続編.
・手放される日・
アメリカが日本への重い感情を押し込め 手放す決意をし、静かに2人の関係が崩れゆく
それでは ごゆっくりお楽しみください
アメリカさんが突如 私の前から姿を消したのは 秋のはじまりだった。
連絡も、迎えも、合鍵で開けるドアも―― すべてが なかったことのように消えていました
「……もう、解放してやるよ。これはお前のためだ」
そんな一言だけが、冷たい紙に残されていた。
日本
誰もいない部屋で、私は乾いた笑みを漏らし
手元の湯呑に手をかけ 震える指でそれを包み込んだ。
日本
思い出すのは 夜のベッドでアメリカさんに縋る 自分の姿
反抗する気力もなく、ただ「はい」と従うことしかできなかったあの日々。
けれど―― それでも、
あの支配の中には“自分だけの居場所”があった。
「 ジャパン お前が誰よりも大事だ だから ずっと俺のそばにいろ 。」
その声が、もう聞けない。
・数日後・
別れに納得できなかった私は アメリカさんの元を訪ねました 。
いつも以上に整えたスーツ
バクバクとあがる心拍数
僅かに震える手元
詰まる息
胸が張り裂けそうな感覚に襲われながら アメリカさんの家のドアをノックした
日本
日本
周りの目は気にしない ただ 自分から 彼への想い… 否
怒り をぶつけたかった 私の気持ちを主張したかった
日本
日本
日本
声が詰まる
日本
日本
日本
カタ、カタ。ガチャン と 音を立て、そっとドアが開く
アメリカ
彼は ふい と目をそらし、低くつぶやいた。
アメリカ
痛いよ
「俺は……お前を壊したくなかった」
日本
「……愛してたからだよ」
日本
そう言葉を交わしているうちに 私の目からは涙がこぼれた。
“支配”に耐えたすべての年月を弔うような 重く、長い涙でした。
2人は暫くの間向かい合っていた。
離れようとするアメリカと 戻れないことを知りながらも立ち尽くす日本
「貴方に もう少し優しくされてみたかった」
その言葉にアメリカは一歩踏み出しかけて――
けれど、何も言えずそのまま背を向けた。
愛した
間違えた
でも、それでも本当に
大切だった
その想いだけが、部屋の空気に残っていた。
○ ○
彼の 「壊したくなかった」と
日本の 「でも、それは愛とは呼べない」が
ぶつかり合ってできた距離
貴方は こんな経験をしたことはありますか?
この先 貴方が困難にぶつかったとしても
挫けたとしても
その先には必ず 貴方に幸せがありますように。
○ ○
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