSCP-3333を登り続けるように指示される。人影に関してベースキャンプで議論がなされるが、合意には至らない。
D-4f68aはSCP-3333の345番目の繰り返しまで登り続ける。他の人影は発見されない。D-4f68aは朝までキャンプする。
翌日、D-4f68aはカメラとマイクを起動するのをしばらく忘れていた。その後少しして、D-4f68aは不安と落ち着かなさを感じると証言した。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68aはSCP-3333を登り続けるが、時折基地へ引き返す許可を求める。申請はすべて却下される。ビデオ映像が壁の文字やミーム効果に関して分析されるが、何も見つからない。
527コピーめで、SCP-3333の周辺環境は劇的に変化する。サントップ監視所の複数のコピーが格子状に接続され、ドアを通じて行き来可能である。自然光や、空、地面といったものは見えない。完全な暗闇であり、梯子や跳ね上げ扉を備えた監視所のコピーは存在しない。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68aはライトの電源を入れようとする。点灯しない。D-4f68aはバッテリー挿入箇所を確認するよう指示される。それは空である。バックパック内の予備バッテリーを使うように指示されるが、D-4f68aはそれを見つけられない。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68aのカメラには何も見えない。
D-4f68a
D-4f68aはパニックしはじめる。
D-4f68a
ウィリアムズ博士
D-4f68aのカメラとマイクが同時に切断される。
ウィリアムズ博士
D-4f68aのビデオ録画の分析からは通信切断の原因はわからない。装備の故障は考えづらいと結論された。D-4f68a消失の状況と、SCP-3333上部に未知の異常なオブジェクトが存在する可能性を鑑み、さらなる探索が申請され承認された。
探索Ⅱ
ミッション内容: D-4f68aの消失の原因の探索、D-4f68aにより発見された異常現象の再発見、SCP-3333に存在する異常な実体の同定。 職員: MTF Mod-0 ("特徴的固有空間") 追加情報: MTF Mod-0のメンバーは全員、標準仕様のサバイバル装備と記録装置を装備していた。特殊な装備は必要ないと考えられた。全てのバッテリーとバックアップは3回チェックされた。ウィリアムズ博士はベースキャンプから監督に当たった。
[ログ開始]
Mod-1
Mod-2
Mod-3
Mod-4
Mod-5
Mod-1
チームは全員SCP-3333を登り始める。付近の稜線に人影は見えない。天候は曇りで、風の音が聞こえる。機動部隊が登るに従い、風は少しずつ止む。
数時間の上行の後、Mod-4とMod-2はD-4f68aがSCP-3333を出ようと試みた部屋に到達する。家具類は乱れたままであり、動かされたようには見えない。
Mod-1
Mod-0のメンバーは集結し、SCP-3333外部の探索を行おうと試みる。Mod-2がロープを結びつけられ、SCP-3333を出る。強風はなく、Mod-2は難なく外に出る。
Mod-2
ウィリアムズ博士
Mod-1
機動部隊のメンバーはSCP-3333を出て探索を開始する。SCP-3333の周辺環境はサントップ監視所のそれと同一である。植物、動物とも生物は見られない。人型存在も見られない。機動部隊は数時間探索し、SCP-3333で再会する。
Mod-3
Mod-4
ウィリアムズ博士
Mod-1
機動部隊はさらに数時間上昇を続け、夜になるとキャンプする。速度はD-4f98aよりも遅い。彼らはSCP-3333をさらに数日進行したが特筆すべき事象には出会わない。視覚的、音声的な幻覚も発生しない。4日目に、SCP-3333の頂上に到着する。
Mod-1
機動部隊のメンバーはランタンや懐中電灯を装備する。全てバッテリーが完備されており、予備バッテリーは2回チェックされた。機動部隊がこれらを行う以外の音や光は観測されない。
Mod-1
Mod-1はランダムに方向を指し示し、機動部隊はそこへ進む。反射マーカーが目印として残される。
SCP-3333のコピーが、通路を介して水平に接続されている。これらのコピーにはこれまでと異なり、下へ向かう階段はなく、通路に接続される部分の手すりは除去されている。通路に継ぎ目はなく、人が行うような工事の跡も見当たらない。
Mod-2はランダムに通路の板を持ち上げたが、その下には漆黒しか見えない。Mod-2はサイリウムを穴へ落とすが、底は見えない。Mod-3は信号弾を打ち上げるが、天井は見えない。音も光もない。
ウィリアムズ博士
Mod-4
ウィリアムズ博士
Mod-1
ウィリアムズ博士
Mod-1
機動部隊は分散し、起点から放射状に探索を開始する。これはおよそ1時間続く。
Mod-3
Mod-4
Mod-2
Mod-1
機動部隊のメンバーは集合する。その途上で、Mod-5の電灯が消える。
ウィリアムズ博士
Mod-3
Mod-4
Mod-2
Mod-3
Mod-1
Mod-2
Mod-3
Mod-4
Mod-1
ウィリアムズ博士
Mod-1
Mod-2
Mod-3
Mod-4
Mod-1とMod-3、 Mod-2とMod-4がペアになる。彼らは放射状に探索する。未だ音はない。ウィリアムズ博士はMod-5の応答途絶前のカメラ映像を再生する。異常のあとはみられない。カメラは通信し続けているが、完全に暗闇しか写っていない。
Mod-2とMod-4は転倒する。2つの大きな音、おそらくは彼らの体が床に当たった音がする。微かな滴るような音がする。両者のカメラとマイクがほぼ同時に切断される。Mod-5のカメラとマイクも切られる。
ウィリアムズ博士
もう1つのドシンという音がする。Mod-3のマイクとカメラが切断される。
ウィリアムズ博士
Mod-1
ウィリアムズ博士
Mod-1
Mod-1のヘッドランプが周辺を素早く見回す。他のMod-0のメンバーの兆候は見えない。
Mod-1
ウィリアムズ博士
Mod-1
他の4人のカメラとマイクが再起動する。同時ではないことが、手動で装備を起動していることを伺わせる。
Mod-5
ウィリアムズ博士
Mod-3
Mod-1
Mod-2
Mod-3
Mod-4
Mod-5
Mod-1
Mod-1のマイクとカメラが突然切れる。
Mod-2
Mod-1のカメラとマイクが再起動する。
Mod-1
Mod-3
ウィリアムズ博士
Mod-4
Mod-5
Mod-2
Mod-4
ウィリアムズ博士
サントップ監視所以外にはカメラには何も写っていない。
ウィリアムズ博士
Mod-1
Mod-4
何も見えない。
ウィリアムズ博士
Mod-3
Mod-2
Mod-1
ウィリアムズ博士
Mod-1
[間]
機動部隊からのフィードからは何も見えない。
Mod-1
Mod-3
Mod-4
Mod-5
Mod-3
Mod-1
Mod-5
All
機動部隊Mod-0はSCP-3333の頂上から撤退し、素早くSCP-3333を下る。数日後、ベースキャンプに到着しデブリーフィングを行なう。彼らはSCP-3333の頂上での出来事について混乱を示し、再進入に強い抵抗を示す。状況とミーム媒体の存在の可能性を鑑み、機動部隊Mod-0の反対を押し切り、特殊抗ミーム工作員がさらなる探索のために投入される。
探索Ⅲ
ミッション内容: SCP-3333の頂上を探索し、内部のミーム的異常存在または媒体を発見、無力化する。 職員: ミーム対抗スペシャリスト0 ("無を歩くもの") 追加情報: スペシャリスト0は盲目、聾唖であり、手に埋め込まれたシグナルシステムを用いてコミュニケートする。通常仕様のレーションが支給された。他の装備は不要であった。ウィリアムズ博士と機動部隊Mod-0が作戦を監督する。
[ログ開始]
0
ウィリアムズ博士
0
スペシャリスト0はSCP-3333を上昇し始める。
Mod-5
ウィリアムズ博士
Mod-5は返答しない。スペシャリスト0は登り続ける。
0
ウィリアムズ博士
0
数時間が経過する。
0
ウィリアムズ博士
0
ウィリアムズ博士
0
スペシャリスト0はさらに数時間登り続ける。この時点で、 スペシャリスト0は12時間以上登り続けている。
ウィリアムズ博士
0
スペシャリスト0は数グラムのアンフェタミンを摂取し、登り続ける。
0
ウィリアムズ博士
カメラの端に動くものがチラリと写る。何かが窓越しに見ており、カメラがそちらの方向を向くと隠れる。風は強く、外に出れそうにない。
ウィリアムズ博士
0
スペシャリスト0は登る速度を上げる。チラリと写る何かが時折SCP-3333の外に見える。小さなサラサラという音が風にまじり時折聞こえる。
Mod-5
0
スペシャリスト0は速いペースで登り続ける。およそ1時間後、スペシャリスト0と"彼ら"はSCP-3333の頂上に着く。
0
スペシャリスト0は歩き始める。"彼ら"もライトは点けない。カメラには何も写らず、スペシャリスト0の足音だけがマイクに聞こえる。大きなバタリという音が遠くに聞こえる。
0
[間]
0
スペシャリスト0は歩く速度を上げ、突然止まる。いつくかの小さなサラサラという音が聞こえるが、それらは素早く消える。
0
スペシャリスト0がしゃがみ込み、服が擦れる音が聞こえる。サラサラと言う音が、より大きく、近くで再び聞こえる。
Mod-5
ウィリアムズ博士
何かを潰すような音がいくつか聞こえる。
0
サラサラという音はより大きくなり、どんどん近くなる。それらはスペシャリスト0を取り囲み、重なり合い、鳴り続く虫の羽音のようになる。
Mod-5
0
ドシンという音。
0
ウィリアムズ博士
0
ウィリアムズ博士
0
ウィリアムズ博士
スペシャリスト0のライトが点灯する。スペシャリスト0は地面に横たわっている。ライトは積み上げられ、腐敗の進んだ筋肉、臓器、骨を映し出す。金属のドッグタグがスペシャリスト0の手に掴まれているのが見える。それには"機動部隊Mod-5: グラハム・パーセル"と書かれている。
[データ削除]
[封印データ]
メッセージ: 2039/04/02受信
補遺I: 探索IIIのイベント群に続き、SCP-3333内の実体群(以下、SCP-3333-1と呼称)は暫定観測ポスト3333の全人員を殺害、もしくは彼らに擬態しました。救難シグナルは発信されず、探索IIIに関するデータも事後レポートが完成するまでは転送されませんでした。SCP-3333-1実体群はSCP-3333の観察と探索を見かけ上実施し、1ヶ月の間マンパワーと装備を要求し続けました。1人の補給補助員が殺害もしくは擬態される前に非常メッセージを送信することに成功し、初めて異変が明らかとなりました。再収容チームがSCP-3333に到着した時には、施設は完全に放棄されていました。50人を超える職員が失われました。 財団職員に擬態していないものも含め、多数のSCP-3333-1実体が開放されたと想定されるため、これらを調査、捜索、無力化するため、単目的部隊ラムダ-1("持つもの/持たざるもの")が創設されました。
補遺II:
2039/04/02、ウィリアムズ博士の携帯電話より、暗号化されたメッセージが受信された。それはSCP-3333内部から送信されたのではないと思われるが、正確な場所は特定されていない。 メッセージには以下に記す、ウィリアムズ博士のログが含まれており、彼女が機動部隊Mod-0から逃走していたことはほぼ確実と思われる。補足として、このメッセージを添付する。読者は思慮されたし。 アードマン博士
探索Ⅵ
以下はSCP-3333内部にて、ウィリアムズ博士により携帯電話に録音された。
ログ開始
記録は探索IIIの終了から少し後に始まる。ウィリアムズ博士はカメラを装着してSCP-3333を上昇している。彼女は息を乱し、何かから逃げているように見える。下方から銃声が聞こえる。
ウィリアムズ博士はおよそ10分間上昇し続け、休むために止まる。彼女はカメラをテーブルに立てかけ、椅子で下への跳ね上げ扉を封鎖する。彼女は座り込む。
彼女は血で覆われ、パニック状態にあるように見え、拳銃を持っている。彼女はカメラを見て、喋り始め、そして泣き始める。およそ1分間泣いた後、泣き止む。
ウィリアムズ博士
ガタガタという音がする。何者かが跳ね上げ扉を開けようとしている。ウィリアムズは銃を取り、扉に向ける。
声
ウィリアムズ博士
Alpha-3
ウィリアムズ博士
何本かの指が跳ね上げ扉から現れ、押し上げ始める。ウィリアムズは扉の上に乗りそれらの指を踏む。粉砕音がして、指は扉に挟まれたまま完全に平らとなる。それらが引き戻されるにしたがい何かが裂ける音がする。ウィリアムズはドアの上から2発射撃し、カメラを掴み再度上昇を始める。
ウィリアムズ博士はさらに跳ね上げ扉を封鎖しながらおよそ1分半登り、立ち止まり嘔吐し、およそ10分間泣く。
それに続き、ウィリアムズは20時間以上止まらずに登り続け、崩折れる。およそ2時間の間意識を失い、叫びながら起きる。
ウィリアムズ博士
SCP-3333の外では雨が降り始める。ウィリアムズは笑い始める。
ウィリアムズはカメラを立てかけ、雨を飲むため外へ出る。程なくして、彼女は唾を吐きながら中へ戻ってくる。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズは上昇を再開し、1時間登る。
SCP-3333のドアにノック音がする。
ウィリアムズは即座に立ち止まり銃を取り出す。呼吸は荒く、手は震えている。
もう一度ノック音、今度はSCP-3333の逆側から。
ウィリアムズは振り向く。D-4f68aがドアのところに立っている。彼は極度に痩せており、ドアにもたれている。彼の皮膚は乾いてひび割れ、潰瘍ができ、ところどころほとんど剥がれ落ちている。彼はドアを開けようとする。ドアには簡素なノブ鍵がついていて、彼は開けられない。
D-4f68a?
ウィリアムズ博士
ウィリアムズはドアから下がり、銃をD-4f68aに向ける。彼はドアを叩き続ける。
D-4f68a?
ウィリアムズ博士
沈黙
D-4f68aの顔が完全に弛緩する。
SCP-3333-1
D-4f68aはドアの木板の一枚を拳で破壊する。血は出ない。彼は手を差し入れノブを回す。ウィリアムズは発砲し始める。D-4f68aはドアを開けてウィリアムズに向けて走り始める。ウィリアムズはD-4f68aに5回発砲する。一発の弾丸が脚に命中し、彼は崩折れる。彼は地面でのたうち始める。彼の皮膚は一部しか動きについてこず、まるで彼の内部で何かが動き回っているようだ。ウィリアムズは更に5回発砲する。一発がD-4f68aの腕に命中する。血は出ない。彼の腕は平たく見える。D-4f68aは裏返って這い去ろうとする。彼の腕はゴムのように後ろ側へ揺らめいている。彼の腕の中に中身はないようだ。ウィリアムズは叫ぶ。D-4f68aの胸部の中央部の中で何か大きな物体がうごめいている。D-4f68aの残りはその周囲ではためいており全く役に立っていない。D-4f68aの中で大きな羽ばたき音がする。ウィリアムズは4回発砲し、2発がD-4f68aの胸部に命中する。裂けるような音がして、カメラが落ちる。ウィリアムズはもう一度発砲し、銃は空になりクリック音がする。大きな、乾いたドシンという音がする。ウィリアムズはカメラを拾う。彼女はショックを受けたようにみえる。ウィリアムズはカメラを置き嘔吐する。彼女はカメラをもう一度拾い、D-4f68aの死体に向ける。壊れた窓によりかかった大きな黒い塊がある。透明なゼラチン状の血液がそこからにじみ出ており、それは死んでいるように見える。実体の正確な生理を見分けるのは難しいが、それは厚い半透明の翅を持っているように見える。床に積み上がった皮膚があり、それは引き裂かれている。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズ博士はもう一度嘔吐しようとするが、数秒えずいただけである。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズは数分登り続け、跳ね上げ扉を通過するたび封鎖していく。彼女は数秒立ち止まり、笑い始める。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズは泣き始める。
数分後、ウィリアムズは立ち直り上昇を再開する。およそ半時間後、彼女はSCP-3333の頂上に到達する。
ウィリアムズ博士はライトを点ける。
ウィリアムズ博士
間。ウィリアムの声は響かない。返答はない。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズは数分間SCP-3333の頂上を歩き回る。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズ博士は座り込み、カメラをテーブルに立てかける。
ウィリアムズ博士
足音が遠くに聞こえる。
ウィリアムズ博士
足音は近づいてくる。それは乱れて荒く、一歩ごとに重い足が叩きつけられるようだ。突然それは止まり、人が壁か家具に当たったような湿ったドシンという音がする。
ウィリアムズ博士
スペシャリスト0の体がよろめき視界に入ってくる。肉は不揃いに引き伸ばされ、ずんぐりとして不格好だ。ツギハギのような皮膚が剥がれ落ち、中にいるモノの体がのたうち回るのが見える。 頭部が胸へと垂れ下がりぶら下がっている。体全体は方向も目的も定かでないような、グキグキとした動きをしている。ウィリアムズは、明らかに臭いのためにえずく。
ウィリアムズ博士
実体は部屋へとよろめき入る。ウィリアムズは後ずさり離れる。実体は足音の方向を見るために旋回する。何かが頭部に入る。頭部は骨組みのようなものが入り立ち上がる。目と耳には引っかき傷がある。実体は何かを発声しようとするが、濡れたゴボゴボ音がするのみである。
ウィリアムズ博士
ウィリアムズはすすり泣き始める。実体は頭部から骨組みを抜き去る。その内部構造は完全になくなり、頭部が後方へ垂れる。ウィリアムズは銃を持ち上げ実体を撃とうとする。銃は空だがウィリアムズは更に撃とうとする。銃はカチカチと鳴るだけである。ウィリアムズは泣き続ける。銃はカチカチと鳴り続ける。ウィリアムズは崩折れて銃を落とす。実体は近づく。それは歩きも、動きもぎこちない。よろめき、鈍く、奇形的である。スペシャリスト0の胴体はのたうっている。まるでシートに絡まった何かが抜け出ようとしているようだ。
ウィリアムズ博士
何かが裂ける音がする。スペシャリスト0の肉が裂ける。それは内部の実体には難儀だったようだ。皮膚は丈夫で、内部の脂肪層は安々と道を明け渡そうとしないかのようだ。棘の生えた刺突起が裂け目から突き出し、ウィリアムズ博士の皮膚に穴を開ける。ウィリアムズは倒れる。刺突起には麻痺物質が含まれているようだ。スペシャリスト0の皮膚は裂け続ける。大きな黒い実体が皮膚から脱ぎ出る。それは大きな半透明の翅と吸引管状の付属器官を胸部に持っている。目がついているようには見えない。その皮膚は極度に薄く、いくらかの粘性の内容液を通して臓器が見えるが、骨は見当たらない。それは動く度に翅から衣擦れのような音をさせながらウィリアムズに近づく。それはウィリアムズに到達し、付属器官を傷に突き入れる。吸い出し、滴る音がする。実体の背面から半液体となった臓器と骨の塊が排出され、ウィリアムズが空の皮膚のシートになるまで完全に吸い出される。実体は皮膚に付属器官で触れたまま、体を捻じ曲げ傷口に入り込む。皮膚はぐにぐにと曲がり、実体にフィットしていく。皮膚は満たされウィリアムズの形になる。実体は立ち上がり、カメラを止める。
[ログ終了]